2011年度公務労協情報 26 2011年4月5日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

「公務員制度改革にむけた全体像」を推進本部決定−4/5
−公務労協、法案策定・提出に向けて真摯で誠実な交渉を求める−

 国家公務員制度改革推進本部は、本日の会議で「国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の『全体像』について」を決定した。これを受けて公務労協は、政府から説明を受けるべく10時30分から交渉を行った。交渉には、公務労協から、吉澤事務局長をはじめ各構成組織書記長らが出席し、政府からは公務の関係で出席できなかった中野公務員制度改革担当大臣に代わり園田政務官が対応した。

 冒頭、吉澤事務局長が「今回の東北地方太平洋沖地震に関わり、政府を挙げてご尽力いただいていることに感謝する。この度、国家公務員制度改革に関わる全体像が政府決定されたと聴いているが、そのことについてお伺いしたい」と求めた。
 それに対し、園田政務官は最初に「この度の大震災に関し、連合を始め組合や公務員の皆さんのご尽力に感謝する。現在政府全体で全力を挙げて取り組んでいるところである。当面は震災対策が優先課題となるが、引き続き皆さんのご尽力をお願いしたい」と述べた上で、全体像の推進本部決定について以下のように説明した。
(1) 本日の本部会議には全閣僚が参集し、配付した「国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の『全体像』について」(公務労協HP「公務員制度資料」内参照)が決定された。内容は、この間、国家公務員制度改革推進本部事務局から説明し、公務労協と意見交換を重ねてきたところである。
(2) 会議の中で、中野公務員制度改革担当大臣から「法制上の措置が必要なものについては、関係大臣とも連携し、精力的に法案化作業を進め、できる限り速やかに国会に提出して参りたい」との決意が示された。
(3) 片山総務大臣からは「地方公務員の労働基本権の在り方については、地方公務員制度を所管する総務省が中心となって検討を進めて参りたい」旨表明された。
(4) また、江利川人事院総裁から「今後進められる改正法案の作成作業においては、公正で実効性の高い制度の実現が図られるよう、人事行政の専門機関として必要な提言を行うなど協力をしてまいりたい」との発言がなされた。
(5) 最後に菅総理大臣から「この全体像に沿って、引き続き中野大臣を中心に、関連法案の提出に向けて鋭意作業を進めていただきたい」「地方公務員の労働基本権の在り方については、片山総務大臣が中心となって検討を進めていただきたい」旨の指示があった。
(6) 担当政務三役としては、総理の指示を踏まえ、「全体像」に基づいて精力的に法案の策定作業を進め、できる限り速やかに法案を国会に提出していく決意であり、引き続き皆さんのご協力をお願いしたい。

 これに対し、吉澤事務局長は、この間の交渉等の経緯も踏まえ、公務員制度改革関連法案の策定・提出に向けて、以下のとおり求めた。
(1) 先月の「政府・連合トップ会談」で古賀連合会長から菅総理大臣に直接要請した@国家公務員の争議権、A消防職員・刑事施設職員の団結権等、B地方公務員の労働基本権、C在籍専従制度の取扱いをはじめ、D給与法等の法律事項と政令事項の振り分け、E実施時期の課題について、公務労協や連合との合意を踏まえて関係法案を提出するということについては、すでに承知いただいていることであり、そのことを十分に踏まえた上で、本日をスタートラインとして今後は法案内容について議論していくことになるので、引き続き真摯かつ誠実な対応をお願いしたい。
(2) 人件費削減問題については、震災復興に向けた第2次補正予算との関わりも取りざたされており、真摯に向き合わなければならないと考えているが、片山総務大臣が3月29日の総務委員会で述べているように、今次の震災を経ても11月1日の人勧の取扱い方針の閣議決定に基づき、自律的労使関係制度を措置するための法案提出が前提となるということは間違いないことであり、法案の提出に向け最大限の努力をお願いしたい。また、法案を国会に提出する前には直接大臣から誠実な回答をいただくことを約束していただきたい。

 これに対し園田政務官は、以下のとおり回答した。
(1) 公務員制度改革関連法案に関わっては、これまでの経過等も踏まえ、公務労協と十分な議論、意思疎通を重ねつつ、しっかり真摯に対応していきたいと考えている。
(2) 震災の関係で遅くなっているが、できる限り早期に法案を国会に提出できるよう、事務方も含めて全力を挙げて取り組んでいきたい。
(3) 地方公務員制度に関わっては、要請の趣旨をしっかり総務省の担当政務三役にもお伝えしたい。
(4) 政府としても全力を挙げて取り組んでいくので、今後も皆さんのご理解とご協力をお願いしたい。また、法案を国会に提出する際には、大臣から回答することについて、大臣自身、そのように受け止めている。

 最後に、公務労協側から、大震災対策にしっかり取り組みながら、公務員制度改革を後回しにせず、法案策定・提出に当たり真摯かつ誠実な交渉を行うことを再度求め、本日の交渉を終えた。

以上