公務員連絡会地方公務員部会は、8月23日、地方公務員の労働関係に関する法案の早期国会提出と成立、国家公務員の給与改定・臨時特例法に基づく臨時特例減額を地方公務員へ波及させないため、特に、地方交付税、義務教育費等国庫負担金への影響遮断等を求めて民主党・社民党の国会議員への要請行動を行った。行動には、全国から約200名が参加、参議院議員会館1F講堂で開かれた意思統一集会には、衆参の民主党国会議員が多数来賓として出席した。
主催者挨拶に立った徳永秀昭地方公務員部会副議長(自治労委員長)は、「東日本大震災を受けて地域公共サービスの充実と地方自治体の重要性が再確認された。地域においては子育て、介護等多くの公共サービスを提供する地方財政確立が必要となっている。本日の要請行動で改めてその充実を求めていく。公務員制度改革についても地方公務員関係の法案は閣議決定もされていない状況である。今国会も終盤であるが、最後まで全力で取り組みたい」と述べた。
次に、来賓として出席した国会議員を代表して、吉川政重衆議院議員は「国家公務員の関連四法案はすでに国会に提示されているが、地方については手付かずであり、私どもは一刻も早く四法案を成立させ、地方公務員についても法整備を早急に行わなければいけないと思っている。会期末を控えて緊迫しているが最後まで諦めずに全力を尽くしたい。また、国公の人件費削減を地方にも波及させようという動きがあるが、小泉改革以来地方は独自給与カットや定数削減もされてきている中で、安易に地方に影響させるというのは全く意味が通らない。また、間違った計算方法で地公の給与が高いと言われていることに対しては、国会内外で声を出して訴えて参りたい」と決意を語った。
続いて、江崎孝参議院議員は、「民主党政権になって国公関連四法案、地方公務員の労働関係に関わる制度設計も含めて大きく前進したことは間違いない事実である。しかし残念ながらねじれ国会という現実の中で足踏みをしており、これを変えるには現場の声が必要。我々もその声に後押しされながらギリギリまで努力していく」と訴えた。
藤川地公部会事務局長の行動提起の後、加藤良輔副議長(日教組委員長)により「団結がんばろう」を行い、参加者は各議員会館へ移り、議員要請行動を実施した。議員要請の内容については別紙の通り。
(別紙1)民主党議員への要請書
2012年8月23日
民主党国会議員 各位
公務員連絡会地方公務員部会
議 長 岡 ア 徹
地方財政拡充、地方行政改革と自律的労使関係確立にむけた要請書
日ごろより市民生活の向上にむけ、ご尽力いただいていることに敬意を表します。
現在、通常国会終盤にむけて重要法案の審議が進められていますが、地方公務員の労働関係に関する法案の閣議決定が行われていないことは、誠に残念と言わざるをえません。
さて、地方自治体をめぐっては、急速に高齢社会が到来する中で、社会保障の機能強化と持続可能性の確保が一層重要となっています。地域の市民に対して、教育・子育て、医療、介護、福祉など多くの公共サービスを直接、提供する地方自治体の役割が高まっています。
また、東日本大震災により被災した自治体や避難者を受け入れている自治体に対して、財政支援措置を講じることや日本経済全体の回復のために地域における雇用創出を促進するための予算、被災地の子ども達をはじめ、すべての子ども達が安心して学べる教育諸条件の整備等に係る予算の拡充が必要となっています。
一方、「行政改革に関する懇談会」が、8月7日にまとめた「大転換期の行政改革の理念と方向性」の中では、更なる行政改革として国家公務員の総人件費改革等や「地方における改革の一層の推進」が提言されているところです。しかし、地方自治体においては、すでにこの18年間で約49.4万人の人員削減が行われ、地方自治体の総職員数は278.9万人まで削減されています。
これ以上の人員削減は、安心・安全な公共サービスの提供に支障をきたすことから、「行政改革に関する懇談会」提言が今後どのように取扱われるのか私どもは大変憂慮しております。
以上の課題につきまして、貴職におかれましては、下記の事項を十分踏まえた上で民主党としての対応を行うようご尽力いただきますことを要請いたします。
記
1.安心・安全の公共サービスを確立し、災害からの復興と景気回復を進めるためにも、生活に直結する分野に予算の拡大、重点配分を行うこと。
2.地方財源を確保するため、復興財源とは切り離した上で、「財政運営戦略」に明記された通り2010年度水準を下回ることなく、2012年度と実質的に同水準の一般財源総額を確保すること。また、国税5税(所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税)の一定割合が地方交付税の財源であることから、税率見直しの際は、地方財源の拡充にむけた制度改正を行うこと。
