公務労協は、24日、工程表に基づいて内閣人事局を設置することなどを内容とする法案の閣議決定、国会提出が迫ってきたことから、国家公務員制度改革推進本部の立花事務局長との交渉・協議を実施した。
交渉・協議は、18時30分から行われ、公務労協側から各構成組織書記長が参加し、公務員事務局側は立花局長のほか、渕上・古賀両審議官らが対応した。
冒頭、公務労協の吉澤事務局長が、法案の検討状況を質したのに対して,公務員事務局側は「これまで皆さんに説明してきた法案イメージと異なっている点を説明する」として、次の通り、現時点における法案の内容を説明した。
(1) 総務省行政管理局から移管する機能について、与党から「焼け太りではないか」との指摘があり、鳩山総務大臣と甘利公務員制度改革担当大臣の間の政治判断で機構・定員に関わる機能のみを移管することとした。
(2) (1)の変更に伴い、名称も内閣人事・行政管理局ではなく内閣人事局とした。なお、これは工程表とは異なる内容である。
(3) 内閣人事局の長については、官房副長官の充て職(あてしょく)とすることを法文上規定することとした。この点は、工程表に明記されていないかったが、政府内及び与党の議論を踏まえて、修正したもの。
これに対し公務労協側は、「工程表の決定以降、実務レベルで5回にわたって様々な議論をしてきたが、われわれの意見は全く取り入れられていないし、われわれが指摘した問題点や疑問に対しても納得できる回答は一切示されなかった」と公務員事務局側の対応を厳しく批判し、改めて@級別定数の内閣人事局への移管の問題点A「説明責任」を根拠として基本法に明記されていない機構・定員などを内閣人事局の権限とすることへの疑問B職員団体による意見の申出の意味などについて、明確な説明を行うよう求めたが、公務員事務局から納得できる説明は行われなかった。
このため、最後に吉澤事務局長が「法案には反対であり、本日の回答では納得できないので、大臣との交渉を申し入れる」と大臣との交渉を要求した。これに対し、立花局長が「約束したとおり最大限対応してきたと思っている。皆さんの意見の全部が全部を取り入れられなかったことはご理解願いたい。大臣との話は承った」と答えたことから、立花局長との事務レベルの交渉・協議を打ち切り、大臣との間で決着を図ることとした。
法案の決定は来週にずれ込む情勢となっているが、公務労協では、委員長クラスによる大臣交渉を実施するとともに、対策本部会議を開催し、法案への対応など取組み方針について意思統一することにしている。
以上