2009年度公務労協情報 32 2009年 3月 5日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

2009春季要求事項で幹事クラスが総務省・人事院と交渉−3/5
−中間的回答に不満の意を表明し、さらに誠意ある回答を求める−

 公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、5日午後、人事院職員団体審議官、総務省人事・恩給局次長と交渉を行い、2月19日に提出した2009春季要求に対する中間的な回答を引き出した。しかし、この日の回答では総務省、人事院ともに抽象的で不満な回答にとどまった。このため、公務員連絡会は、13日の局長交渉ではさらに誠意ある回答を行うよう要求し、回答指定日に向けて交渉を積み上げて行くこととした。
 人事院、総務省交渉の経過は次の通り。

<人事院職員団体審議官との交渉経過>
 公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、13時30分から、井上職員団体審議官、松尾参事官と交渉を行った。
 冒頭、公務員連絡会の岩岬副事務局長が「2月19日に総裁に要求書を提出したので、重点事項についてのこの間の中間的な検討状況を伺いたい」と人事院の回答を求めたところ、審議官は「2月19日に総裁宛に統一要求が提出され、現在検討を行っているところである。最終回答は、3月下旬になる見込みであるが、最終回答に向けて、今後もしっかり意見交換を行っていきたい」と述べた上で、次の通り答えた。

1 賃金要求について
(1) 本年の民間春闘については、ベースアップを要求している労働組合もみられるものの、景気が急速に悪化しているなかで経営側の対応は厳しいものが予測され、人員削減や賃金カットなどを実施するとの報道もなされている。昨年10〜12月期のGDPが前期比マイナス3.3%、年率換算マイナス12.7%という数字もでており、月例経済報告の基調判断も各指標とも月を追って悪化しているなど、厳しい春闘となることが予測される。このような状況のなかで3月中旬以降行われる回答・妥結の動向を注視していきたい。
(2) 人事院としては、例年と同様、情勢適応の原則に基づき、民間給与の実態を精緻に調査した上で、民間給与との精確な比較をして、較差を解消することを基本に給与勧告を行う。
(3) 人事院としては、公務員給与の在り方については、情勢適応の原則に基づき常に検討を続けており、使用者としての政府からの検討の要請を含め、広く各方面の意見を聴きながら公務員の適正な給与の確保に向けて、中立第三者機関としての人事院の使命に鑑み、その責任を果たして参りたい。
 なお、地域別官民給与の実態の公表については、昨年の基本要求の回答の際にも申し上げたように、国民に対する説明責任の観点からも前向きに検討する必要があるとの認識に立って検討しているところである。
(4) 住居手当の見直しに関し、自宅に係る住居手当については、平成15年の勧告時の報告において基本的な考え方を示しており、手当としての意義が薄れていることから、今年の勧告に向けて廃止の検討を進めることとしている。借家・借間に係る手当については、高額家賃を負担している職員の実情を踏まえた手当の在り方について、引き続き検討していく。
(5) 特地勤務手当については、現在、新たな基準について検討を重ねているところである。然るべき時期に職員団体等関係者へお示しし、ご意見をお聴きしていきたいと考えている。全体的なスケジュールについても、現在検討中である。

2 非常勤職員の処遇改善について
(1) 非常勤職員の給与については、昨年8月にその決定に当たっての指針を発出したところであり、現在、各府省において必要な対応がとられていると承知している。まずは各府省の実施状況についてフォローし、指針の内容を定着させていくことが肝要と考えている。
(2) 休暇については、民間の状況等も踏まえ、検討を行っているところである。
(3) 非常勤職員の問題は、業務運営の方法、予算、組織定員管理等と密接不可分な関係にある幅広い問題であり、政府全体として検討される必要があると考えている。人事院としてもその取組みに対して協力して参りたい。

3 労働時間等について
(1) 現在、政府全体として在庁時間の縮減に取り組むこととし、各府省において在庁時間削減の目標やそのための具体的事項を設定して取組みを進めているところであり、本年度の取組み状況については、全体がとりまとまった段階で、職員団体等関係者に説明することとしている。
 上限目安指針等の実施状況については、今般、新たに他律的業務の比重の高い部署における超勤時間の上限目安を設定したことを踏まえ、一定期間経過後にフォローアップする必要があると考えているが、その方法等について今後検討して参りたい。
(2) 労働基準法改正を踏まえた超過勤務手当制度の取扱いについては、労働基準法の改正内容等を踏まえつつ、検討を進めていく所存である。

