公務員連絡会は本日、2011年民間給与実態調査をめぐり人事院と交渉した。例年人事院は5月1日からの民間給与実態調査に向けて、春闘交渉決着後の4月中・下旬にその実施方針をとりまとめるべく公務員連絡会と交渉・協議を行っているが、本年は3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による甚大な被害等を踏まえ、どう対応するか検討しており、その内容を質すために行ったもの。
交渉には、公務員連絡会から大塚・花村・藤川各副事務局長をはじめ幹事クラス交渉委員が臨み、根本職員団体審議官らが対応した。
冒頭、根本審議官は「2011年の民間給与実態調査について、皆さんにお伝えすることがある」として、以下の通り述べた。
(1) 本年の職種別民間給与実態調査については、例年と同様のスケジュールで実施するよう準備を進めていたところである。
(2) しかしながら、今般の東北地方太平洋沖地震により、@広い地域において多数の事業所が甚大な被害を被っている、Aこのような状況の下で、複数の人事委員会から例年どおりに民調を実施することは困難であるとの連絡を受けた、B民間における春闘の回答状況にも遅れが生じているなどの状況にある。
(3) こうした状況から、当初予定していた調査期間である5月1日からの調査は行わないこととした。
根本審議官からの報告を受け大塚副事務局長は「現下の原発問題を含む大震災による被災状況を踏まえれば、民間給与実態調査の延期については受け止めざるを得ないが、5月1日からの調査は実施しないということはどういう意味か。2011年は調査しないということもあり得るのか」と質した。また、定年延長の実施に向けた意見の申出についても「民調が遅れ、給与勧告が遅れる場合でも、地方公務員への対応もあり、それと切り離して、できるだけ早く行うべきだ」と追及した。
それに対し根本審議官は「今後の対応については、今のところ何とも言えない。甚大な被害を被った事業所の復旧状況や人事委員会の調査実施の可能性、民間の春闘回答状況などを見ながら、今後判断していくことになる」と、現段階では調査の実施も含め先行き不透明な状況にあることを明らかにした。また、定年延長に係る意見の申出については「地方公務員への影響も十分認識しており、できるだけ早い時期に意見の申出を行えるよう鋭意検討しているところである」と回答した。
最後に公務員連絡会側から、2011年民間給与実態調査の実施について、調査を実施するか否かも含め@調査内容A調査期間B調査範囲など、公務員連絡会と前広に交渉・協議するよう求め、これを確認したことから、本日の交渉を終えた。
以上