公務員連絡会委員長クラス交渉委員は、23日午後、国家公務員給与引下げ案について、2回の政務官交渉を踏まえ、片山総務大臣との交渉に臨んだ。この交渉で棚村議長が@給与引下げのための特例法案と基本権付与の法案の同時提出、同時成立、A定員削減の凍結、B超勤予算の確保等、C地方公務員への影響の遮断と独法等の自主的賃金決定、などについて明確に回答するよう要求したのに対し、片山総務大臣は、@両法案とも今国会での同時成立に向けて努力、A通常の定員査定で大震災対応の必要性を踏まえて対応、B超勤手当は実績に応じた支給確保に努力、C地方公務員の給与について、国と同様の措置を前提とした財政措置は取らない、などの回答を示した。大臣回答に対し、棚村議長は「削減原資は、結果的には復興財源に活用されることになるものと承知している」とした上で、「大震災からの復旧・復興は大変、困難な道のりとなる。全国民・すべての関係者がこの復旧・復興に全力をあげているが、私たちも日本の再生のために被災者・被災地とともに歩んで行かなければならない。この思いをもって、今回の提案・交渉結果を受け入れることとする。そして、引き続き、被災地の組合員はもとより、全国各地の組合員が復旧・復興に向けて全力をあげる」と述べ、最終決着を図ったものである。
公務員連絡会は、同日開いた代表者会議で、引き下げ内容について「極めて厳しい」という認識に立ちながら、「互いに真摯かつ誠実な交渉」を行い、最終決着となったことを踏まえ、「今後、労働基本権が付与され、労使交渉によって公務員労働者の適切な賃金・労働条件を自律的に決定することを強く確信し、今回の給与引下げ措置を受け入れる」との声明(資料)を確認。今後、特例法案が、労働基本権の付与と自律的労使関係制度の確立に係る関連法案に先行して審議・採決が行われることが断じてないよう、万全の取組みを進めることを意思統一した。
この日行われた片山総務大臣との交渉の経過は次の通り。
<片山総務大臣との交渉経過>
公務員連絡会委員長クラス交渉委員は、17時から、総務省内で片山総務大臣と交渉を行った。冒頭、棚村議長は、次の通り、最重点課題について5点にわたって要求事項を指摘し、大臣からの直接明確な回答を求めた。
(1) 5月13日に大臣から国家公務員の給与について、1割を基本にカットするという提案があり、その際、わたしの方から、6点にわたる要求事項を申し上げ、内山総務大臣政務官と二度の交渉を行ってきた。
政務官との交渉では、国家公務員がそれぞれの職場で、定員が削減される中、震災対策をはじめとして不眠不休、身を粉にして職務を遂行していること、大臣の給与引下げ提案は極めて厳しいものであり、とくに住宅ローンや教育費負担の重い組合員の生活に重大な影響を与えるものであることを強く訴えてきた。交渉において政務官とはお互いに真摯かつ誠実な交渉が実施でき、組合員の切実な要求を訴える中で、一定の整理をしてきたところである。
本日は、政務官との交渉の到達点を踏まえ、改めて5点について指摘し、大臣から直接明確な回答をいただきたい。
(2) 第1は、労働基本権付与の法案を同時に提出し、成立させる決意が大臣から示されたが、そのことを重ねて、かつ、より明確にされたい。また、施行されるまでには一定の期間を要することになるが、付与されるまでの間においても、国家公務員の労働条件について、われわれと政府との間で、誠意を持った真摯な交渉を行い、合意に基づいて対応していくことを改めて求めておきたい。
(3) 第2に、定員の問題である。純減目標を掲げることはしないという回答をいただいたが、通常の意味での厳しい定員査定は行うということであった。この間の定員削減によって各府省とも労働過重となり、公務・公共サービスの提供にも多くの課題が出ている。さらに、震災対策では復旧・復興に全力をあげており、公務職場は極めて深刻な実態にある。東日本大震災への対応もあり、通常の定員査定といえどもその影響ははかりしれない。したがって、定員削減の凍結を改めて求めたい。
