民主党は本日12時から「公務員制度改革・総人件費改革PT、内閣部門、総務部門合同会議」を開催し、国家公務員制度改革関連四法案や地方公務員の労働関係に関する法律案等をめぐる情勢を共有するとともに、国会での早期審議入り、成立に向けた意思統一を図った。
会議には、公務員制度改革・総人件費改革PT、両部門会議の所属議員が45人出席するとともに、政府側から中塚一宏内閣府副大臣、大島敦総務副大臣が参加した。また、連合・公務労協から各構成組織代表を中心に56名が参加(公務労協からは拡大運営委員会メンバーを中心に33名が出席)し、自律的労使関係制度の早期確立に向けて全力を尽くすよう求めた。
会議の冒頭、民主党・政府を代表して田村謙治内閣部門会議座長、稲見哲男総務部門会議座長、中塚一宏内閣府副大臣がそれぞれ挨拶し、国家公務員改革関連四法案(以下、「関連四法案」)をはじめ地方公務員の労働関係に関する法律案等の早期審議入り・成立に向け、民主党・政府が一体となって努力していく決意を述べた。
続いて徳永秀昭連合会長代行(公務労協副議長)が挨拶した。徳永連合会長代行は、関連四法案が閣議決定されてからすでに10か月が過ぎたが未だ法案の審議入りがなされていないことや地方公務員に関わっては法案さえ策定されていない状況に対し、「大変残念で遺憾だと言わざるを得ない」と述べた上で、「ねじれ国会という厳しい状況ではあるが、民主党・政府が一体となって、私たちとの約束を必ず果たしてもらいたい」と、法案の成立に向け死力を尽くすよう強く求めた。
挨拶に続き、大島敦前公務員制度改革・総人件費改革PT座長(総務副大臣)が関連四法案に関するこれまでの経緯について述べた上で、「世の中に関心を持ってもらい、理解してもらうためにも審議入りが必要だ」とし、野党にも議論してもらうよう働きかけていくこと、地方公務員に関わっては「法案は準備しつつある」とし、国会提出に向け努力していくことを改めて強調した。
また中嶋滋前ILO理事(日本ILO協会専務理事)が、公務員制度に関するILO結社の自由委員会の最新情報について報告し、公務員制度をめぐる日本の現状について「長い間日本はILO原則に適合してこなかったが、ようやく具体的展望が見えてきた」と述べた。また給与改定特例法に基づく国家公務員給与の特例減額は、「関連四法案の成立とセットとなってかろうじてILOの審査に堪えられるものになる」と指摘し、四法案の成立が必要不可欠であることを強調した。
自治労全北海道庁労働組合連合会の千葉利裕執行委員長は、北海道における独自給与削減をめぐる状況を報告し、労働基本権制約の代償措置としての機能を喪失している現状や、労使間の確認事項は労働協約ではないため反故にされてきている実態等を訴え、労使交渉の結果を法的に担保する仕組みを構築する必要性を訴えた。
また全国消防職員協議会の迫大助会長は、消防職場の実態を語った上で、消防職員が使命を持って市民の負託に応えていくためには、労使で問題を共有し、対等な関係で話し合えるよう、法的に保障する制度が重要であることを訴え、消防職員への団結権の付与を強く求めた。
会議後の国会日程等の関係で特段の議論はなされなかったものの、議員から「やるしかない」という声も上がり、関連四法案や地方公務員の労働関係に関する法案等の審議入り・成立に向け死力を尽くすことを改めて確認し、合同会議が終了した。
以上