2010年度公務労協情報 38 2010年8月10日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

人事院が月例給757円、0.19%減、一時金0.2月減勧告で、50歳台後半層は一律1.5%引下げ−8/10
−公務員連絡会は"強く抗議する"との「声明」を発し、政府に要求提出−

 人事院は、10日9時過ぎに、内閣と国会に対して、@月例給を757円、0.19%引き下げることとし、50歳台後半層の一律1.5%引下げと40歳台以上の俸給月額の平均0.1%引下げとともに、一時金も0.2月削減し年間3.95月とすることなど給与に関する勧告と高齢期の雇用問題を含む報告A非常勤職員に育児休業制度等を適用するための意見の申出B採用試験制度見直しや超過勤務の縮減など公務員人事管理に関する報告を行った。政府はこれを受けて第1回給与関係閣僚会議を開いたが、労働基本権制約の代償措置として人事院勧告は尊重する必要があるとの基本認識では一致したものの、多くの検討すべき課題があることから、引き続き検討していくことを確認するに止まった。
 公務員連絡会は、人事院勧告・報告等が内閣・国会に提出されたことを受けて、@昨年に続き、月例給と一時金の引下げは極めて不満A50歳台後半層の職員給与を一律に1.5%引き下げる措置については、到底受け入れられないとする声明(資料1)を発した。
 そして、委員長クラス交渉委員が、官房長官、総務大臣、厚生労働大臣に対して、@本年の給与勧告等の取扱いに当たっては、50歳台後半層の給与引下げは行わないこととし、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意することA非常勤職員に育児休業制度等を導入するため、速やかに育児休業法を改正することB2013年度から、65歳までの段階的な定年延長が実施できるよう必要な検討作業を行うことC公務員の労働基本権、団体交渉に基づく賃金・労働条件決定制度を確立するため、次期通常国会で関係法律を改正すること、を求める要求書を提出(資料2)し、人勧制度尊重の基本姿勢に沿った取扱方針を決定するよう要請を行った。
 また、公務員連絡会は、10日の人事院勧告を踏まえ、11日に職場集会を中心とした第4次全国統一行動を実施し、意思統一を図り、秋の取組みに結びつけていくことにしている。
 なお、連合は2010人事院勧告について、資料3の通り事務局長談話を発している。
 本日の各大臣との交渉経過は、次のとおりである。

<官房長官への要求書提出の経過>
 仙谷官房長官への要求提出は、12時過ぎから総理大臣官邸で行い、徳永・森永両副議長、岩岬副事務局長が臨んだ。
 冒頭、徳永副議長は、次の通り要求書の趣旨を説明した。
(1) 本日、人事院は、2年連続となる月例給引下げ、大幅な一時金引下げの給与勧告を行った。これは民間実勢を反映したものとはいえ、公務員の生活に大きな影響を与えるものであり、われわれとしては生活防衛の観点から不満な勧告だと言わざるを得ない。この公務員給与の引下げが、地方や地場企業に波及し、内需の回復に悪影響を与えることを危惧する。
 とはいえ、政府が本年の給与改定方針を検討するに当たっては、いうまでもないことであるが、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることを踏まえ、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に基づく結論が得られるよう、長官には特段のご努力を要請する。労働基本権が制約されている現状のもとで、人事院勧告を無視した一方的な給与引下げなどは断じて許されないものであることを強調しておく。
(2) また、政府において、来年の通常国会に公務員制度改革関連法案を提出すべく、準備を進めていると聞くが、長官も公務員制度改革担当大臣時代、再三にわたって国会で見解を明らかにされているように、労働基本権問題を解決し、自律的な労使関係制度を構築することなしに抜本的な公務員制度改革はあり得ないと考える。是非、労働基本権確立を明確にした公務員制度改革関連法案となるよう、強く求めておきたい。その法案準備作業に当たっては、われわれと十分意見交換しながら、進めて頂きたい。
(3) 総人件費削減という厳しい状況の中でも、公務員労働者は日々、良質な公共サービスを提供すべく奮闘している。公務員をめぐる情勢はこの秋においても引き続き厳しいものがあると認識しているが、給与関係閣僚会議の座長でもある官房長官には、われわれの要求実現に向けて特段のご努力をお願いしたい。

 これに対して官房長官は次の通り答えた。
(1) きょう、人事院勧告をいただき、第1回給与関係閣僚会議を開き、意見を交換した。労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重するという基本姿勢に立たなければならないということがすべての出席者の基本認識だった。しかし懐具合の問題もあり、国家公務員や議員歳費の問題を含めて隗より始めよという議論が政治の場で強い。また、デフレとの関係もあり、これから議論を詰めていかなければならない。
(2) 国家公務員制度改革基本法に基づく改革については、先の国会で廃案になった法案に労働基本権を付け加えた法案とするのか、新しく全体を一本化した法案にするのか、玄葉大臣を中心に考えている。
(3) 給与関係の諸課題、新しい公務員法制の課題については、皆さんと意見交換しながら進めていくとの考え方は各閣僚で共有している。今後、対応体制をどうしていくのかについて検討していきたい。この問題は、制度問題としてもそうだし、経済問題としても重大かつ重要な政治テーマだと認識している。
(4) 先の通常国会の審議でも申し上げたように、一方的にやるというような乱暴なことはあり得ないという観点は共有しながら、対応して参りたい。