3.地方財政の自主的かつ安定的運営に配慮し、雇用対策、農林業振興策、福祉・医療などのセーフティーネットの構築など急増する自治体の一般行政費を地方財政計画・地方交付税に的確に反映すること。
4.安心して学べる学校づくりに必要な体制づくりに経費を措置し、義務教育費等国庫負担金を確保すること。
5.地方交付税の一般財源総額確保に当たっては、国家公務員の給与特例減額措置を地方に強制しない、また、地方交付税に影響させないとした閣議決定にそった対応とすること。
6.「行政改革に関する懇談会」提言において示された地方における改革を検討する場合には、質の高い公共サービスを実現するという観点からの改革をめざすこと、地方自治体関係者との十分な協議が必要なこと、また、労働条件に関わる事項は、十分な労使交渉・協議、合意と納得が必要なこと、以上3点を踏まえること。
7.「国家公務員制度改革関連四法案」の早期成立をめざすとともに、自律的労使関係制度の確立に向け、地方公務員制度改革に関する法案の早期国会提出と成立をはかること。
以 上
(別紙2)社民党議員への要請書
2012年8月23日
社会民主党国会議員 各位
公務員連絡会地方公務員部会
議長 岡ア 徹
地方財政拡充、地方行政改革と自律的労使関係確立にむけた要請書
日ごろより市民生活の向上にむけ、ご尽力いただいていることに敬意を表します。
現在、通常国会終盤にむけて重要法案の審議が進められていますが、地方公務員の労働関係に関する法案は閣議決定が行われておらず、誠に残念と言わざるをえません。
さて、地方自治体をめぐっては、急速に高齢社会が到来する中で、社会保障の機能強化と持続可能性の確保が一層重要となっています。地域の市民に対して、教育・子育て、医療、介護、福祉など多くの公共サービスを直接、提供する地方自治体の役割が高まっています。また、東日本大震災により被災した自治体や避難者を受け入れている自治体に対して、財政支援措置を講じることや日本経済全体の回復のために地域における雇用創出を促進するための予算、被災地の子ども達をはじめ、すべての子ども達が安心して学べる教育諸条件の整備等に係る予算の拡充が必要となっています。
一方、政府の「行政改革に関する懇談会」が、8月7日にまとめた「大転換期の行政改革の理念と方向性」の中では、更なる行政改革として国家公務員の総人件費改革等や「地方における改革の一層の推進」が提言されているところです。しかし、地方自治体においては、すでにこの18年間で約49.4万人の人員削減が行われ、全国の地方自治体の総職員数は278.9万人まで削減されています。これ以上の人員削減は、安心・安全な公共サービスの提供に支障をきたすことから、「行政改革に関する懇談会」提言が今後どのように取扱われるのか、私どもは大変憂慮しております。
以上の課題につきまして、貴職におかれましては、下記の事項の実現をはかるようご尽力いただきますことを要請いたします。
記
1.安心・安全の公共サービスを確立し、災害からの復興と景気回復を進めるためにも、生活に直結する分野の予算の拡大を図ること。
2.地方財源を確保するため、復興財源とは切り離した上で、「財政運営戦略」に明記された通り2010年度水準を下回ることなく、2012年度と実質的に同水準の一般財源総額を確保すること。また、国税5税(所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税)の一定割合が地方交付税の財源であることから、税率見直しの際は、地方財源の拡充にむけた制度改正を行うこと。
3.地方財政の自主的かつ安定的運営に配慮し、雇用対策、農林業振興策、福祉・医療などのセーフティーネットの構築など急増する自治体の一般行政費を地方財政計画・地方交付税に的確に反映すること。
4.安心して学べる学校づくりに必要な体制づくりに経費を措置し、義務教育費等国庫負担金を確保すること。
5.地方交付税の一般財源総額確保に当たっては、国家公務員の給与特例減額措置を地方に強制しない、また、地方交付税に影響させないよう政府への要請をすること。
6.「行政改革に関する懇談会」提言において示された地方における改革に関しては、質の高い公共サービスを実現するという観点からの改革をめざすこと、地方自治体関係者との十分な協議が必要なこと、また、労働条件に関わる事項は、十分な労使交渉・協議、合意と納得が必要なこと等を踏まえた対応を行うこと。
7.「国家公務員制度改革関連四法案」の早期成立をめざすとともに、自律的労使関係制度の確立に向け、地方公務員制度改革に関する法案の早期国会提出と成立をはかること。
以 上