2012年度公務労協情報 30 2012年6月1日
公務公共サービス労働組合協議会

退職手当の見直しで人事・恩給局長との事前交渉を実施−6/1

 公務労協は、本日10時から、退職手当の見直しについて総務省交渉を実施した。公務労協側は吉澤事務局長、各構成組織書記長が参加し、総務省側は田中人事・恩給局長らが対応した。

 冒頭、田中局長は以下の通り述べ、今後見直し作業を進めることとし、公務労協と話し合っていくことを提案した。
(1) 国家公務員の退職手当については、本年3月に人事院から退職給付に係る官民比較調査結果及び見解が示され、また、岡田副総理の下に開催されている「共済年金職域部分と退職給付に関する有識者会議」において、先週、「中間的な議論の整理」が示されたところ。
(2) 総務省としては、今般の退職手当の見直しにおいて、「中間的な議論の整理」の内容を踏まえ、当面の退職者について官民較差(平均402万6千円)の全額を一時金である退職手当の支給水準引下げにより調整する必要があると考えている。
(3) これに関し、今週火曜日の閣議において、川端総務大臣から、今後、この「中間的な議論の整理」の内容を踏まえ、退職手当の見直しに係る具体的な立案作業を進めるとともに、皆様方との話合いを開始する旨を発言したところであり、この発言のとおり、皆様方との話合いを行ってまいりたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

 これを受けて、吉澤事務局長は以下の通り質した。
(1)人事院の退職給付官民比較調査結果は402.6万円とのことだが、リーマンショックなどの金融危機があったとはいえ、本当にここまでの較差が生じたものか、改めて事務レベルでしっかりと検証させてもらいたい。
(2)有識者会議で岡田副総理が、「職員との意思疎通」という言葉を述べられたが、われわれとの協議については、昨年5月23日の片山総務大臣との交渉において、「自律的労使関係制度の導入までの間にあっても、労使の交渉が本来的な姿であることを踏まえ対応する」ことを確認している。したがって、今回も出口を切ることなく、われわれが納得のいくまでとことん議論するということを明言してほしい。
(3)被用者年金一元化法案で共済年金職域部分を2015年9月で廃止するとしても、有識者会議の「中間的な議論の整理」においては、年金受給の期待権へ配慮し、既に保険料を払い込んだ期間に対応する過去分の給付を継続することが前提であるが、一時金である退職手当で402.6万円引き下げるとされている。そもそも退職手当と職域部分(過去分)については一緒に考えていかなければならない課題だ。過去分は一元化法案の附則で今後の検討となっているが、政府としてどう対応していくつもりなのか。

 田中局長は次のとおり答えた。
(1)総務省としてもいろいろ検討したが、有識者会議の整理を踏まえ、人事院の調査結果を基本に調整することとなった。較差の原因などについてはきちんと議論したい。
(2)退職手当の所管は総務省であるので、当方で対応していく。スケジュールはまだわからないが、今回の人事院の調査結果は平成22年度支給額に基づくものであり、昨今の情勢を踏まえて、スピード感をもって皆さんが納得を得られるよう話合いを進めていきたいと考えている。
(3)当面は一時金である退職金で処理することを提起している。

 最後に、吉澤事務局長は、来週にも総務大臣宛の要求書を提出し、具体的な交渉を開始することを表明し、田中局長は「了解した」と応え、本日の交渉を終えた。