公務員連絡会地方公務員部会は、1日15時30分から夏季一時金の一部を支給凍結するとした人事院勧告を受けて、幹事クラスによる全人連要請を実施した。全人連からは、宮川全人連事務局次長らが対応した。
冒頭、地公部会の藤川事務局長が要請書(別紙)を手交し、精確性、信頼性に欠ける臨時調査をもとにした夏季一時金の一部凍結の勧告を行わないよう要請した。特に、多くの地方自治体においては、人事委員会の勧告にもかかわらず、独自の給与削減を実施し、地方公務員の労働基本権の代償機能としての人事委員会勧告制度の空洞化がおり、仮に人事院と同様の対応を行うならば、人事委員会勧告制度は機能不全に陥ると指摘した。
それに対して、全人連からは、「本日の要請は、内田全人連会長、各人事委員会に速やかに伝える」との回答を受け、申入れを終了した。
(別紙)
2009年5月1日
全国人事委員会連合会
会長 内田公三 様
公務員連絡会地方公務員部会
議長 佐藤 幸雄
夏季一時金の暫定勧告に関わる要請書
貴職の地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
人事院は、本年夏の一時金のうち0.2月分の支給を凍結することを求める勧告を行いました。この勧告は政治からの圧力を受けて、精確性や信頼性に欠ける調査結果に基づいての凍結勧告であり、人事院勧告制度に対する信頼を損ねるものです。
地方においては、人事委員会の勧告にもかかわらず、独自の給与削減を実施している自治体が増加しつつあり、地方公務員の労働基本権の代償機能としての人事委員会勧告制度の空洞化がすすんでいます。仮に、各人事委員会が人事院勧告と同様の対応を行うならば、人事委員会勧告制度は更なる機能不全という事態に至ると考えます。
さらに、未だ決着していない中小・地場企業の一時金交渉に悪影響を与えるとともに、かつてない不況の中で苦闘している地域経済をさらに冷え込ませることになります。
貴職におかれましては、本年夏の一時金の取扱いはこのような深刻かつ重大な問題であることを十分認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。
記
一、精確性、信頼性に欠ける臨時調査をもとにした夏季一時金の一部凍結の勧告を行わないこと。
以上