公務員連絡会・地公部会は9月29日、2010秋季確定闘争など今後の地方公務員賃金闘争の課題と方向について共通認識をはかることを目的に、「2010年地方公務員賃金闘争交流集会」を開催した。
13時30分から東京・社会文化会館において始められた交流集会には、全国から180人が参加した。
冒頭、佐藤地公部会議長が挨拶に立ち、50歳台後半層の給与引下げ問題や一時金の2年連続大幅引下げ等の2010勧告及び片山総務大臣の「人勧を上回る削減」発言を挙げ、地方公務員に対する厳しい賃金攻撃の現況について述べた。そして、秋季闘争の課題として、「@総人件費削減を許さない、A人勧の取扱いをはじめとする賃金・労働条件の改善、B地方財政危機下にある地方公務員の賃金確定、C労働基本権と自律的労使関係制度確立、について全力で取り組もう」と訴えた。
続いて、吉澤公務労協事務局長から、民主党を中心とする労働基本権の確立にむけた公務員制度改革をめぐる情勢と課題について講演が行われた。吉澤事務局長は、「人勧を上回る削減」について、「国会が議員立法で人勧を修正するような事態が起きれば、それはすべて国会が決めれば何でもできることになり、事実上、人勧制度も労働基本権も失うことになってしまうという危機的状況である」と指摘し、現在までの労働基本権回復に向けた運動を踏まえ、労働基本権のもとでの自律的労使関係が何としても必要であることを強調した。
次に、藤川地公部会事務局長が基調報告を行い、@地方公務員をめぐる現状、A地公部会2010春闘の総括、B2010自治体賃金確定闘争の課題と取組みについて提起した。2010秋闘では、特に、人事院勧告を無視した一方的な給与引下げが行われた場合は、地方公務員給与にも大きな影響を与えることから、一層の取組みの強化を訴えた。
その後の産別報告では、自治労から川本臨時・非常勤等職員全国協議会議長が、自治体職場の臨時・非常勤等職員の現状と取組みを報告した。2009年実施の自治労調査の結果、任用期間が1年以下の臨時・非常勤等職員が96.3%占めること、その多くが年収200万円以下の官製ワーキングプアであること等が明らかとなり、これを受けて、全国協議会は、臨時・非常勤等職員の法的地位の明確化と処遇の改善を求める取組みを当面の重要な課題として取組みを進めてきた。川本議長は、「人に優しく、将来に希望が持てる職場環境の確立が労働組合の大きな役割だ」と語り、今後は、@短時間勤務公務員制度の創設、Aパート労働法の趣旨の地方公務員への適用のための法整備、B諸手当の支給を制限している地方自治法の改正等、臨時・非常勤職員の雇用の安定と処遇改善に向けた具体的な取組みを進めていく決意を述べた。
続いて、都労連(東京都労働組合連合会)の西川書記長が、労働基本権回復を展望した取組みと課題について報告した。西川書記長は、東京都では、労使自主解決を原則とし責任を明確化してきたが、人勧体制のもとでの賃金闘争では、闘争の形式化、労働組合の意義や組合員の意識が低下してきたことを指摘した。今後は、労働基本権回復に向けて、自らの力で賃金・労働条件を決定する労働組合の原点に立った運動を再構築し、強固な組織でもって対抗していく必要性を強調した。
最後に、佐藤地公部会議長の団結ガンバローで集会を締めくくり、秋季年末闘争への決意を確認した。
以上