 最後に、徳永副議長が「要求を踏まえた対応をよろしくお願いしたい」と要請し、交渉を締めくくった。

<総務大臣への要求書提出の経過>
 総務省への要求提出は、原口総務大臣に対して、11時50分から、棚村議長をはじめ委員長クラス交渉委員が出席して行われた。
 冒頭棚村議長は、次の通り、要求書の趣旨を説明し、大臣の見解を求めた。
(1) 本年の人事院勧告は、2年連続で月例給を引下げ、一時金を大幅に引き下げるものであった。これは民間実勢を反映したものとはいえ、公務員の生活に大きな影響を与えるものであり、われわれとしては、生活防衛の観点から不満な勧告だと言わざるを得ない。この公務員給与の引下げが、地方や地場企業に波及し、内需の回復に悪影響を与えることを危惧する。
(2) 人事院は、50歳台後半層職員の特例的な給与引下げ措置を勧告したが、われわれとしては、この点については職務給原則と相容れないことから、問題があると認識している。
(3) 非常勤職員に育児休業等の適用を求める意見の申出については、大臣にも努力頂いている非常勤職員の雇用安定や処遇改善に関わることであり、一刻も早く法改正し、実施に移してもらいたい。
(4) 65歳までの段階的な定年延長に関わる制度骨格が「報告」され、人事院として改めて年内に意見の申出を行う意思が示された。政府としても、これを正面から受け止め、その実現に向けて具体的な検討に着手することを強く要請する。
(5) 政府が本年の給与改定方針を検討するに当たっては、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることを踏まえ、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に基づく結論が得られるよう、大臣には特段のご努力を要請する。労働基本権が制約されている現状のもとで、人事院勧告を無視した一方的な給与引下げなどは断じて許されないものであることを強調しておく。
(6) いずれにしろ、本年の勧告の取扱いの検討に当たっては、50歳台後半層の給与引下げ措置を含め、われわれと十分交渉・協議し、合意することを強く求めておきたい。そして、大臣には、政府方針決定前に改めて要求に対する回答を頂くようお願いする。

 要請に対し、原口大臣は、次の通り答えた。
(1) 政府は、本日人事院勧告を受け取り、給与関係閣僚会議を開催して、その取扱いの検討に着手した。
(2) 本日の会議において、わたしの方から、国家公務員の労働基本権がなお制約されている現状においては、人勧制度を尊重するという基本姿勢を崩してはならないことを発言した。
(3) 本年度の国家公務員の給与の取扱いについては、本日の会議では結論に至らなかったが、皆さんのご意見もお聞きしながら、引き続き検討してまいりたい。
(4) 公務員制度改革について、労働基本権の回復を見据える中で、皆さんの納得を得るようご相談してまいりたい。制度設計していくに当たり、財政状況や国民の声など厳しい情勢の下ではあるが、今後も引き続き「協働して成し遂げるという姿勢」を皆さんにお願いしたい。基本は公共サービス基本法であり、公共サービス分野で働く人の権利が侵害されていては、良い公共サービスの提供はできない。公共サービス基本法の趣旨に沿って今後も検討作業を進めてまいりたい。
(5) 非常勤職員の育児休業制度等の導入については、かねてから申し上げてきたことであり、雇用の安定や処遇の改善、人権の保障の観点に立ち、法改正に向けた検討を進めてまいりたい。

 これらの見解を受けて、棚村議長は、「人事院勧告を受けた給与の取扱いについては、総務大臣として引き続きご尽力いただきたい。また新しい公務員制度の確立に向け、労働組合側も果敢に挑戦していく覚悟にあるので、引き続き節目節目において協議させていただきたい」と強く要請し、交渉を終えた。

<厚生労働大臣への要求書提出の経過>
 長妻厚生労働大臣への要求提出は、14時15分から行い、棚村議長をはじめ委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、棚村議長が次の通り述べ、厚生労働大臣の尽力を求めた。
(1) 本日、人事院は、2年連続となる月例給引下げ、大幅な一時金引き下げの給与勧告を行った。これは民間実勢を反映したものとはいえ、公務員の生活に大きな影響を与えるものであり、われわれとしては、生活防衛の観点から不満な勧告だと言わざるを得ない。この公務員給与の引き下げが、地方や地場企業に波及し、内需の回復に悪影響を与えることを危惧する。
(2) とはいえ、政府が本年の給与改定方針を検討するに当たっては、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることを踏まえ、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に基づく結論が得られるよう、大臣には特段のご努力を要請する。
 公務員をめぐる情勢はこの秋においても引き続き厳しいものがあると認識しているが、給与関係閣僚会議の一員である厚生労働大臣には、われわれの要求実現に向けて特段のご努力をお願いしたい。

