公務労協・国家公務員関係部会は4月15日、政府が同日閣議決定した「独立行政法人制度改革関連法案」について行政改革推進本部事務局と協議を行った。
公務労協から花村国家公務員関係部会事務局長をはじめ、該当組織担当者らが参加、行革推進本部事務局からは福田企画官、堀企画官が対応した。
冒頭、事務局側より、「独立行政法人改革は、『独立行政法人改革等に関する基本的な方針(平成25年12月24日閣議決定)』を踏まえ、@制度の見直し:各法人に共通する規律を改正、A組織の見直し:個別法人の統廃合等(100⇒87法人)を行うものだ。この度、@に関し、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案と独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を策定し、閣議決定されたもの。」などの説明が行われた。
事務局側の説明を踏まえ、国家公務員関係部会側より以下の通り質した。
(1) 独立行政法人制度は、「法人の自律的な運営」がポイントであり、それをもって成果の発現が期待されている。しかし、今次法案では主務大臣による評価や業務改善命令、総務大臣による目標・評価に関する指針の策定、第三者機関によるチェックなどが措置されており、「自律的な運営」の方向とは逆行しているのではないか。
(2) 職員の給与等の基準に関し、国家公務員の給与等を考慮(中期目標管理法人及び国立研究開発法人)、国家公務員の給与を参酌(行政執行法人)とされ、ともに現行通則法と比べて国家公務員の給与等が大きく影響する内容となっている。法人職員の給与等は自律的労使関係のもとで決めるべきものである。
これに対し、事務局側は以下の通り回答した。
(1) 独立行政法人制度は、法人に業務をまかせて、自主的・自律的に実施してもらうことが基本。今回は、問題があった時にきちんと是正できるような仕組みとしたもの。そして、主務大臣による是正命令も、あくまで事前チェックではなく事後的に行われるもの。第三者機関によるチェックも「毎年度のチェック」から「中期目標管理のチェック」とした。法改正に加え、運営費交付金の算定や経営努力認定などの運用面での見直しを含め、法人が独法制度本来の趣旨に則り、企業経営的な手法も活用した自主的・自律的な業務運営を行えるようにするもの。
(2) 職員の給与に関しては、民主党政権時の法案と同じ内容となっている。
公務員型法人である行政執行法人の職員給与の支給の基準については、国家公務員の給与を参酌し、かつ、民間企業の従業員の給与、当該行政執行法人の業務の実績及び人件費の見積りその他の事情を考慮して定めることとしており、現行法より若干強めとなっている。しかし、公務員給与と合わせろという趣旨ではなく、より強く考慮すること、との趣旨。
非公務員型=中期目標管理法人・国立研究開発法人の職員給与の支給の基準については、国家公務員の給与等、民間企業の従業員の給与等、当該法人の業務の実績並びに職員の職務の特性及び雇用形態その他の事情を考慮して定めることとしており、考慮事項を明確化し現行法よりもより分かりやすく、より説明しやすい表現ぶりとしたもの。
各法人が国民の納得のいく説明責任を果たすことを前提に、その事務・事業の特性を踏まえて給与水準を決定することを昨年12月の閣議決定にも盛り込んでいる。
なお、具体的な給与水準は、労使交渉を通じて法人が責任をもって決定する枠組みを変更するものではない。
最後に、花村事務局長より「本日は閣議決定された法案の説明を受けた。この法案が成立すれば独立行政法人制度は大きく変わり、法人職員の雇用・労働条件にも大きな影響を与えることとなる。ついては、後日、政府のしかるべき者との交渉実施をお願いしたい」と申入れ、協議を終えた。
以上