公務労協は、19日、第59回労働基本権確立・公務員制度改革対策本部を開催し、「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」及び「国家公務員制度改革関連四法案」などの取扱いに係る17日の民主党・自民党・公明党の政調会長合意等について協議し、別紙の通り「声明」を確認した。
(別紙)
「給与の臨時特例に関する法律案」及び「国家公務員制度改革関連四法案」等
に係る三党(民主、自民、公明)協議の経過と決着等に対する声明
2月16日夕刻に開催された政府・民主党三役会議は、これまで民主、自民、公明の三党の政調会長会談、同実務者会議において協議されてきた「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」(以下、「臨時特例法案」という。)及び「国家公務員制度改革関連四法案」(以下、「関連四法案」という。)の取扱いについて、自民党及び公明党との協議を継続することとされた。そして、これに際し民主党は、翌2月17日、輿石幹事長が連合を訪問、古賀会長等と会談し、「関連四法案」の成立に向けて民主党が全力を尽くす決意が明らかにされた。
2010年参議院議員選挙以降、ネジレ国会における政治の混迷を踏まえた、三党間のこの問題に関する協議は、政調会長会談が2011年12月1日・15日、2012年1月5日に行われ、その委任を受けた実務者会議が2011年12月2日、2012年1月25日・30日・2月1日と、第179臨時国会の終盤以降、断続的に実施されてきた。
これらの協議を踏まえ、2月9日の実務者会議において「成案が得られなかった事項」をはじめとする国家公務員の給与削減と「関連四法案」の取扱いについて、2月17日の三党政調会長会談において合意した。具体的には、@人事院勧告を実施、さらに7.8%まで国家公務員の給与削減を深堀りするため、自民党・公明党共同提出の「一般職の国家公務員の給与の改定及び臨時特例等に関する法律案」を基本とする、A地方公務員の給与については、地方公務員法及び「臨時特例法案」の趣旨を踏まえ、各地方公共団体での対応のあり方について、国会審議を通じて合意を得る、B「関連四法案」については、審議入りと合意形成に向けての環境整備を図る、等となっている。
なお、一部マスコミ報道が「自公案丸のみ」としていることは、明らかな事実関係の誤認であることを指摘する。
一方、第180通常国会開会直後の1月25日の三党実務者会議において、民主党が提起した「2011年度人事院勧告の実施」は、連合をはじめ労使合意当事者である我々に一切の相談も事前告知もないまま行われたことは厳然たる事実であり、政党間協議という性格上、極めて機密性の高い問題ということは否定しないが、それが我々との信頼関係に優先するということはあり得ないことを厳しく喚起し、今後、このようなことが断じてないことを強く求めるものである。
また、政府と関係組合との労使交渉及びその合意は、最も尊重されなければならないことは当然のことである。
なお、昨年5月、当時の菅政権との間において、政府自らが自律的労使関係制度(人事院勧告制度の廃止と協約締結権の回復)を先取ることを表明した交渉において、民主党及び政府との信頼関係のもと、東日本大震災の復旧・復興の財源に充当するため苦渋の判断と決断を持って対応した国家公務員の給与削減に係る労使合意を踏まえれば、今般の三党政調会長合意は、極めて残念である。
しかし、第180通常国会が、政権争いという政局に埋没した野党側の対応により、政府・与党の政権運営が過去に例のない難渋を極めているもとでの判断である。民主党を中心とする政権が、国民が安心して暮らすことのできる社会を実現し国民から信頼される政権として機能するため、そして何より遅れている東日本大震災の復旧・復興の財源として一刻も早く措置することを最優先として、三党政調会長合意を受けとめるものである。
公務労協は、連合とともに組織の総力を傾注し、「関連四法案」の今国会における成立と、「地方公務員の労働関係に関する法律案」等の早期国会提出と成立に向け、とくに公務員の労働基本権の回復は、60年余の公務労働運動の悲願であるとともに、政権交代という千載一遇の機会において、そして、すでに人事院勧告による給与決定システムが機能し得ない現状のもと、向後の公務員給与決定システムに係る展望を確保するという観点から、何としても達成しなければならない至上命題として持てる力のすべてを注ぐものである。
2012年2月19日
公務公共サービス労働組合協議会