公務員連絡会・地公部会は6月19日、2009人事委員会勧告など今後の地方公務員賃金闘争の課題と方向について共通認識をはかることを目的に、「2009年地方公務員賃金闘争交流集会」を開催した。
13時から東京・社会文化会館において始められた交流集会には、全国の仲間170名が参加、はじめに、佐藤地公部会議長(全水道委員長)が挨拶に立ち、「消費税引上げの議論とも絡み、地方公務員の賃金抑制攻撃は一段と強まっている」との厳しい情勢認識を述べたうえで、2009人勧期のたたかいの課題として、「@生活を防衛する賃金を維持・改善させる、A自宅に係る住居手当の廃止は絶対に許さない、B公務に必要不可欠の業務を担う臨時・非常勤職員の処遇を改善させることなどを中央、地方一体となって取り組もう」と訴えた。
続いて、藤川地公部会事務局長が基調報告を行い、@地方公務員をめぐる現状、A地公部会2009春闘の総括、B夏季一時金の臨時勧告等に対する取組み、C2009自治体賃金闘争の課題と人勧期の取組みについて提起した。2009年人事院勧告では、自宅に係る住居手当の廃止が焦点になることから、7月24日の公務員連絡会第2次中央行動の前段で地公部会の独自集会と総務省交渉を配置したこと、総務大臣宛の大型はがき行動に取り組むことについても提起した。
参加者からは、持家に係る住居手当についての今後の交渉の方向性、現業賃金の総務省研究会報告書の問題点、財政制裁としての特別交付税削減の問題などについて質疑が行われた。さらに公務員連絡会と連合との連携をさらに強化すべき、との要望も出された。
次に、政府の労使関係制度検討委員会において、労働協約締結権など労働基本権の回復を巡る議論が続いていることから、金田企画調整代表(自治労書記長)が「公務員制度改革(基本権問題)をめぐる現状と課題」と題して報告を行った。労使関係制度検討委員会での議論経過や公務労協が重視する課題について説明を行い、「検討委員会の審議は正念場を迎えるが、全力で対応していく」との決意を述べた。あわせて、審議や審議結果を有利に展開するために「政権交代により有利な政治状況を作っていくことも重要」と訴えた。この報告に対しては、労働協約締結権をめぐる中央の議論の地方への情報提供の充実と、先を見据えた取組みが必要である、との意見などがあった。
産別報告としては、自治労から森下現業評議会事務局長が、「現業賃金問題に対する取組み報告」を行い、合理化によって自治体現業労働者数が9年間で約30%減少し続けている状況、現業賃金の総務省研究会報告書を受けて全県で学習会やオルグを実施していること、「現業(職場)活性化」運動の推進と「職の確立」をめざす取組みなどを述べた。
日教組からは、非常勤講師の立場から神奈川高教組の嶋村さんが、常勤講師と大きく差がある報酬や休暇、雇用の厳しい現状について報告し「それぞれの職場の臨時・非常勤等の講師・職員のことを気にかけてほしい」と訴えた。この報告に対して、臨時・非常勤職員の処遇改善の現状と組織化への決意も意見として出された。
最後に、金田自治労書記長の団結ガンバローで集会を締めくくり、人勧期の取組みへの決意を確認した。
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