4 新たな人事評価の活用について
 人事評価の活用については、昨日、規則等の改正案要綱を提示した。
 昨年秋に第2次措置案を提示し、その内容について協議を行ってきたが、そのなかで公務員連絡会から強い要望のあった、係長級への昇任・昇格要件の見直し、昇格候補者決定に当たっての評語の活用方法については、ご意見を踏まえた形でとりまとめている。
 規則等の施行は、評価制度の施行に併せて4月1日から、制定・公布は今月半ばとすることを予定しているが、それまでの間、引き続きご意見を伺って参りたい。
 制度の施行後においても、各府省における実施状況を把握した上で適切に対処して参りたい。

5 新たな高齢雇用施策について
 平成19年9月から開催している「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」の中間報告を踏まえ、人事院としては、昨年の勧告時報告において定年年齢を平成25年度から段階的に65歳まで延長することを中心に検討を進める旨言及したところである。
 段階的な定年延長の検討及びそれに伴う給与水準等の在り方については、今夏に予定されている研究会の報告を踏まえ、関係者と意見交換しながら、検討して参りたい。
 なお、研究会の場において職員団体を始め関係者のご意見を聴くことについては、中間報告までの間においても行ったところではあるが、必要な対応ができるよう事務局として努力していきたい。

 回答に対し公務員連絡会側は、次の通り人事院の見解を質した。
(1) 自民党のプロジェクトチーム(PT)が議員立法で国家公務員の夏のボーナスの引下げを検討するなど、政治の中で公務員給与の引下げが議論されている。これは、政治が勤務条件決定に介入し、人事院勧告制度を無意味にしようとするものだ。人事院が、従来以上に毅然とした対応をする必要があるのではないか。
(2) 昨年の人事院勧告閣議決定の際の政府の見直し要請に対する人事院の考えは基本要求への回答と変わらないものと受け止めるが、「地域別官民給与の実態の公表については、前向きに検討する」との考えが示された。政府が求める実態公表は俸給表水準の見直しが目的であり、数字が一人歩きする心配がある。給与構造改革が完了するまで、公表はすべきではない。俸給表水準の検討については、まずは現在の給与構造改革を進めるという考えに変わりはないか。
(3) 国家公務員改革推進本部の甘利担当大臣から、幹部職員の一時金に傾斜配分を導入するための勧告要請が行われたが、人事院としてはどう対応するつもりか。また、甘利大臣はどういう立場で要請をしたのか。
(4) 自治体では公務員宿舎がなかったり、地域によっては民間賃貸住宅が少なく、持家に対する手当の受給者割合が高い。人事院勧告は、国家公務員に対するものであるが、地方公務員へ大きな影響を与えることから慎重に対応していただきたい。また、特地勤務手当については昨年も地域の実態を訴えたところであり、現場の状況を踏まえた見直しとしていただきたい。
(5) 本年は非常勤職員の賃金について、連合の統一要求を踏まえ、30円以上という実額要求を行った。昨年の指針は、最低のところを引き上げるという意味で効果的な措置と思うが、それより上の部分には及んでいない。非常勤職員の給与を全体的に上げてほしいという要求であり、きちんと受け止めていただきたい。雇用や任用の在り方の検討は政府全体として取り組む課題であるが、第三者機関である人事院としてどう考えているのかを明らかにすべきだ。今年の夏には何らかの成果が上がるように努力願いたい。さらに、休暇についても、常勤職員と同じ仕事をしていることを踏まえて同様に改善していただきたい。
(6) 在庁時間削減の取組み状況のとりまとめはいつ頃になるのか。また、労働基準法改正に伴う超過勤務単価引き上げは、今年の勧告事項と考えてよいか。
(7) 労働政策審議会雇用均等分科会の昨年12月の建議「仕事と家庭の両立支援対策の充実について」では、「父親も子育てができる働き方の実現」をするため、様々な施策を提言している。法案はこれからであるが、国家公務員の制度も足並みをそろえられるよう検討してほしい。また、節目節目には議論をさせていただきたい。
(8) 評価結果の活用に関わる規則改正要綱案は、昨日、伺った。全体的にはまだまだ不十分であるし、評価制度自体、みんなが納得できるものにはなっていないが、本格実施に移ることは受け止めることにしたい。いずれにしても、みんなが納得できるためには段階的に実施すべきであり、活用についても性急な面があるので、公正に運用され、混乱しないよう引き続き努力していただきたい。公務員全員に周知できるようパンフレットなどをぜひ作ってほしい。また、実施後、どういう運用になっているかの調査を行い、必要な見直しを行うことを約束していただきたい。最終決着は書記長クラスと局長との間で行いたい。
(9) 高齢雇用施策については、昨年の人事院報告で示した「段階的に定年延長を進める」という基本姿勢に変わりはないか。また、本年夏の最終報告を踏まえ、勧告の際、意見の申出の時期などを明記していただきたい。