 これに対して長妻大臣は、「けさの給与関係閣僚会議で継続議論となった。要求書の内容をよく拝見しながら取り組んでいきたい。労働基本権については、ILOからも指摘され、先のILO総会でも細川副大臣が政府見解を述べているが、厚生労働省として努力しなければならないと認識している。その他、公務内の問題も含め、不安定雇用をどうするかが大きな課題となっており、全体の雇用政策を検討する中で取り組んでいきたいと考えている」と、人勧の取扱いや労働基本権問題について厚労省として取り組んでいくとの見解を示した。


資料1−公務員連絡会の声明
声  明


(1) 人事院は、本日、2年連続で、月例給を757円、0.19%引き下げるとともに、一時金も0.2月引き下げることとし、50歳台後半層の給与を引き下げるなどの本年の給与勧告・報告と育児休業法の改正に関する意見の申出を行った。
 2010人事院勧告期の取組みに当たってわれわれは、@生活を守る月例給与水準の維持A生活防衛に必要な一時金支給月数の確保B非常勤職員等の課題解決C定年延長方針の明確化、などを重点課題に設定し、3次の中央行動や全国統一行動を実施して、公共サービスキャンペーン、公務員制度改革の取組みとも連携した闘いを進めてきた。
(2) 本日の給与改定勧告が、昨年に続き、月例給の引下げに加えて、一時金をも大幅に引き下げるものとなったことについては、民間実勢や公務の事情を反映したものとはいえ、公務員の生活に大きな影響を与えるものであり、極めて不満な勧告だと言わざるを得ない。あわせて、この公務員給与の引下げが、地方や地場企業に波及し、内需の回復に悪影響を与えることを危惧するものである。
 一方、50歳台後半層の職員給与を一律に1.5%引き下げる措置については、われわれは一貫して反対し、その撤回を求めて取り組んできた。人事院は、最終的にその適用範囲を行(一)6級相当級以上に限定したが、年齢を理由に引き下げることに変わりはなく、職務給や能力・実績主義という公務員給与の基本原則に反するものであり、このような措置は到底認められない。また、手続き的にも極めて拙速であり、十分納得を得る努力を放棄し、勧告を強行した人事院に対して強く抗議する。
 高齢者雇用に関わって、雇用と年金の接続をはかるため、定年年齢を段階的に65歳に引き上げる意見の申出を本年中に行うことを再確認したことは、当然のことである。本年中の意見の申出に向けて、給与のあり方を含む個別の課題について、公務員連絡会との十分な交渉・協議と合意の上で成案を得るよう求める。
 非常勤職員に育児休業・介護休暇等を適用するための育児休業法改正の意見の申出等は、われわれが一刻も早く実現するよう求めてきたもので評価できる。政府に対して早急な法改正を求めておきたい。
 なお、人事院は勧告に合わせ、日々雇用の非常勤職員制度に代えて期間業務職員制度を導入する人事院規則等の改正を行った。われわれは、今後とも政府に対して、処遇の改善と雇用の安定を求めるとともに、より深刻な状況にある地方公務員の臨時・非常勤職員の実態を踏まえ、制度の抜本的改善に向けて取組みを強めることとする。
(3) 以上のように、本年の給与勧告は2年連続で月例給と一時金を引下げるものであり、公務員労働者にとって極めて厳しい勧告となった。
 今後、衆参ねじれ国会という極めて不安定な政治情勢の下で、給与を始めとした公務員を巡る課題が取り扱われることになり、予断を許さない情勢が継続することになる。公務員連絡会としては、政府に対し、50歳台後半層の給与引下げ措置を実施しないことを含め、勧告等の取扱いに当たって十分交渉・協議し、合意することを求めていくこととしたい。
 また、労働基本権制約の下、総人件費削減のための、人事院勧告を無視した一方的給与引下げは断じて認められない。
 さらに、これから本格化する独立行政法人、政府関係法人等の闘いにおいても統一闘争態勢を堅持した取組みを進めることとする。
(4) 本年の秋季闘争では、人事院勧告の取扱いはもとより、地域主権改革と国の出先機関改革、独立行政法人・政府関係公益法人改革、特別会計の見直し、そして来年度予算の編成など、公務員の雇用や労働条件を直接左右する重要な課題が山積している。
 われわれは、民主党を中心とした政権との間において緊張と信頼に基づく労使関係を追求するとともに、雇用と労働条件を確保する立場で積極的な取組みを推進する決意である。そのためにも、労使交渉と協約で労働条件を決定する自律的労使関係の構築が必要である。
 連合・公務労協に結集し、ILOの条約、勧告を満たした労働基本権の確立による労使関係制度の抜本的改革など公務員制度改革の実現をめざして全力で闘いを進めていくものである。また、公共サービス基本法の活用と、公共サービス基本条例制定運動を中心に、国民生活の安心と安全を確保する公共サービスの再構築に向けた取組みを進めていくこととする。

