2011年度公務労協情報 35 2011年5月20日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

人事院が見送っていた本年民調の実施を決定−5/20
 人事院は、例年5月1日から行っている民間給与実態調査について、本年は東日本大震災による甚大な被害等を踏まえて見送っていたが、本日の公務員連絡会幹事クラスとの交渉で、6月から民間給与実態を調査することを明らかにした。

 冒頭、人事院の根本審議官が「本年の職種別民間給与実態調査については、3月30日に皆さんにお伝えした通り、東日本大震災の発生により、当初予定していた5月1日からの調査開始は見送ったところであるが、6月24日(金)から8月10日(水)までの期間で調査を行うこととした。なお、東日本大震災による被害が大きい岩手県、宮城県及び福島県に所在している事業所については、調査対象から除外して実施する」と述べ、本年の民調を東北3県を除いて実施することを明らかにした。
 これに対して、公務員連絡会側は本年の民調を6月下旬から実施すると判断した理由や、いつの時点の民間給与を調査するのかについて質した。
 それに対して根本審議官は、「東日本大震災により、@広い地域において多数の事業所が甚大な被害を被っている、Aこのような状況の下で、複数の人事委員会から例年通りに民調を実施することは困難であるとの連絡を受けた、B民間における春闘の回答状況にも遅れが生じているなどの状況から5月1日からの民調を見送ったわけだが、3月に比べて、完全ではないが回復が見られ、岩手県、宮城県、福島県、仙台市の4つの人事委員会は難しいが他の人事委員会では調査が可能であること、春闘状況も例年ベースではないが戻ってきていることから、6月24日から実施することを判断した。民間給与実態については例年同様4月1日時点で調査する」と、回答した。

 回答に対し公務員連絡会側は「本日は、6月から調査を行うという人事院の表明があったが、民間給与調査は、人事院と地方人事委員会の共同調査であり、地方自治体においては、公民比較として実施されることになることから、調査を行うこと自体については受け止める」とした上で、@調査する場合、震災の影響で経済活動が相当落ち込んでいることは間違いなく、どのような調査結果が出るか大変心配であり、民間企業の十分な協力が得られるかどうかも心配していること、A調査の中身については、別途、前広に示してもらって議論させてもらいたいことなど、調査実施や結果において懸念があることを述べるとともに、調査内容についての前広な議論を求めた。
 その上で、最後に大塚副事務局長が「調査結果に基づいて勧告するかどうかを含めた対応については、給与引下げの労使交渉の状況や大震災などの情勢を勘案する必要があり、公務員連絡会との交渉・協議、合意に基づいて進めること」を申し入れたのに対し、根本審議官は「例年と違う事情にあることは理解している。調査内容、勧告をどうするか、内容をどうするかについて、皆さんと議論しながら進めていきたい」とし、これを確認したことから本日の交渉を終えた。


以上