公務員連絡会は、29日11時から、総務省人事・恩給局交渉を実施し、別紙「新たな人事評価制度の実施に関わる政令案等に対する申入れ」を提出し、その実現を迫った。
この申入れ交渉は、政府から22日に、本年4月から新たな人事評価制度の実施するための政令案、内閣府令案、人事・恩給局長通知案等が提示されたことから、新たな人事評価制度の円滑な実施に向けた課題の解決を求めて行ったもの。
交渉には、公務員連絡会側は岩岬副事務局長をはじめとする実務協議メンバーと国公関係組合代表が参加し、人事・恩給局側は境参事官ほかが対応した。
冒頭、岩岬副事務局長が「提示された政令案等を検討し、新たな人事評価制度の実施に向けて実現を求める事項を取りまとめた。納得性のある人事評価制度が円滑に実施できるよう、申入れ事項を実現していただきたい」と述べた上で、申入れ事項の趣旨を説明し、総務省の一層の努力を求めた。
これに対し、境参事官は「申入れ事項はよく検討させていただきたい。新たな人事評価制度の実施については、これまで皆さんとの間で積み上げてきた結果なので、円滑な実施に努め、よりよい制度となるよう努力していきたい。今後、皆さんや各府省の意見を踏まえて、個別の事項を検討し、2月中旬までには固められるよう調整していきたい。今後も職員団体とよく意見交換を行い、新たな人事評価制度が円滑に運営できるよう、引き続き努力していきたい」との考えを示した。
その後、通知案、実施規程(イメージ)等についての質疑・意見交換を行い、最後に岩岬副事務局長が「申入れ事項を十分検討し、改めて人事・恩給局長から、誠意ある回答をいただきたい。最終的には、総務大臣との交渉で実施に向けた決着を図るのでよろしくお願いする」と要請し、申入書の提出交渉を締めくくった。
別紙
2009年1月29日
総 務 大 臣
鳩 山 邦 夫 殿
公務員労働組合連絡会
議 長 福 田 精 一
新たな人事評価制度の実施に関わる政令案等に対する申入れ
日頃の国政全般における貴職のご尽力に心から敬意を表します。
過日、貴職から当方に新たな人事評価制度の実施に関わる政令案、内閣府令案等が提示され、国公法改正以来2年にわたる取組みの集大成として、いよいよ4月から実施されることとなりました。
公務員連絡会は、納得性のある新たな人事評価制度の構築に向け、4原則2要件の実現を求めてきましたが、提示された政令案等はそれに照らして未だ不十分であると言わざるを得ません。これまでに、数次の試行、リハーサル試行を積み重ねてきましたが、地方の職場においてはまだまだ取組みが不十分であり、このまま本格実施されたとき円滑に評価が実施されるかどうか、危惧されるところです。
新たな人事評価制度の実施とその活用を円滑に行うためには、被評価者たる職員の理解と納得が不可欠です。
政令等の制定に当たって、「納得性のある新たな人事評価制度の円滑な実施」が実現できるよう、下記の通り申し入れますので、貴職におかれましては、誠意を持って交渉・協議を行い、課題の解決に全力で当たられるよう強く要請します。
記
1.納得性のある新たな人事評価制度の円滑な実施に向け、政令案等について十分に交渉・協議し、合意すること。
2.職員の理解と納得を確保するため、新たな人事評価制度の意義や仕組みの周知・徹底を丁寧に行うこと。あわせて、評価を行う管理職員全員に対して評価者研修の受講を義務づけること。
3.人事評価制度をより納得性のあるものとするため、毎年実施状況を検証するとともに、一定年限経過後、必要な制度見直しを行うことを約束すること。
4.政令案等について、次の通り修正すること。
(1) 通知「第九」を、「所轄庁の長においては、
任用・給与に活用されることや評価結果の開示が職員の自発的な取組みを促すための措置であることを踏まえ、
可能な限りその趣旨を踏まえた適切な開示範囲を定められたいこと。」と修正し、個別評語の開示に向け各府省を指導する姿勢を明確にすること。
(2) 通知「第十二」に4として、評価の活用に関わる苦情については、人事院の苦情相談、不服申立、給与決定に関する苦情申立等の方法があることを実施規程または苦情対応要領に明記すべきことを記載し、各府省を指導すること。
(3) 通知「第十四」に3として、納得性のある人事評価制度が円滑に実施されるためには、職員の理解と納得が不可欠であることから、各府省において実施規程等を定めるに当たっては職員団体等(または職員の代表等)と十分協議する必要があることを明記すること。
(4) 「実施規程(イメージ)」の別紙Cの「苦情対応要領」の「2 苦情処理」の「(2)苦情処理窓口の対応」のなかの同席者の事例として「職員団体等」を書き加えること。
以上