民主党は、地域主権調査会を設置し、一括交付金のあり方や国の出先機関改革などについて検討を進めている。本日、朝8時から開催された第4回総会では、出先機関改革について、地方団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会)及び連合、公務労協の意見を聴取した。
総会には、該当構成組織である自治労、国公連合、国公総連、国交職組、林野労組の代表者が出席するとともに、公務労協を代表して花村副事務局長より、@地域主権改革を進めるにあたっては、民主党が中心となって成立した「公共サービス基本法」の基本理念を踏まえ、安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されることを基本とすること、A国の出先機関改革については、国と自治体の役割分担と権限のあり方を十分検討した上で進めるとともに、B出先機関が担う役割・業務のあり方について、該当機関に勤務する当事者で構成された公務労協及び関係組合との協議を行うこと、Cとりわけ、人員移管は国家公務員の地方公務員への身分移管という雇用・労働条件上の重大な課題が含まれている。政府として、雇用・労働条件の確保に責任をもつ体制の確立、身分移管の際のルール等を検討する体制の構成員に公務労協及び関係組合の代表者が参加できるよう強く要請した。
公務労協は、引き続き政府・政党対策を強化することとしている。
(ヒアリングに際しての要請書)
2010年11月4日
民主党地域主権調査会
会長 武正公一 様
公務公共サービス労働組合協議会(公務労協)
議長 中村 讓
地域主権・国の出先機関の改革について
菅内閣は、三つの重要政策課題である経済成長、財政健全化、社会保障改革の一体的実現の「鍵」に「地域主権改革の推進」を位置づけ、「ひもつき補助金」の一括交付金化、国の出先機関改革などの検討を進めています。
また、民主党は、地域主権調査会を設置し、関係府省や地方六団体からのヒアリングなど精力的に検討を進められておられるところです。
先に政府が閣議決定した地域主権戦略大綱には、その意義として、国が地方に優越する上下の関係から対等なパートナーシップの関係へ根本的に転換すること、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることなどを挙げており、わたしたちも共感を持つものです。
一方、国の出先機関については、その事務・権限を地方自治体へ移譲し、「原則廃止」するとのものであり、該当機関で勤務する組合員は、日々不安を募らせています。
「地域主権」の具体の検討にあたっては、社会経済情勢の変化に対応した形で国と地方自治体の行政の役割分担を見直し、その上で、より地域に密着した基礎的自治体が国民生活に不可欠な公共サービスを住民のニーズにそって遂行するとの観点で進めるべきと考えます。加えて、「地域主権」の本旨を踏まえた改革とすべきであり、「行革、総人件費削減」を目的とした改革であってはなりません。
また、国の出先機関の見直しについては、国家公務員の地方公務員への身分移管という雇用・勤務条件上の重大な課題を含んでおり、慎重かつ丁寧な対応が必要と考えます。
つきましては、下記事項について要請いたします。
記
1.地域主権改革については、公共サービス基本法の基本理念を踏まえ、「安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されること」を前提として対応願います。
2.国の出先機関改革については、補完性の原理を踏まえ、国と自治体の役割分担と事務・権限、財源などのあり方を十分に検討した上で進めて頂きたい。
3.国の出先機関が担う役割・業務のあり方について、公務労協及び関係組合との協議をお願いします。
4.国の出先機関改革に関する人員移管等の仕組みについては、国家公務員の地方公務員への身分移管という雇用・労働条件上の重大な課題を含んでおり、政府として雇用・労働条件確保に責任を持つ体制を確立することを前提に、検討して頂きたい。
また、身分移管の際のルール等を検討する体制の構成員として、公務労協及び関係組合の代表者を参加させて頂きたい。
以上