2012年度公務労協情報 23 2012年3月22日
公務公共サービス労働組合協議会

"2012春季生活闘争推進!民主的な公務員制度改革と労働基本権の確立を求める中央行動"実施−3/21


デモ行進をする公務労協正副議長ら
 公務労協は、21日、@連合の春季生活闘争への積極的参加と、国営関係部会及び公務員連絡会、各構成組織における取組みの促進、強化をはかるとともに、A第180回通常国会を期限とした国家公務員制度改革関連四法案と、地方公務員の労働関係に関する法律案の早期(提出)成立・決着に向けた政府・与党の覚悟ある対応を求めて中央行動を実施した。
 行動は、16時から、各構成組織の組合員が民主党の衆議院議員291人、参議院議員107人に対し、労働基本権の確立に関する要請を行った。
 そして、18時30分から、日比谷大音楽堂で開催した「2012春季生活闘争推進!民主的な公務員制度改革と労働基本権の確立を求める中央集会」には、全国から3,000人の仲間が結集した。
 集会は、棚村公務労協副議長の挨拶で開会し、集会議長には、徳永公務労協副議長を選出した。
 主催者を代表して、中村公務労協議長は「1948年の労働基本権剥奪以降、63年間、基本権の制約下にある労使関係をILO基準に基づく自律的な関係に戻そうと運動を展開してきた。公務員制度改革は交渉・協議を通して、労働条件の改善のみならず、よりよい公共サービスの提供や行政需要に応える体制づくりを進めるもの。政府・民主党は、第180回通常国会で胸を張って正々堂々と提案し、いかに日本の労使関係、労働行政が世界から遅れているか、グローバル化していないかの論陣を張ってもらい、審議を尽くし、決着をはかってほしい」と訴えた。
 続いて、来賓挨拶に駆けつけた連合の古賀会長は、春季生活闘争の回答状況について報告した後、「連合は、国家公務員給与の臨時特例法案及び公務員制度改革関連四法案の一体的そして一刻も早い成立を政府及び国会に対し強く求めてきたが、給与に関する法律のみが先行し、関連四法案について、未だに審議入りしていないことは極めて遺憾である。労使関係を対立の構図としてではなく、労使がともに政策・業務を充実するための欠くことのできないパートナーとして捉える、そのための自律的労使関係制度でもある。連合は、政権交代したこの機会に、何としてもこの問題を解決しなければならないと考えており、関連四法案の速やかな審議入りと消防職員への団結権付与を含む地方公務員制度改革関連法案の早期提出、両法案の成立に全力をあげて取り組む」と決意を述べた。
 また、民主党を代表して輿石幹事長は、「春闘の真っ只中、全国各地から本日の集会に参加されている皆さんに、党を代表して覚悟をお伝えしたい。私は、国会に初登院して以来22年間、皆さんに多くの支援をいただいてきた。公務員組合の皆さんは、63年の長きにわたり、労働基本権の確立を訴えられてきた。ILOの勧告を振り返りながら、今こそ問題解決に向けて頑張りたい。ねじれ国会の中にあっても必ずや解決したい。ただ、そんなに簡単な問題ではないので、国民の理解を得られるよう地方からもしっかりと取り組んでもらうようお願いしたい。今日のこの集会を契機に、民主党に政権を委ねてよかったと言ってもらえるよう頑張る」と決意を述べた。
 その後、吉澤公務労協事務局長が集会宣言(別紙参照)を提案し採択した後、河田公務労協副議長が閉会挨拶を行い、中村議長の団結がんばろうで集会を終えた。

 集会終了後、各構成組織参加者らは日比谷公園から衆参両院議員面会所まで、「公務員の基本権の確立」、「国家・地方公務員の協約権の実現」、「消防職員の団結権の付与」などを訴える請願デモを民主党に対し行った。なお、請願には民主党の衆参35人の議員が応対した。


(別紙)
集 会 宣 言 


 戦後間もなくの国家公務員法改正、公共企業体等労働関係法改正、地方公務員法制定及び地方公営企業労働関係法制定による公務員の労働基本権の制約は、すでに60年を超えている。
 労働基本権の制約は、事実上、公務員の労働者性を否定し、権限と自律性が廃除された公務における労使関係は、当事者責任が欠落した閉鎖的なものとして批判されてきた。
 一方、勤務労働条件を決定できない労使関係は、常に政治の動向に翻弄され続けてきた。とくに、今般の国家公務員給与の臨時特例に関する国会の対応は、東日本大震災の復旧・復興のため、その財源として拠出することを決意したわれわれの覚悟を蔑ろにしたものであり、政局優先の国民生活を無視した「決めない」「決められない」政治の限界を露呈したものとして、極めて遺憾である。
 ところで、労働基本権制約の代償措置とされてきた人事院勧告制度は、もはやその役割を終えたものと言わざるを得ない。それは、2000年代中盤以降、労使関係の一方の当事者である政府の権力とポピュリズム化する政治の影響を排せず、そして職員の利益保護という本来の任務を忘却し、自らの組織防衛を優先する人事院自身の対応によるものに他ならない。
 厳しい社会経済情勢のもと、国民の安全と安心を確保する公共サービスに従事するわれわれの決意と覚悟は、些かも揺らぐことはない。
 たとえ、苦難と混迷の時代が待ち受けていようと、情熱と英知をもって臨み、公共サービスに従事する労働組合としての社会的責任を果たす。そのために不可欠なのが公務員の労働基本権の回復である。
 その意味で、未だ「国家公務員制度改革関連四法案の審議入り」そして「消防職員の団結権付与をはじめとする地方公務員の労働関係に関する法律案の国会提出」が果たされていないことは、国家公務員給与の削減がすでに決着・先行していることを踏まえ、とくに政府・民主党の対応を厳しく非難せざるを得ない。
 公務労協は、連合とともに組織の総力を傾注し、「国家公務員制度改革関連四法案」の今国会における成立と、「地方公務員の労働関係に関する法律案」等の早期国会提出と成立に向け、とくに公務員の労働基本権の回復は、60年余の公務労働運動の悲願であるとともに、政権交代という千載一遇の機会において、何としても達成しなければならない至上命題として、持てる力のすべてを注ぐものである。

2012年3月21日

2012春季生活闘争推進!民主的な公務員制度改革と労働基本権の確立を求める中央集会


以上