2008年度公務労協情報 9 2007年11月15日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

2007地方確定・地財確立で地公部会が議長会3団体要請を実施−11/14

 公務員連絡会地公部会は14日、全国都道府県議会議長会・全国市議会議長会・全国町村議会議長会に対し、地方公務員の賃金と地方財政確立等に関して要請(別紙)を行った。これは、6日の政党要請、8日の首長3団体要請(情報bW参照)に続く一連の行動として行ったもの。要請には、藤川地公部会事務局長をはじめ地公部会幹事が出席した。
 要請の概要については以下の通り。

(1)全国都道府県議会議長会要請の概要
 全国都道府県議会議長会に対する要請は13時から行われ、松岡調査一部長が対応した。冒頭、藤川事務局長から地方交付税の総額確保をふくめた地方財政の確立、地方公務員の定数の確保、自治体賃金確定での労使交渉の尊重など要請の趣旨を説明し、財政論にとらわれない公共サービスの確保の必要性を訴えた。
 それに対する全国都道府県議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。
@ 要請書1.2.については、全国都道府県議会議長会としても10月23日に決議をしたところ。本日は議長会役員が政府および与党議員への要請行動を実施している。とくに地方交付税総額の2004年以前額への復元と増額を求めて、11月19日に行われる地方6団体の全国大会でも決議を行うこととしている。
A 地方財政制度の改革の方向性が見えない中で、自治体運営の厳しさは全国の都道府県議会議長としても感じている。格差是正への思いは共通する。
B 各議会に対し指示できる組織ではないが、地方交付税制度の機能の堅持や総額の復元などについては、労働組合からも地元議員に働きかけを行い、各地域からの取組みをつくり上げていってもらいたい。
 最後に地公部会として、地方6団体との綿密な協議や課題の共有化が必要として具体的な行動を進めていくことを要請した。

(2)全国市議会議長会要請の概要
 全国市議会議長会に対する要請は13時45分から行われ、上市政務第一部副部長が対応した。冒頭、藤川事務局長から「自治体財政は非常に厳しい状況が続いているが、交付税総額の復元が必要。これ以上の職員定数削減は、果たすべき住民サービスに支障が出かねない。自治体責任を考えるべき。また、財政を理由とした議会からの職員給与の引下げ提案が各地で見られてきたが、労使交渉の尊重を」と要請の趣旨を説明した。
 それに対する全国市議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。
@ 地方交付税制度の財政調整機能と財源保障機能について堅持すべきとの同じ考えを持っている。地方交付税は三位一体改革で削減されてきたが、本来の水準とすべきであると考える。市議会議長会として交付税の「増額」について決議をしたところ。
A 11月19日の地方六団体全国大会後には、政府への要請のほかに各県ごとの陳情団を結成し、各議員への要請を行う予定だ。
B 各自治体議会の議決内容に指示をできる立場ではないが、定数や賃金削減の動きの根底にあるのは財政の厳しさ。決議文の文言上「労使関係の尊重」とは触れることはできないが、サービス水準の確保のための自治体財政の確立などを求めることで、皆さんへの側面的な支援ができればと考える。
 最後に地公部会として、財務省が財政審議会に出した資料への反論など、資料や情報を共有化し、お互い協力の下で地方自治の危機を乗り越えたいと要請した。

(3)全国町村議会議長会要請の概要
 全国町村議会議長会への要請は、14時30分から行われ、松浦政務・議事調査部係長が対応した。冒頭、藤川事務局長から、「医療・介護・福祉など住民に不可欠なサービスを提供する上で、自治体規模の小さい町村はとくに厳しい状況におかれている。現在、各自治体で賃金確定の交渉が行われているが、住民サービス確保のためには交付税総額の確保が必要」と要請の趣旨を説明した。
 それに対する全国町村議会議長会からの回答の概要は以下のとおり。
@ 財政基盤の脆弱な町村においては、地方交付税制度の財政調整機能と財源保障機能の堅持は不可欠。過疎地や離島などでは死活問題となる。地方交付税総額の復元と増額を強く求めていきたい。
A 11月19日の地方6団体全国大会後、31日には町村議会議長会大会を行う。そこでも交付税制度の堅持など、自治体財政確立の取組みの強化を確認する予定である。
 最後に地公部会として、日常的な意見・情報交換の実施などを進めていきたいと要請した。

(別紙)議長会3団体への要請事項

1.地方交付税制度を堅持し、交付税総額の安定的確保をはかること。とくに、地方交付税制度の財源保障機能および財政調整機能の堅持、自治体の安定的財政運営を実現する一般財源を確保すること。

2.抜本的な地方分権改革を早期に実現し、国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方自治の確立を図ること。国庫補助負担金制度については、国としての最低保障のあり方や国と地方の役割分担を踏まえ、個々の事業を精査し必要な改革を進めること。

3.公共サービス分野の規制改革については、自治体の責任と関与のもと、公共サービスの質と水準の維持・向上を基本とすること。また、改革に当たっては、公共サービス利用者である市民および提供労働者の参画・関与を確保する方策を講じること。

4.地方公務員の定数については、自治体の果たすべき住民サービスのあり方について十分な国民的議論と合意のうえで、適正な人員を確保すること。

5.自治体賃金の確定に当たっては、労使の交渉を尊重すること。

6.地方公務員制度の改革にあたっては、労働基本権を確立し、地方自治の本旨を踏まえ分権型で開かれた民主的な公務員制度とすること。