(4) 第3に、人事院勧告の取扱いについてである。極めて異例の措置として、人事院勧告制度の廃止も含めた自律的労使関係制度を先取る形で交渉していることを踏まえ、本年を含めた2013年度までの人事院勧告の取扱いについて明らかにされたい。
(5) 第4に、超勤予算については、東日本大震災への対応を踏まえて必要な対応を検討するとのことであるが、政府として、今後の補正予算の中で確実に措置していただきたい。とくに被災地においては昼夜を違わず、懸命な業務遂行となっている。また、多くの国家公務員、地方公務員等が福島第1原発20キロ圏内等放射線の強い地域で様々な職務を遂行しているが、未だに何の手当も措置されていない。政府として、これら職員に、放射線及び作業の特殊性の両面から必要な手当が支給できるよう、早急に対応してもらいたい。
(6) 第5に、地方公務員、独立行政法人、国営企業等への影響の問題である。大臣から、地方公務員に同様に削減を求めるつもりはないとの明確な回答をいただいたが、あわせて地方交付税、義務教育費国庫負担金について、国家公務員の給与引下げを反映させないことを、改めて、政府を代表してこの場に臨んでいる立場から明確にされたい。
また、独立行政法人、国営企業等については、現行制度のもと、あくまで労使交渉、合意が前提であることを明らかにされたい。
さらに、国家公務員の給与引下げが、個人消費の一層の低下を来したり、民間企業の賃金決定に波及することがないよう、マクロ経済の観点から、政府として必要な対策を講じるよう求める。
最後に、棚村議長は、「今回の給与引下げは国家公務員労働者の生活に直接影響する極めて厳しい内容であることに変わりはない。それでも国難と言える大震災への対応をはじめ、国民生活の基盤である公務・公共サービスがその安定を確保し、将来展望を切り拓くためにも、政府として、公務員労働者に対する明確なメッセージを発していただきたい」と、組合員一人ひとりが納得できるよう総務大臣からの誠実な回答を強く求めた。
これに対して、片山総務大臣は、次の通り回答した。
【労働基本権付与、今後の労使交渉】
(労働基本権付与)
今回の給与引下げの経緯やその措置が異例であることからしても、自律的労使関係制度の導入に係る法案は、同時に国会に提出したいと考えている。公務員制度改革の担当である中野大臣も法案提出の最終作業に入っているとのことであり、少なくとも一方の準備は進んでいる。政府としては、両法案とも提出だけではなく、今国会で同時に成立できるよう努力を尽くしたい。
(今後の労使交渉)
今回の交渉は、自律的労使関係制度の導入を先取りする形で行っているものであり、これっきりとするものではなく、労使の交渉というものの本来的な姿を睨んで、今後も皆さんと必要な交渉を行っていきたいと思っている。
【定員】
震災対策にあたっては、国家公務員の皆さんにも奮闘していただいている。定員については、現時点で大幅な純減目標を掲げて定員削減に取り組む状況ではない。本年も通常の定員査定を行うこととなるが、仕事の繁閑によって定数の削減をしなくてはならない。しかし逆に、震災復興対策で仕事が増えればその分定数を増やす対応をしなければならない。そういう意味において、通常の定数査定はやらなくてはいけない。従来考えてきた大幅な定数削減をするような状況にはない。
【今後の人事院勧告の取扱い】
人事院勧告制度は、本来労使交渉で給与額や勤務条件を決めるという原則が制約されていることに伴う代償措置である。今回、本来の姿を先取りした形で、交渉を行っているわけであり、そのことの意味は相当重いものである。したがって、今回、労使交渉により給与改定が行われた場合には、それを踏まえた対応していきたい。
【超過勤務手当予算の確保等】
勤務をすれば手当が出るのが原則であり、各省大臣に話したいと考えており、今回の東日本大震災への対応で日夜公務に精励されている国家公務員の皆さんの働きには敬意を表する。特に原発事故への対応に当たっている職員の手当については、ご指摘を重く受け止めたい。
【地方公務員給与、独法給与への波及。マクロ経済への影響】
(地方公務員)
