2014年度公務労協情報 37 2014年4月24日
公務公共サービス労働組合協議会
国家公務員関係部会

独法制度改革に関し行革推進本部事務局長交渉−4/23

 公務労協は4月23日、政府が15日に「独立行政法人制度改革関連法案」を閣議決定したことを踏まえ、行政改革推進本部事務局長交渉を行った。
 公務労協から吉澤事務局長、花村副事務局長をはじめ、該当組織書記長らが参加し、行革推進本部事務局からは宮島事務局長、市川事務局次長、堀企画官が対応した。

 冒頭、吉澤事務局長が「独立行政法人制度は2001年からスタートし、10年にもわたる長い時間をかけて現在の形になった。この間、政治的焦点として、絶えず『改革』という言葉が先行し、2007年の整理合理化計画、2011年の制度及び組織の見直しの基本方針が閣議決定され、今回で3度目である。今回の改革はこれまでの『集大成』とされているが、改めて4点について要請する」と述べ、要請書(別紙)の項目について、説明した。

 説明に対し、宮島事務局長は「独立行政法人制度の本来の趣旨を踏まえて機能させるため、また、単なる数合わせはしないという方針の下、見直しを行い、昨年末、基本方針について閣議決定した」と述べた上で、以下の通り答えた。
(1) これまでも十分意見交換を行ってきたつもりと考えているが、今後も意思疎通を図っていきたい。
(2) 閣議決定に「雇用の安定にも配慮する」と書いてあるので、それを踏まえて対応する。
(3) 個別法人の給与については、各法人が労使交渉で決定することに変わりはない。
(4) 「良好な労使関係」があってはじめて、必要な機能を発揮するので、その構築に努めることは当然である。

 これに対し、吉澤事務局長は「2001年からこの間、独立行政法人の現場の職員は、国民のために公共サービスを提供しながら、一方で雇用や労働条件の不安を抱え続けてきた。独立行政法人制度の安定化を早期にはかる必要がある」と要請し、交渉を締めくくった。


○ 独法制度改革に関し行革推進本部事務局と協議

 公務労協国家公務員関係部会は、行革推進本部事務局長交渉終了後、「独立行政法人制度改革関連法案」について、行革推進本部事務局と協議を行った。
 公務労協から花村国家公務員関係部会事務局長をはじめ、該当組織担当者らが参加、行革推進本部事務局からは堀企画官が対応した。

 冒頭、花村事務局長が以下の通り見解を求めた。
(1) 主務大臣による目標案等の作成に当たっては、独法制度創設の趣旨を十分踏まえ、法人の組織運営上の裁量、自主性・主体性に十分配慮すべきではないか。
(2) 総務大臣による「中期目標・中長期目標・年度目標および評価等の指針の策定」について、昨年12月27日の行革推進本部事務局次長との交渉において、総務大臣が策定する指針については「大枠の表現にとどめるべき」旨要求した。これは、総務大臣の「政府統一的な指針」が高度な目標設定を求めるものとなれば、各法人の目標達成は極めて困難となること。また、主務大臣の政策実施目標とも関連しており、主務大臣の裁量までも拘束することになりかねないからである。
 この件について、前述の事務局次長交渉の際、次長より「総務省にお伝えする」との回答が示された。総務省への対応結果は如何に。
(3) 法人の統廃合が円滑に行えるよう十分な準備期間を確保するとともに、該当法人の中期目標期間に十分配慮すること。

(1) 独法制度は、法人の自主性・自律性を旨としている。総務省が作成する指針の中で、目標設定について、どのように盛り込まれるか、ということになるので、総務省にも伝える。
(2) 指針案は総務省が検討中。現時点ではできていないので、行革事務局でも、総務省の検討状況を聞いていきたい。
(3) 法人の統合の時期については、閣議決定にあるように、本年夏を目途に行革推進本部決定する予定。各省の考えも聞いた上で決定することとなるが、その中で、統合の準備に時間がかかる事情があるのであれば、各省からそのような話を聞いていくこととなる。
 中期目標期間と統合時期の関係についても各省の考え方を聞いていくことになると思うが、これまでもずれていた例があるので、中期目標期間の終了時期に合わせなければならないものではないと思う。

 最後に、花村事務局長が「今後も引き続き交渉・協議等、情報交換をさせていただきたい」と要請し、協議を終えた。


(別紙)

2014年4月23日



行政改革担当大臣
 稲 田 朋 美 様

公務公共サービス労働組合協議会
議 長  加 藤 良 輔



独立行政法人改革に関する要請について

 日頃の、国政全般における貴職のご尽力に心から敬意を表します。
 さて、政府は、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(2013年12月24日閣議決定)に基づき、4月15日、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を閣議決定しました。
 つきましては、独立行政法人改革について、下記事項の実現を要請します。


1.今後、事務・事業の変更に伴い組織の見直しなどがある場合には、公務労協および関係組合と十分交渉、協議を行い、合意に基づいて対応すること。

2.今後の法人組織の統合等に際しては、「独立行政法人改革等に関する基本方針」にある「雇用の安定にも配慮」を踏まえ、政府として雇用確保に責任をもつこと。

3.法人職員の給与は、法人の類型にかかわらず労使の交渉において自律的に決定するものであることを明確にすること。

4.法人の政策実施機能が十全に発揮されるよう、「良好な労使関係」の構築に努めること。

以上