2013年度公務労協情報 21 2013年4月15日
公務公共サービス労働組合協議会

公務労協が"2013春季生活闘争4.12第2次中央行動"
−集会には5千人が結集し、東京駅までデモ行進−


中央集会の模様
 公務労協は、12日、連合に結集し春季生活闘争を引き続き推進し、「働くことを軸とする安心社会」の実現をはかることとし、@労働者保護、雇用のセーフティネットの強化、A民主的な公務員制度改革と労働基本権の確立、B地方公務員の賃金引下げ「強制」反対を目標とし、中央行動を実施した。全国から5,000人の仲間が結集し、17時から中央集会、18時からデモ行進を行った。
 中央集会は、棚村公務労協副議長(国公連合委員長)の挨拶で開会し、集会議長には徳永公務労協副議長(自治労委員長)が選出された。
 主催者を代表して、加藤公務労協議長(日教組委員長)は「我々の労働の価値とはなんでしょうか。国民生活を圧迫するコストなのでしょうか。政府は、地方交付税や国庫負担金に手をつけ、地公給与削減を、地方自治体への「要請」という名目で、「実質的に強制」している。2年前、被災地の復興に思いをはせ、国公の仲間が、自らが労使交渉の交渉で労働条件を決定する道筋を模索し、苦渋の決断で特別減額を受け入れたこと、また地方自治体で、住民サービスを守るために労使協議の中で行ってきた自治体財政の健全化に関する必死の努力を踏みにじるものだ。私たちは、運動が社会的共感を得られるよう最善をつくしていく。古賀会長には、民間の仲間の皆さん、国民の皆様に連合の立場で更なる訴えをしてほしい。海江田代表をはじめとする国会議員の皆さんには、我々との約束を果たす重大な義務があるはずだ、国民世論を喚起してでも改革をすすめる責任があるはずだ」と訴えた。

デモ行進をする公務労協正副議長ら
 続いて、来賓挨拶に駆けつけた連合の古賀会長は「公務員の労働基本権の問題は決して公務員だけの問題ではない。全ての働く者の尊厳に関わる問題だ。連合は、政府・各政党に対し、国家公務員制度改革基本法に基づき労働基本権が確立された民主的な公務員制度改革を、地方公務員についても非現業地方公務員への協約締結権付与、人事委員会の廃止、そして消防職員への団結権付与など労働基本権を回復するための制度改革を行うこと、そして地方公務員の給与引下げを前提とした地方交付税の減額を行わないことを強く求めて行くことを確認している。連合は、構成組織、地方連合会と一体となってこの逆境に立ち向かっていく」と決意を述べた。
 また、民主党から多くの国会議員が登壇し、海江田代表が「国家公務員制度改革関連4法案、地方公務員制度改革2法案を提出した。しかし、我々政権のときにこの関連法案を成立させることができなかったことに対し、じくじたる思いであると同時に、反省をしている。基本法の実施期限が今国会末に迫る中、政府に動きが見られない現状に対し、民主党は政府に対して公務員制度改革の実現を求めるだけでなく、我々が提出した国家公務員制度改革関連4法案を、国会に再提出することを先日確認をした。地方公務員についても、野党を始めとした皆様方と問題意識を共有し、法案の国会提出に向けた準備に着手している。引き続き全力を挙げて努力していく」と述べた。
 その後、吉澤公務労協事務局長より集会決議(別紙参照)を提案し採択した後、加藤議長の団結がんばろうで集会を終えた。
 集会終了後、各構成組織参加者らは日比谷公園から銀座を経由し、東京駅まで、「公務員の基本権の確立」、「地方公務員の給与引下げ『強制』反対」、「春季生活闘争の勝利」などを訴えた。


(別紙)
集 会 決 議 


 2013春季生活闘争は、中小・地場組合における交渉のヤマ場を迎えている。デフレからの脱却をめざすアベノミクスは、低迷する景気の回復に対する国民の期待を扇動しているが、円安による業績回復と輸入物価の高騰を踏まえた事後的・政治的対応ではない、主体的立場からの賃金引き上げと雇用の改善が不可欠である。

 第183通常国会は、会期末まで残り75日、日程的には後半に至ることとなった。しかし、国家公務員制度改革基本法が定める実施期限まで残り3ヵ月に至りながら、政府は、関係法案の提出をはかる姿勢を未だ示していない。長年にわたり、公務員の労働者性を事実上否定するとともに、権限と自律性を廃除し、当事者責任が欠落した閉鎖的な公務の労使関係を放置することは言語道断である。

 また、安倍政権が、経済界には報酬の引き上げを要請し、公務員には給与の引き下げを強制するという相矛盾した政治的対応をはかっていることを改めて厳しく非難する。とくに、地方公務員の給与削減の要請は、住民に最も身近で重要な公共サービスを犠牲にする措置に他ならず、これまでの労使による自治体財政の健全化に係る必死の努力を無にするものである。そして、法律に基づく行政の執行責任と法案提出権限を有する政府が、自ら地方自治の本旨を蔑ろにするとともに、60年余に及び立法政策の問題として地方公務員の労働基本権制約を継続しながら、その代償措置としての人事委員会勧告による給与決定を一方的・強制的に無視させるものとして、断じて容認できない。さらに、地方財政計画における給与削減額に見合った事業費の計上は、旧来の公共事業を復活させるものに他ならず、東日本大震災からの復興・再生をさらに遅らせかねないものである。

 公務労協は、公共サービスに従事する労働組合としての社会的責任を果たすため、東日本大震災からの復興・再生はもとより、解決を迫られるさまざまな課題に的確かつ果敢に挑戦し、国民の安心と安全を確保する公共サービスの実現に持てる力のすべてを注ぐ。そして、困難な情勢のもとにあっても、連合に結集し、雇用と処遇の確保・改善をはかるための春季生活闘争を引き続き推進する。

 以上、決議する。

2013年4月12日
公務労協 2013春季生活闘争第2次中央集会


以上