本日10時30分から、独立行政法人・国営関係組織書記長等出席のもと、独立行政法人等の退職手当の見直しにかかる加賀谷総務大臣政務官との交渉を実施した。
冒頭、吉澤事務局長は、国家公務員の退職手当について、本日夕刻、川端総務大臣との最終交渉を予定しており、それを踏まえ明日、取扱い方針等について閣議決定されると承知しているが、独立行政法人等の扱いについてどのように考えているのかと質した。
これに対し、加賀谷政務官は次のとおり述べた。
今般、国家公務員の退職手当の見直しについては、退職給付における官民較差402万6千円の全額を退職手当の引下げにより解消することとして、皆様からのご意見も承りながら具体的な検討を進めてきたところであり、後刻、大臣より皆様に対して退職手当の改定方針をお示しさせていただきたい。
独立行政法人の役職員の退職手当については、その公的な性格に鑑み、閣議決定において、国家公務員の退職手当の見直しの動向に応じて、独立行政法人通則法の趣旨を踏まえつつ、今般の国家公務員の退職手当制度の改正に準じて必要な措置を講ずるよう要請等を行うこととしている。
国家公務員の退職給付における官民較差については、過去に例のないほど大きな較差が生じており、その解消を図るために、退職手当見直しの具体的な検討を進めているところであり、独立行政法人の役職員の退職手当についても、広く国民の理解と納得を得ることが重要であることから、何卒、ご理解願いたい。
これを受け、吉澤事務局長は、@この間、独立行政法人等については、とくに職員の勤務条件に関して、「法人の自主的判断による運営、業務」という性格を踏まえ、まさに「自主性」を旨に対応されてきた。したがって、今回の退職手当の見直しについても、法人の自主性のもとで対応されること確認したい、A退職手当の取扱いに関しては、特定独立行政法人は退職手当法の適用の範囲の中での交渉により、また、一般の独立行政法人においては、労使の交渉とその結果に基づいて決めるべきものと理解している。総じて、退職手当の取扱いについては、それぞれの独立行政法人等においてしっかり労使の交渉が行われ、当然、合意に基づいて具体的な措置がはかられるべきものと考えている、と述べ政務官の見解を求めた。
加賀谷政務官は、@独立行政法人通則法第3条の規定の通り、独立行政法人の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならないものである、A各独立行政法人において、労使間の団体交渉によるものとして労使自治に委ねられているものについては、従来通り、労使間でしっかり議論していただくことが基本であると考えている。いずれにせよ、これまでの各法人における自主的な業務運営の経緯や、独立行政法人通則法の趣旨を踏まえつつ、政府として適切に対応してまいりたい、との見解を示した。
最後に、吉澤事務局長は、今日、独立行政法人等においては、国公非現業の給与の臨時特例を踏まえて、基本的には復旧・復興の財源のために拠出するとの観点で、労使で苦渋の判断を行い賃金等の扱いについておおよそ決着をはかっている状況である。他方、ここ数年、財政的な削減の措置が継続されるもとにあっても、当該法人の職員は、国民に提供するべき公共サービスを充実強化するとの観点で懸命に業務にあたっており、政府においては、このような実態を十分に踏まえ対応されたいと述べ交渉を閉じた。
以上