公務労協は、5月25日13時から東京・日本教育会館において「政策制度中央集会」を開催した。全国から約150人が参加し、各構成組織において進められている政策制度要求の取組みの経験を交流した。
集会では、中村公務労協議長が、「5月13日に成立した公共サービス基本法は、理念法であり実質化していくのが私たちの課題である」と指摘した上で、「そのため、現場で働く者が変化の兆候を感じ取り、明日を作っていく現場主義の取組みを大事にしたい」と挨拶した。そして、「労働組合が政治に影響力を持つには、社会に対してわかりやすいメッセージを送る必要がある」と今後の課題を述べた。
事務局から、「国民の安定・安心を支える良質な公共サービス確立に向けた取組みの一環として、政策制度中央集会を通じて各構成組織の政策制度に関わる課題を公務労協全体として共有化をすすめたい」という集会の趣旨について提起をした後、6構成組織から政策制度の取組みの現状と課題について報告があった。
自治労からは、組織内討議だけではなく、広く市民の方からの意見募集をしながら「09−10年度政策集」を策定しており、今回は、市民自治の実践により地域・自治体をどのように運営するかに比重を置いた議論を進めている、との報告があった。日教組からの報告では、今年3月に発刊した政策集においては、経済不況により子どもの貧困が一層深刻な課題となっていることから、教育にかかる費用の保護者負担の軽減措置などの政策提言も盛り込んだ、とあった。国公連合からは、総人件費改革の一環として府省間配置転換が進められており、自分たちが働く職場そのもののあり様について、活発な議論が行われている、と現状の厳しさが訴えられた。林野労組からは、連合が緊急雇用対策の一貫として森林整備等で5万人の雇用創出を打ち出したが、中山間地における山村振興対策などにより実現したい、と政策実現への決意が述べられた。JP労組からは、民営化後も国民の共有財産である全国の郵便局ネットワークを過疎・高齢化、自治体改革などが進む地域社会・住民を支える機能として維持していく必要がある、という政策提言の取組みが報告された。
続いて、明治大学の牛山久仁彦教授が、「公共サービス改革とこれからの公務員」と題した講演を行い、現場レベルでの市民・住民と協働した取組みを通じ、積極的な政策提言をすすめていくことが求められていると述べた。
最後に、久保田政策制度専門委員長が、各構成組織の政策提言を具体化するためにも、引き続き、取組みを強化したいと述べ、集会を終了した。
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