 これに対し人事院側は、次の通り考えを示した。
(1) 人事院としては、情勢適応の原則に基づいて、較差を埋めるよう勧告を行うという従来からの基本姿勢に変わりはない。給与を含む国家公務員の勤務条件については、労働基本権制約の代償機関である人事院が内閣と国会に勧告を行い、最終的には国会で決めることが基本である。国会でもそのように認識されているものと受け止めている。国会内の議論については、承知はしているが、それについて何か検討しているということはないし、何か言う段階ではない。
(2) 地域の官民較差の実態公表それ自体については否定的に対応する理由がないし、説明責任があるということを踏まえて検討する必要があると認識している。いずれにしても、現在の給与構造改革を進めることが肝要との考えに変わりはなく、適切な公務員給与を確保するため、各方面の意見を聞きながら、人事院として責任を果たしていくとの考えである。
(3) 甘利大臣からの要請については、人事院としても2004年の報告で指定職の特別給について業績反映ができないかということを報告したところであり、部内でも検討してきた。今回の要請を踏まえ、専門的機関としてしっかりと検討し、まとまればできるだけ早く勧告したいと考えている。なお、甘利大臣は公務員制度改革担当の大臣として内閣を代表する立場で要請されたものと受け止めている。
(4) 非常勤職員の賃金について新たに30円以上引上げという要求をされていることはポイントの置かれた事項と受け止めている。非常勤職員の場合、人件費だけでなく庁費からも出ている部分もあるので、まずは指針どおりに実施されているかをチェックすることが重要であり、新年度に入ってからヒアリングを行いたいと考えている。また、非常勤職員は職のあり方がバラバラなので、まずそこを整理しないと人事制度を組み立てられない。そこで業務運営の方法などについて整理し、それを通じて処遇などの改善に結びつけていくということで、政府全体として検討している。
(5) 在庁時間削減の取組みのとりまとめは、今年度の実施状況をまとめることになるので、新年度に入ってからになる。また、労基法改正への対応は実施時期が来年4月なので、時間的には本年の勧告はひとつの機会ということになる。
(6) 労働政策審議会雇用均等分科会の建議は承知しており、新しい状況を踏まえ、必要な措置は考えて行きたい。
(7) 人事評価については、おっしゃられたことに違和感はない。回答は局長のところでさせていただくことにして、そこで決着したい。評価も大事だが、一人ひとりがやらないといけないので、職員団体としてもご協力をお願いしたい。
(8) 高齢雇用施策については、平成25年度から段階的に定年延長を進めるとの考えに変わりはない。研究会の最終報告を踏まえ、検討していくこととしたい。

 以上のように、人事院が明確な回答を示さなかったことから、公務員連絡会側は、最後に「今後議論を積み重ねて、13日の書記長クラスと各局長との交渉では、われわれの要求についてより明確で誠意ある回答を示して欲しい」と局長交渉では納得できる回答を行うよう強く求め、本日の交渉を締めくくった。