2010年8月10日
公務員労働組合連絡会


資料2−政府への要求書

2010年8月10日


  殿

公務員労働組合連絡会
議 長  棚 村 博 美


本年の人事院報告・勧告等に関わる要求書


 常日頃、公務員労働者の処遇改善にご努力頂いていることに心から感謝申し上げます。
 さて、人事院は本日、2年連続で月例給の757円、0.19%引下げ、一時金を0.2月削減することなどを中心とする給与勧告を行いました。
 これらの給与勧告は、民間の実勢や公務の事情を反映したものとはいえ、われわれの生活に大きな影響を与えるものであり、極めて不満な内容といわざるをえません。
 一方、50歳台後半層の職員給与を一律に引き下げる措置は、手続的に極めて拙速であることに加え、職務給や能力・実績主義という公務員給与の基本原則に反するものであり、このような措置は到底認められるものではありません。
 いま、公務員は、総人件費削減政策のもとで、恒常的な長時間労働など極めて厳しい労働環境のもとに置かれながらも、日々、国民に良質な公共サービスを提供すべく奮闘しています。
 政府が本年の給与改定方針を検討するに当たっては、こうした実情や人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることを踏まえ、われわれと十分交渉・協議し、合意することを強く申し入れます。



1.政府は、本年の給与勧告等の取扱いに当たっては、50歳台後半層の給与引下げは行わないこととし、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意すること。

2.非常勤職員に育児休業制度等を導入するため、意見の申出に基づいて速やかに育児休業法を改正すること。

3.雇用と年金を接続するため、2013年度から、65歳までの段階的な定年延長が実施できるよう必要な検討作業を行うこと。

4.国家公務員制度改革基本法に基づく公務員制度の検討に当たっては、ILO勧告に基づき、公務員の労働基本権、団体交渉に基づく賃金・労働条件決定制度を確立することとし、次期通常国会で関係法律を改正すること。

以 上



資料3−連合事務局長談話

2010年8月10日

平成22年人事院勧告について

日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行


1.人事院は10日、政府と国会に対し、本年度の国家公務員の給与について勧告を行い、月例給は0.19%の引き下げ、一時金も同様に0.2ヶ月減とした。今回の勧告は、民間実勢を反映したものであるとはいえ、2年連続の引き下げであり、組合員の生活に与える影響は大きく、極めて不満なものである。また、この勧告は中小企業や地場企業の労働条件にも影響を与えることが予想され、内需拡大の必要性が指摘されているにもかかわらず、勤労者所得が低下し景気や地域経済をさらに停滞させていくことは必至である。勧告内容については、関係労働組合の意見を十分に踏まえ、雇用と生活の安定に結びつく結論を得るよう労使で協議を尽くすべきである。

2.今回の勧告では、高齢者雇用に関わり、雇用と年金の接続をはかるため、定年を段階的に65歳まで引き上げることとしている。定年延長は、公務職員の能力の十分な活用の観点からも必要であるが、今後は、給与のあり方を含む諸課題について労使で十分に協議を行うことが必要である。また、65歳までの段階的定年延長が確実に実施されるために必要な法整備にあたって、政府は、関係労働組合と十分な協議を行うべきである。

3.公務における非常勤職員の処遇に関しては、日々雇用の仕組みを廃止し、非常勤職員として会計年度内の期間任用される「期間業務職員制度」を本年10月から設けることになった。
 非常勤職員に育児休業制度を適用するため、法改正に関する意見を出したことについては、正規労働者と非正規労働者の均等・均衡処遇を確保する観点からも評価できる。育児休業に限らず介護休業についても制度化をはかり、早急に必要な法整備を進めていくべきである。

4.連合は、公務についても民間労働者と同様に、団体交渉による労働条件決定ができるようにすべきと主張してきた。政府も、第99回ILO総会において、細川厚生労働副大臣が、「労働基本権を付与する方向で検討を加速し、次期通常国会で関係法案を提出する努力をする」旨演説している。次期通常国会では、使用者機関の確立とILO勧告に沿う労働基本権の回復による公務員制度改革を実現し、良質な公共サービスを提供する体制を構築しなければならない。連合は、その実現に向け関係構成組織とともに、引き続き全力で取り組んでいく。

以上