政府は、「アクション・プラン〜出先機関の原則廃止に向けて〜」を地域主権戦略会議における議論を経て、本日、閣議決定した。(公務労協「見解」は別紙のとおり)
その内容は、国のかたちを変えて、住民に身近な行政はできる限り地方自治体に委ね、地域における行政を地方自治体が自主的かつより総合的に実施できるよう出先機関の事務・権限をブロック単位で移譲すること等により改革を進めるというものである。そのため、広域的実施体制の枠組み作りのため法整備を行うとともに、事務・権限の徹底した見直しによる出先機関のスリム化・効率化を行う、事務・権限の移譲を円滑に実施するため、財源を確保するとともに、人員の移管等の仕組みを検討・構築するなどとしている。
この間、公務労協は、@関係構成組織を中心として、アクション・プラン策定に向けた各府省による所管出先機関の事務・権限の「自己仕分け」等に対し、国と自治体の役割分担と事務・権限等のあり方を十分に検討した上で進めるよう求め、また、A政府・民主党との間で、出先機関が担う役割、業務のあり方について議論を行うとともに、政府として雇用・労働条件の確保に責任を持つ体制の確立、質の高い公共サービスの確保、「行革、総人件費削減」を目的としないこと、節目毎の十分な話し合いなどを求め、交渉・協議を進めてきた。
今後、アクション・プランにもとづき、法整備や出先機関にかかる事務・権限の移譲などの検討・具体化が進められる。公務労協は、連合と連携し、安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施される出先機関改革となるとともに、職員の雇用と労働条件の確保に向け、全力で取組みを進めていくこととしている。
※関係資料は以下より入手されたい。
地域主権戦略会議資料(内閣府HP)
(別紙)
「アクション・プラン〜出先機関の原則廃止に向けて〜」閣議決定に関する見解
2010年12月28日
公務公共サービス労働組合協議会
政府は、「アクション・プラン〜出先機関の原則廃止に向けて〜」を地域主権戦略会議における議論を経て、本日、閣議決定した。
その内容は、@出先機関の事務・権限をブロック単位で移譲することを推進するための広域的実施体制の枠組み作りのため、法整備を行う、A直轄道路・河川は、一の都道府県内で完結するものは原則移管することを基本とし、それ以外のものも、国と都道府県等との個別協議に基づく移管が早期に実現するよう積極的に取り組む。ハローワークは、希望する自治体において、国が行う無料職業紹介等の事務と地方が行う業務が一体的に実施されることが可能となるよう所要の措置を講ずる。直轄国道・河川、ハローワークの改革を円滑かつ速やかに実施するための仕組みを設ける、Bその他の出先機関の事務・権限については、広域的実施体制が整うまでの間にあっても、事務・権限の移譲を積極的に行う、C事務・権限の徹底した見直しによる出先機関のスリム化・効率化を行う、D事務・権限の自治体への移譲を円滑に実施するためその財源を確保するとともに、人員の移管等について総合的な調整を行うため国と地方の関係者による横断的な体制を整備、人材の地方移管等に当たっての枠組み・ルール等の構築、となっている。なお、広域的実施体制のための法案提出を2012年通常国会に提出し、準備期間を経て2014年度中に事務・権限の移譲が行われることを目指すとしており、これまで示されていた行程表のスケジュールを先送りしたものとなっている。
この間、公務労協は、関係構成組織を中心に、アクション・プラン策定に向けた各府省による所管出先機関の事務・権限の「自己仕分け」、「自己仕分けの再検討」に対し、国と自治体の役割分担と事務・権限などのあり方を十分に検討した上で進めることを求め対策を行ってきた。また、連合と内閣府による「地域主権改革タスクフォース」での議論を踏まえ、政府・民主党との間で、出先機関が担う役割、業務のあり方について議論してきた。さらに、@政府として雇用・労働条件確保に責任を持つ体制を確立すること、A質の高い公共サービスを確保すること、「行革、総人件費削減」を目的としないことなどを求め、逢坂政務官との交渉・協議を実施してきた。なお、12月21日に実施した片山担当大臣との交渉では、大臣より「今後とも、皆さんと十分話し合いながら検討していく」との見解が示された。アクション・プランは、こうした経過を踏まえ、取りまとめられたものといえる。
明年以降、アクション・プランにもとづき、出先機関の事務・権限をブロック単位で移譲するための法整備や、直轄道路・河川、ハローワークにかかる改革、その他の出先機関にかかる事務・権限の移譲などの検討・具体化が進められる。公務労協は、連合と連携し、安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施される出先機関改革となるとともに、職員の雇用と労働条件の確保に向け、全力で取組みを進めていく。
以上