<総務省人事・恩給局次長交渉の経過>
 公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、15時から、総務省人事・恩給局笹島次長と交渉を実施し、2009春季要求書に対する検討状況を質し、中間的な回答を求めた。
 はじめに、岩岬副事務局長が要求に対する総務省の回答を求めたのに対し、次長は「去る2月19日に要求書を受け取って以来、部内において誠意を持って検討を行ってきたところである。本日は、現段階における当局の考え方を主な要求事項に沿ってお答えしたい」として、次の通り回答を示した。

1 総人件費削減等の実行計画等について
 総人件費改革に伴う国家公務員の配置転換については、明日の国家公務員雇用調整本部において取組みの最終年度となる平成22年度の実施計画を決定し、22年度の取組みに向けた作業を開始すると承知している。
 総務省としても政府全体としての取組みが円滑に進むよう、今後とも積極的に協力していく所存であるが、配置転換を巡る情勢は非常に厳しいものと認識しており、職員団体においても、この厳しい状況認識を共有していただき、雇用の確保に向け、職員のために総力を挙げて対応していただきたい。

2 2009年度の賃金改善について
(1) 国家公務員の給与改定は、国家公務員の給与を社会一般の情勢に適応させるとの原則の下、官民の給与実態の客観的調査に基づいて行われる人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って実施している。
 総務省としては、2009年度の給与改定に当たっても、これまで同様、人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って、適正な給与水準を確保してまいりたい。
(2) 昨年冬の給与改定の取扱方針の閣議決定において、平成21年の勧告時に地域別官民給与の実態を公表すること等について人事院に要請したところであるが、これは、人事院において、要請を踏まえ、主体的に検討が行われることを期待するものである。
 人事院においても、昨年の勧告時の報告において、給与構造改革期間終了後の取組みとして、地域における民間給与の状況等を踏まえ、引き続き地域間の配分の在り方を検討することとしており、今後、人事院において、地域における民間給与等の実態についての調査等が行われるものと思料している。
(3) 総務省としては、これまで同様、国家公務員の給与を社会一般の情勢に適応させるとの原則の下で行われる人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って、適正な給与水準を確保してまいりたい。

3 非常勤職員等の雇用、労働条件の改善について
(1) 非常勤職員の給与に関しては、昨年の8月に人事院から指針が示されており、まずは、この指針を踏まえて、各府省において適切に対応することが必要と考える。
(2) さらに、昨年の人事院からの報告でも「給与に関する指針の策定に加え、休暇及び健康診断の在り方について検討を行うとともに、任用形態・勤務形態の在り方についても問題意識を持って考えていきたい。」とされている。
 こうした状況も踏まえて、人事院などの関係機関と連携しつつ事務的な検討を始めたところであり、必要に応じて各府省の対応状況の把握や問題点の整理などを行いつつ、総務省としても鋭意検討してまいりたい。

4 労働時間、休暇及び休業等について
 国家公務員の労働時間の短縮については、「国家公務員の労働時間短縮対策について」(平成4年人事管理運営協議会決定)を昨年9月に改正するなど、超過勤務の縮減や年次休暇の計画的使用の促進を中心に進めている。
 特に、超過勤務の縮減については、超過勤務を命ずべき業務について、政府全体として業務量を減らす取組み、厳正な勤務時間管理や現場における時間効率の向上の取組みを行うことが重要であると考えている。
 各府省において、労働時間短縮対策に基づいた様々な取組みが的確に行われるよう徹底してまいりたい。
 なお、超過勤務手当等の給与の在り方については、勤務条件に関わることであり、総務省としても、人事院における検討状況を注視してまいりたい。

5 新たな人事評価制度の実施について
 各府省において実施規程等を定める際に職員団体と意見交換することは有意義なことであると考えている。制度の運用に当たっては、制度の周知徹底はもとより、評価者の評価能力を高めるための評価者講習等についても引き続き行うとともに、引き続き、職員団体とも十分意見交換し、円滑に制度を運用していきたいと考えているのでよろしくお願いしたい。

