公務員連絡会地方公務員部会は、8日14時から、民間夏季一時金の臨時調査について、幹事クラスによる全人連要請を実施した。全人連からは、宮川事務局次長らが対応した。
冒頭、地公部会の藤川事務局長が要請書(別紙)を手交し、以下の点について指摘した。
(1) 総務省は、人事院に対して所管区域のデータを各人事委員会の要請にもとづいて提供できるよう求めている。4月6日の公務員連絡会による人事院給与局長交渉において、「集計は全国一本で行う」と回答があった。4月末までの回答・妥結結果は4〜5割以下と言われており、2,700社のうち調査に回答ができるのはその半数以下という事態も想定される。各人事委員会が、人事院から所管別のデータを入手し、そのデータを参考に仮に勧告を行うということになれば、各都道府県別では回答した企業数が少ないことなど、全国集計以上に精確性に欠け、人事委員会が十分な説明責任を果たせるとは言えない。
(2) 各人事委員会が適切な判断ができるよう、全人連として積極的な情報提供を行う必要があり、本日の要請についても直ちに、各人事委員会に伝えていただきたい。
それに対して、全人連からは、「4月13日に全人連役員会が開催されるが、本日の要請は重要な情報として各人事委員会に速やかに伝える」との回答を受け、申入れを終了した。
(別紙)
2009年4月8日
全国人事委員会連合会
会 長 内 田 公 三 様
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 佐 藤 幸 雄
要 請 書
貴職の地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
人事院は、本年の春闘で民間の夏季一時金が著しい落ち込みを見せていることから、臨時に本年の夏季一時金調査を実施することとしました。総務省は、各都道府県総務部長、人事委員会事務局長宛に、通知と各人事委員会の対応予定について回答を求める照会を4月6日付けで発出しました。
今回の調査は、臨時的に調査しなければならないとした人事院の判断基準が明確でなく、極めて恣意的で納得性がありません。また、一時金の民間実態調査の方法によらず、春闘の妥結結果のみを判断基準として、本年夏の一時金の対前年増減比を調査するという方法であり、精確性に欠け、人事院勧告制度に対する信頼性を大きく損ねるものです。
各人事委員会が、人事院と同様に調査を実施することは、それぞれの地域の実情から技術的な困難を伴い、精確性に欠けるなどの理由からも、拙速な判断を行うべきではありません。仮に、人事院の臨時調査に追随するようなことがあるならば、全自治体の6割を超えている給与削減により、人事委員会勧告制度の空洞化が進んでいる現状にさらに拍車をかけるものと考えます。
貴職におかれましては、地方公務員の生活を守るという人事委員会の使命を十分認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。
記
一、人事委員会として、例年と異なる民間企業における夏季一時金に関する調査を行わないこと。
以上