2014年度公務労協情報 19 2014年3月10日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

給与制度の総合的見直しでブロック別上京行動−3/5〜7
―延べ1,200人超が参加し、人事院に地域と職場の怒りの声―

ブロック別決起集会 公務員連絡会は、3月5日から7日にかけて、人事院が2013年の報告で表明した「給与制度の総合的見直し」を課題に、ブロック別上京行動を実施した。5日は北海道・東北、関東・甲信越、6日は中部、近畿、7日は中国・四国、九州・沖縄に分かれ、それぞれ200人余が結集。ブロック別決起集会、代表団による人事院交渉、並びに人事院前交渉支援行動に取り組んだ。

 ブロック別決起集会では、「給与制度の総合的見直し」に対する基本的考え方として、一層格差を拡大する地域間配分の見直しは反対であること、世代間配分は人事管理の在り方を含め幅広い議論を追求すること、技能・労務職員の給与は引下げ反対であることなどを改めて確認し、@当面、人事院勧告制度の下で、人事院・政府との交渉・協議を強化して、2014春季生活闘争で要求実現をめざすこと、A本年の最大の課題は、給与制度の総合的見直しであり、人事院との交渉・協議を徹底し、公務員給与を引き下げることになる地域間配分の見直し・実施反対を明確に掲げ、取組みを推進すること、B地域・職場での取組みが重要であり、県別集会、署名運動を始め様々な取組みを強化すること、などの取組み方針を意思統一した。

人事院前交渉支援行動  集会を終えた参加者は、代表団による人事院交渉、人事院前交渉支援行動にそれぞれ出発。人事院前交渉支援行動の参加者は、「交渉団がんばれ」「地域間配分の見直し反対」などと力強くシュプレヒコールを繰り返し、取組み報告や決意表明を行った。







藤倉職員団体審議官付参事官に署名用紙を手交 また、地域や職場の声を直接人事院に届けることを目的に、ブロック別代表団が人事院交渉に臨んだ。
 ブロック別代表団は、人事院の藤倉職員団体審議官付参事官に対し、2月末までに集まった個人要請署名(別紙:要請項目)を手交した上で、@公務員給与を引下げるのは、民間の賃上げの流れに逆行する、A特例減額措置が3月末で終了するのに「また見直すのか」という落胆の声が強い。勤務意欲やモチベーションの更なる低下に繋がる見直しには断固反対だ、B地域間配分見直しで給与を引き下げると、公務員給与を参考にしている地場企業の引下げを招く、C同じ仕事をしているのに、勤務する地域で給与差が付くのは納得できない。地域格差を拡大する見直しは反対だ、D技能・労務職員の賃金引下げには断固反対だ、E給与が下がり続け、内定しても辞退する者が増え、人材確保が難しくなっている、F第三者機関として、労働者の意見もしっかり聞いて、公平・公正に対応すべきだ、などと訴えた。
代表団による人事院交渉 これに対し、参事官は「皆さんのご意見、ご要望は承った。今後とも職員団体の皆さんをはじめ、関係者のご意見等も伺いつつ、検討を進めてまいりたいので、よろしくお願いする」と応えた。

 公務員連絡会では、今後このブロック別上京行動の成果を踏まえ、12日には幹事クラスの交渉、20日の中央行動を背景に19〜20日には書記長クラスの交渉を配置し、27日の委員長クラスの交渉で2014春季要求に対する誠意ある回答を引き出すこととしている。あわせて、この間取り組んできた個人要請署名は3月3日現在、180万余筆を集約しており、4月の最終集約にむけ、取組みを徹底していく。


(別紙:要請項目)

人事院総裁
  原  恒 雄 様

公務員労働組合連絡会
議 長  棚 村 博 美


給与制度の総合的見直しに関する要請書


 人事院は、昨年8月に「給与制度の総合的見直し」について早急に結論を得ると報告し、地域と高齢層の公務員給与水準の引下げなどを検討することを明らかにしました。
 2005年の「給与構造の改革」勧告に基づく措置では、地域における公務員給与水準及び年功的な俸給構造を見直した結果、地域の公務員労働者、とりわけ高齢層は大幅な給与水準の引下げを被りました。また、地方交付税等年間6,000億円にも及ぶ給与費の削減による地方公務員給与水準の引下げは、地域経済に深刻な影響を与えています。今回の見直しについて、同じ事態が懸念され、見直し内容は到底容認できません。
 給与制度は、職務実態、雇用と生活条件の変化に応じて、より一層公平性・公正性を高める観点から見直されなければならず、公務員給与に対する社会的合意を再構築するものとする必要があります。同時に、人事院における検討作業は、重大な勤務条件の変更として、われわれとの十分な交渉・協議と合意に基づくものでなければなりません。
 以上のことから、給与制度の総合的見直しに関わって下記事項を申し入れますので、その実現に向けて最大限努力されることを強く要請します。

要 請 事 項

1.給与制度の総合的見直しは重大な勤務条件の変更であることから、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意のうえで検討作業を進めること。合意のないまま、一方的な勧告は行わないこと。

2.地域の公務員給与を引き下げる地域間配分の見直しには反対であり、実施しないこと。

3.世代間配分の見直しについては、その必要性及び人事管理の在り方を含めて、幅広い議論を保障すること。

以上