6 新たな高齢雇用対策について
(1) 今後、公的年金の受給開始年齢の段階的な引上げが行われることにより、60歳定年退職者についていわゆる無年金期間が発生することから、公務においても、雇用と年金の連携を図り、職員が高齢期の生活に不安を覚えることなく、職務に専念できる環境を整備することが必要であると考えている。
(2) こうした問題意識を持って、先般成立した国家公務員制度改革基本法に基づく「公務員制度改革に係る「工程表」について(平成21年2月3日国家公務員制度改革推進本部決定)」では、再任用の原則化に向けた取組みについては平成21年中に結論を得ること、また、定年延長の検討については平成23年中に一定の結論を得ることなど、幅広い観点から検討を行うこととされている。
 公務員制度を所管する総務省としても、内閣官房と連携・協力してこれらに取り組んでまいりたい。

 これに対して、公務員連絡会側からは、次のことを質した。
(1) 賃金要求に関わって、自民党に公務員給与改革プロジェクトが設置されるなど、政治の場でさまざまな議論が出ている。議員立法で、公務員賃金の上げ下げができるとなれば、人事院勧告制度は意味をなさなくなってしまう。使用者として、責任をもった対応をしていただきたい。
 「地域別官民給与の実態公表と俸給表水準の見直し検討」の人事院への再要請は、使用者ではなく、行政府の意思として要請しているのであり、人事院への政治の圧力であり、直ちに止めるべきだ。
 「幹部職員の賞与の傾斜配分」等についても、甘利行革担当大臣が人事院に要請している。使用者たる総務大臣ならまだしも、行革担当大臣が勤務条件の変更を人事院に要請するのはルール違反ではないか。
(2) 非常勤職員の雇用・処遇について、人事院指針にもとづくその後の各省の対応は把握しているのか。また、関係機関との検討とはどの機関で何をどのように検討しているのか。われわれとも意見交換すべきである。
(3) 新たな高齢雇用対策について、国家公務員制度改革推進本部事務局の工程表では、段階的な定年延長の方針と齟齬を来たさないか。

 これに対し、総務省側は次の通り答えた。
(1) 自民党の公務員給与改革プロジェクトは、2月1日に第1回会合、昨日には第2回会合がもたれた。夏のボーナスから民間給与を反映すべきとの議論をされているようであるが、どういう視点、内容、方法でやろうとしているのか、不明である。情報の把握に努めてまいりたい。
(2) 地域別官民給与の実態公表等については、人事院も地域間の配分の在り方を引き続き検討するとしており、人事院の主体的な検討を期待したい。
 「幹部職員の賞与の傾斜配分」については、公務員制度改革の工程表を推進する立場からではないか。具体的な制度や中身については承知していない。
(3) 非常勤職員の課題については、現状が複雑であり、具体的な制度の仕組みや運用を整理・研究しているところである。総務省人事・恩給局と人事院、総務省行政管理局などで検討の場をもっている。検討の結果がいつになるかは不明であるが、余り長い時間をかけてやるというわけにも行かない。公務員連絡会との意見交換はいずれさせていただきたい。
(4) 定年延長は、お互いの目標である。公務員制度改革推進本部は、当面の施策として再任用の拡充を言っているものと思う。

 これらの見解に対して、公務員連絡会側から、さらに次の通り追及したが、議論は平行線をたどった。
(1) 人事院勧告制度があるなかで、国会が直接給与を上げ下げするというのは、人勧制度の空洞化につながり、非常に危機的状況である。使用者として、危機意識をもって、直ちにやめるよう要請すべきである。
(2) 幹部職員の賞与の傾斜配分等については、現行制度のなかでの措置なので、国家公務員制度改革推進本部の検討対象にはなり得ない。公務員の勤務条件について、国家公務員制度改革推進本部で検討するのはやめるべきである。
(3) 非常勤職員の課題については、建設的な意見交換をしたいと考えている。是非、早急に意見交換をお願いしたい。
(4) 新たな高齢雇用について、再任用の原則化と定年延長は明らかに異なる。工程表には高齢雇用施策についての基本方針がない。基本方針として、段階的な定年延長を実現する方針を明確にすべきである。

 最後に、国家公務員の配置転換の問題について、「最終年度は、分権改革など取り巻く環境は厳しい状況にある。政府として、雇用確保の立場を堅持し、改めて、取り組みを強化していただきたい」と強く要請し、「本日の中間見解は、要求からして満足のいくものではない。3月13日には人事・恩給局長との交渉を予定している。より具体的で誠意ある回答を示してもらいたい」と強く求め、交渉を終了した。

以上