公務員連絡会地公部会は4月11日、総務省に対して、東日本大震災の復旧・復興に当たる職員の安全確保等に関する申入れを行った。
地公部会からは、岡本企画調整委員代表(自治労書記長)、西川企画調整委員(全水道書記長)、藤川事務局長、松本事務局次長が出席し、総務省は逢坂大臣政務官が対応した。
岡本企画調整委員代表は、申入書(別紙)を手交したあと、職員の過労、第二次災害、放射線障害などを避ける万全な手当が必要であると要請した。また、「4月7日の大きな余震により、二次災害の危険性が明らかになった。退避命令の徹底や放射線障害を防ぐために、被災自治体および被災自治体に職員を派遣する自治体に対して、総務省が必要な支援をしてほしい」などと要請した。
これに対して逢坂政務官は、「私自身、有珠や奥尻の災害を経験してきたが、今回の震災の復興・復旧に向けては先が見えないところがある。とくに、福島では原発事故はまだ続いている。それらの対応に、自治体職員は相当精神的にも追い詰められていると思う。要請をいただいたことを踏まえて、省として具体的にやるべきことはないのか、大臣と相談してみる」と回答した。
これを受けて地公部会側は、引き続き職員の健康・安全確保に向けて十分な協議を行うよう要請し、申入れを終えた。
(別紙)
2011年4月11日
総 務 大 臣
片 山 善 博 様
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 阿 部 卓 弥
東日本大震災の復旧・復興に当たる職員の安全確保等に関する申入れ
3月11日に発生した東日本大震災からの復興・復旧、さらに福島第一原子力発電所の事故への対策に当たり、貴職をはじめ政府が昼夜を問わず、懸命に取り組まれていることに敬意を表します。
各自治体においても、被災直後から、すでに多くの自治体職員が被災地に入り、被災者の救援、また復興・復旧に向けて全力を挙げています。さらに、被災地から他の自治体に疎開をした被災者の方々が一刻も早く安心・安全な生活を送れるよう、懸命に取り組んでいます。一方で、職員を復旧・復興のために送りだした自治体職場でも、平常時より少ない職員数でありながら、それぞれの地域の公共サービスの質を維持・向上させるという責任を果たすべく努力を続けています。
被災地の早期の復旧・復興を進めるためには、第一線にいる職員が過労により倒れたり、惨事ストレスによりメンタルヘルスを低下させることなく職務に当たることが重要です。さらに、余震・津波による第二次災害や、原発事故による放射線被曝などの事態を避けることが必要です。
以上のことから、職員の健康・安全確保に関わって、下記の点について自治体に注意を喚起するとともに、総務省として必要な支援を行われるよう要請します。
記
1.被災自治体はもちろん、被災自治体に職員を派遣する自治体においても、震災復旧に従事する職員の健康をサポートする体制をつくること。惨事ストレスについても、定期的にカウンセリングを行うなどの対策を講じること。
2.第一線で業務に従事する職員への退避情報や安否確認など、緊急の連絡体制を直ちに整備すること。
3.職員の被曝線量を十分にモニターし、放射線障害防止に万全を期すこと。
4.被災地で進む瓦礫の撤去作業において、アスベスト健康被害の予防策を十分に行うこと。
5.過労で倒れる職員が出ないよう、十分な人的支援を継続して行うなど、必要な対応を行うこと。
6.安全衛生委員会を定期的に開催し、以上のことを審議させること。
7.被災地の復興・復旧は中長期にわたることから、職員が元気で職務に当たることができるよう、様々な諸課題について地公部会と十分な交渉・協議を引き続きすすめること。
以上