地方公務員の給与は、それぞれの自治体において現状の給与の水準を睨みながら、労使交渉で誠実に話しあって、議会で決めるものであるというのが決定原則であり、これは尊重されるべきものである。国がこういう措置をとるから一律にああしろこうしろという筋合いのものではない。私は、年来こう考えているので、これからも踏襲していきたい。また、国が財政措置を一方的に決定し、財政面から地方を追い込むというのはふさわしくないと思っている。
(独立行政法人職員)
独立行政法人の職員の給与は、各法人における労使交渉により決定されることになっており、これは尊重しなければならない。一方、独立行政法人には公的性格があり、運営費の多くを国庫に依存しているということもあり、国の職員の給与見直しの動向もみつつ、法人の自律的・自主的な労使関係の中でしっかり議論してほしい。
(マクロ経済への影響)
一般論として、所得の低下は個人消費の下方圧力の効果を持つことは事実である。給与の引下げが実施されれば、東日本大震災の復旧・復興対策の一部に充当され、政府の復興対策が実行に移される。一要素で見ればマイナスになったとしても、全体として景気に対してプラスの効果が期待されると考えている。そのような復興プロセスであってほしい。
【国家公務員へのメッセージ】
国家公務員の給与は高すぎて人件費が無駄であるとか、その働きぶりを低く評価してということではない。給与引下げの提案は大変心苦しくもあるが、現下の厳しい財政事情、さらには東日本大震災への対応という状況の中で、極めて異例の措置として、財政面においても、国家公務員の皆さんにもご協力いただかなければならないと考えている。メッセージが政府のトップから伝わるように進言申し上げたいと思っている。
この回答に対し、棚村議長は、「大臣から見解をいただいたので、これを含めて何点か改めて確認し、求めておきたいところがある」とし、次の通り追及した。
(1) 労働基本権、協約締結権を付与する法案との同時決着について、13日の大臣との交渉でも明確な考え方をいただいているが、この間、片山大臣とは信頼関係に基づいて交渉をしてきたと思っており、しっかり受け止めたい。しかし、通常国会の会期末は6月22日であり、どうなっていくか想定できない。入口は同時になる見込みとの回答をいただいたが、出口についても絶対にセットでやっていただきたい。会期末に、削減法案を通して基本権法案はいつになるか分からないというようなことは絶対に認められない。立法府の動き次第だが、政府、与党の一体性の中でわれわれと大臣との両法案の取扱いについての約束を絶対に履行してほしい。
(2) 定員について、新しい純減計画を作成する状況にはないという回答であり、政務官からは2割削減の問題については与党に伝えるとの回答をいただいている。根拠が極めて乏しい総人件費2割削減については与党サイドにおいても直してほしい。通常の定員削減は避けて通れないとのことであるが、それをどう考えるかによって状況はずいぶん違ってくる。仮に昨年の定員削減を踏襲する形態で一方的に行うとすれば、大変大きな禍根を残す。東日本大震災への対応を踏まえるということであれば、また、民主党政権になり、各府省の事務事業も大きく変わったので、新規採用枠を含めて組織・定員の検討に当たっては少なくとも昨年と同じような手法を踏襲するものではない、各府省の要望をしっかり踏まえて行くという内容で回答を受け止める。
(3) 超過勤務予算については、各府省が確保するものであり、総務大臣が各大臣にもそういった要請を行い対応を求めたいとの回答をいただいたので、これを正確に受け止めたい。政府を代表して片山大臣がこの交渉に臨んでいるので、ぜひとも閣僚懇等の中で震災対応を含めた各府省の実態を踏まえた予算要求をしっかりやるという意思統一を図ってほしい。公務員の労働条件に関して、中央人事行政機関としての総務省は権限と役割を持っているのだから、不払い残業の実態がいま震災対応を含めて極めて深刻なことから、総務大臣のリーダーシップで解消することを強く求める。
