公務員連絡会・地公部会は10月12日、「2011年地方公務員賃金闘争交流集会」を開催し、地方公務員を巡る現状や今年の人事院勧告について共通認識をはかるとともに、2011秋季確定に向けた取組みの意思統一を行った。13時30分から東京・全電通会館で行われた交流集会には、全国から400人が参加した。
冒頭、岡ア地公部会議長が挨拶に立ち、東日本大震災からの復旧・復興に向け、被災地はもとより全国の自治体職員が奮闘していることに触れ、「われわれは地域公共サービスの担い手として、重要な社会的役割を担っていることを再認識できた」と述べ、自信と誇りを持って職務を遂行していこうと訴えた。その上で「地方公務員を取り巻く状況は大変厳しい。国家公務員制度改革関連四法案や給与の臨時特例法案の扱いが不透明な中ではあるが、この交流集会で意思統一をはかり、秋季確定闘争を闘い抜こう」と締めくくった。
続いて、民主党総務部門コアメンバー会議座長、また総務委員会筆頭理事を務める加賀谷健参議院議員が、国家公務員制度改革関連四法案や臨時特例法案をめぐる国会情勢について報告した。加賀谷議員は、「両法案が本年の通常国会に提出されたものの、ほとんど議論されることなく会期末を迎え、両法案のその後の取扱いについては、衆議院においては全野党が反対したが、多数派を占める民主党の賛成で継続審査となった。四法案と臨時特例法案を同時決着したいが「ねじれ国会」という大変厳しい情勢にある」と述べた。その上で、「現在、今年の人事院勧告と臨時特例法案との兼ね合いも含め、できる限り同時決着するためにはどうしたらいいかなど民主党の公務員制度改革・総人件費改革PTなどで検討中である」と報告した。また、地方公務員給与への国家公務員の給与削減の影響を遮断するという点については、「片山前総務大臣が明確にしている通りであり、すでに各自治体は厳しい地方財政のもと、自主的に給与の独自カットに取り組んでいることからも、地方公務員給与については、各地方自治体に任せるべき。国家公務員給与引下げを前提として地方交付税等を削減するようなことがあってはならない」と述べた。最後に、「公務員制度改革や国家公務員給与削減に対して、公務員連絡会の皆さんと連携を取りながら全力を挙げて取り組んでいく」と強調した。
次に、藤川地公部会事務局長が基調報告を行い、地方公務員をめぐる現状や2011春闘からこれまでの取組みの経過を報告した上で、地方公務員の自律的労使関係制度の実現に向けた取組みなど2012年度の運動の具体的課題と2012秋季確定闘争の取組みを提起した。2011秋季確定闘争では、@月例給や一時金の給与勧告については早期妥結をめざすこと、A現給保障の取扱いについて一方的な廃止に反対し、十分な労使交渉・合意により決着すること、などをポイントに確定交渉に臨むよう強調した。
さらに地方財政確立に向けた取組みについては、「国家公務員給与引下げの地方公務員への影響遮断という歯止めは掛けているが、財務省などからの地方公務員給与の引下げと地方交付税、義務教育費国庫負担金の削減の圧力が高まることは必至である」とし、12月中旬までの期間、地方財政確保・拡充に向けた地元選出国会議員等への要請行動に全力を挙げるよう訴えた。
続いて、大塚公務員連絡会副事務局長が、2011人事院勧告・報告、段階的な定年延長についての意見の申出の概要について解説を行った。大塚副事務局長は、「公務員連絡会は、人事院に対し、国家公務員の給与については決着済みであり、代償措置としての勧告は必要ないということで給与改定勧告は行うな、という要求をした。地方公務員については、政府との間で、国家公務員の給与引下げとは切り離すということを確認し、自治体において自主的に対応する、すなわち各地方人事委員会に対し、地方公務員のあるべき賃金を勧告するよう要求してきたところ。また、定年延長の意見の申出は一昨年来の人事院の約束であり、速やかに意見を申し出るよう求めてきた。人事院勧告については、国においては実施させない、地方については自主性に委ね、今後も取組みを進める」と公務員連絡会の方針を述べた上で、勧告等の概要を説明した。
その後の各構成組織からの決意表明では、自治労・澤田副委員長、日教組・宇高岡山県教組書記長、都市交・栗原書記次長、全水道・禧久書記次長、日高教・篠ア栃木高教組執行副委員長、自治労連・関谷副委員長がそれぞれ行い、自治体職員の生活を守るための賃金水準確保をはじめとする労働条件の改善、現給保障廃止の断固阻止、地方財政の確立などに向け全力で取り組んでいく決意を力強く表明した。
最後に、岡ア地公部会議長の団結ガンバローで秋季確定闘争への決意を確認し、集会を終えた。
以上