(4) 地方公務員の給与については、13日同様改めて明確な大臣の姿勢を伺ったので正確に受け止めたい。一方、独立行政法人については、人勧取扱いの閣議決定等で政府からの要請が行われると、独法当局は非現業職員との整合性に極めて神経を使い、総額人件費のみならず、賃金水準、手当すべてを非現業に合わせないと総務省や財務省の厳しい目線に堪えられないという状況にある。自律的労使関係制度の中で水準や配分を決める機能が極めて弱いのが現実だ。とくに今回は給与法の外で行う話なので、労使関係の枠内で話を詰めることが担保できるようによう、具体的対応をしてもらいたい。
(5) 国家公務員全体へのメッセージだが、ぜひとも出してほしい。使命感が継続できるよう、引き続き頑張らなきゃならないという気持ちが萎えないよう、総理大臣がいいと思うが、心のこもったメッセージを発してもらうことを改めて求める。
これに対し、片山総務大臣は、次の通り回答した。
(1) 自律的労使関係法案との同時決着については、国会の会期は私も大変気になっている。6月22日を持って閉会すると決まっているわけではないにもかかわらず、野党からはそのような声も上がっているが、会期について何も決まっていない。2つの法案が泣き別れることのないよう中野大臣とともに努力していきたい。
(2) 定員の問題は、民主党のマニフェストを見直すべきという点については、党の政策責任者に伝えておく。通常の査定というのは、去年と異なるのは当然であり、たとえば採用人数について、ごく一部の職種であるが、去年とは違った採用を検討している省もある。また、省によっては仕事が増えており、それを定員に反映させなければならないので、去年と同じにはならない。通常査定のプラスマイナスの結果の数字に目標観をもってやるということではない。そこは常識的にやっていきたい。
(3) 超過勤務については、働いてもらったらそれに対して支払うというのは当たり前のことであり、使用者がきちんと認識しなければいけない。総務省としては、各省に対し、必要なことがあれば要請してほしいと言っている。超勤が多く、仕事がまわらないならば、定数増も必要であるし、超勤をなくすよう仕事も減らさなければならない。これまでのようなルーズなやり方はよくない。
(4) 地方公務員の給与への影響については、いろいろな考え方の人がいるし、今後もハレーションがあるかもしれないが、私の申し上げた考え方で対処していくと思っていてほしい。独法についても一定の協力をしていただくことはありうるが、全て国に決められて労使決定の余地がないというのはいけない。国公の問題が落ち着いたら、主体的、自主的に決められるよう注視していきたい。
(5) 国家公務員に対するメッセージについては、士気、モラールの減退とならぬよう、そして国家公務員としての使命をしっかりと果たせるようなきちんとしたメッセージが必要と考えている。ルサンチマンが蓄積するようなことにならないよう、然るべき時期に然るべきメッセージを出したい。
この回答に対し、棚村議長は、「いま、大臣から明確な回答をいただいた。冷静にかつ信頼感をもってやって進めていただきたい。2回の政務官交渉で約束してきたことが反故にされることのないよう求めておきたい」と述べた上で、次の通り、本日の交渉で国家公務員の給与引下げ提案を受け入れ、決着することを表明した。
(1) 国家公務員の給与引下げによる削減原資は、大臣が国会等で指摘されているとおり、結果的には復興財源に活用されることになるものと承知している。
(2) 東日本大震災は戦後最大規模の災害となり、多くの人命が失われた。加えて、財産や家の喪失、避難生活の長期化、10万人を超える人が職を失った。また、福島原発事故は収束の展望が見えず更に被害が拡大する状況にある。
(3) この大震災からの復旧・復興は大変、困難な道のりとなる。全国民・すべての関係者がこの復旧・復興に全力をあげているが、私たちも日本の再生のために被災者・被災地とともに歩んで行かなければならない。この思いをもって、今回の提案・交渉結果を受け入れることとする。そして、引き続き、被災地の組合員はもとより、全国各地の組合員が復旧・復興に向けて全力をあげることとする。
最後に、片山総務大臣が「昨年の人勧の取扱い決定以降、国家公務員の給与引下げについての話し合いを重ねてきた。大変異例のことであり、国家公務員の皆さんにご苦労をかけたことについて、厚く御礼と敬意を表したい。厳しい提案ではあるが、皆さんの理解と協力が災害復興に役立つよう、関係閣僚にも話しておきたい。改めて皆さんに敬意を表するところだ」と述べ、交渉を閉じた。
(資料)
国家公務員の給与引下げについての声明
(1) 公務員連絡会は、本日、片山総務大臣との間で国家公務員の給与引下げについて交渉を行い、最終的に決着した。その内容は、一般職の国家公務員のボーナスについて一律10%、俸給について役職段階に応じて5%(係員)、8%(係長・課長補佐)、10%(課長以上の管理職及び指定職)を特例法案の成立後、施行から2013年度末までの間、特例的に削減するという、極めて厳しいものである。
(2) 5月13日に総務大臣から「俸給・ボーナス支給額の1割をカットすることを基本」に引き下げるとの提案が行われたのに対し、公務員連絡会は@交渉・協議、合意に基づく特例法案の国会提出、A労働基本権を付与し、自律的労使関係制度を確立するための関係法案の同時国会提出、同時成立、B地方公務員等への影響の遮断等、を確認するよう求めるとともに、削減理由と提案内容の根拠について明確で納得できる説明、一律カットの撤回と再提案を要求した。
これに対し、総務大臣からは@合意に達した上で法案が出せるよう努める、A両法案を同時に提出し、成立させるよう政府全体として努力する、B地方公務員に削減を求めるつもりはない、との考えが示され、以降、舞台は政務官交渉に移された。
(3) 17日及び19日の交渉で内山総務大臣政務官は、若年層の俸給カット率を5%に止めるなど、われわれの要求を一定程度踏まえた内容の具体案を示した。政務官交渉で公務員連絡会は、国家公務員がそれぞれの職場で震災対策をはじめとして不眠不休、身を粉にして職務を遂行していることや給与引下げは組合員の生活に重大な影響を与えるものであることを強く訴えながら、問題点を指摘し、互いに真摯かつ誠実な交渉を行った。
その上で、本日、改めて大臣交渉を実施し、大臣に@基本権付与の法案と特例法案の同時提出、同時成立、A定員への配慮、B超勤予算の確保、C地方公務員への影響の遮断と独法等の自主的賃金決定、などを要求し、回答を引き出すことができた。
(4) 今回の措置は、人事院勧告制度の下で、勧告を経ずに給与を引き下げるという極めて異例な措置であるが、労働基本権の付与と自律的労使関係制度の確立を先取りする形であり、労使交渉で決着することが不可欠であったこと、政府との間で真摯で誠実な交渉を行ったことを踏まえ、今後、労働基本権が付与され、労使交渉によって公務員労働者の適切な賃金・労働条件を自律的に決定することを強く確信し、今回の給与引下げ措置を受け入れることとしたものである。
今後は、労働基本権を付与し、自律的労使関係制度を確立するための関連法案と同時に閣議決定、国会提出させ、特例法案については労使で合意した内容で、同時に成立させなければならない。
(5) 今回の交渉は、自由民主党を中心とする歴代政権が積み上げてきた巨額の長期累積債務を背景としながら、公務員制度について1948年以来制約されてきた労働基本権を回復させるという歴史的な課題を実現するための前段として、大変困難な交渉であった。
(6) 今後、東日本大震災という戦後最大規模の災害のもと、給与の削減原資が復興財源に活用されることを期待するととともに、公務員労働者も日本の再生のために被災者・被災地とともに大震災からの復旧・復興に全力で取り組むものである。
公務員連絡会としても、組合員の労働条件や生活水準の維持・改善を第一義としながらも、国民生活における様々な格差の解消に取り組み、労働組合としての社会的役割をしっかりと果たしていくこととする。
2011年5月23日
公務員労働組合連絡会
以上