公務員連絡会は、7月8日、9日に、人事院が2013年の報告で表明した「給与制度の総合的見直し」を課題に、ブロック別上京行動を実施した。
8日は北海道・東北、関東・甲信越、9日は中部、近畿に分かれ、それぞれ500人余が結集。ブロック別決起集会、地域代表による人事院交渉、並びに人事院前交渉支援行動に取り組んだ。
決起集会では、「給与制度の総合的見直し」に対する基本的考え方として、一層格差を拡大する地域間配分の見直しは反対であること、世代間配分は人事管理の在り方を含め幅広い議論を追求すること、技能・労務職員の給与は引下げ反対であることなどを改めて確認し、@給与制度の総合的見直しについて、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意のないまま、一方的な勧告は行わないこと、A地域間配分の見直し、技能・労務職員の給与水準引下げは実施しないこと、B公務員連絡会2014人勧期要求を実現することについて取組み方針を意思統一した。
決起集会を終えた参加者は、地域代表による人事院交渉、交渉支援行動にそれぞれ出発。交渉支援行動の参加者は、「交渉団がんばれ」「地域間配分の見直し反対」などと力強くシュプレヒコールを繰り返し、取組み報告や決意表明を行った。
また、地域や職場の声を直接人事院に届けることを目的に、各ブロックの地域代表が人事院交渉に臨んだ。
地域代表は、人事院の鈴木職員団体審議官付参事官(写真右)に対し、第2次ブロック別上京行動までの間に集まった職場決議を手交した上で、@恣意的手法で新たな格差を生み出し、地域給与を引き下げるのは反対。労働基本権制約の代償機能を果たす第三者機関として、公務員労働者の声を聞け、A本府省と地方では既に2割以上の給与差があり、同一労働同一賃金の原則に反する。地方では、交通や自然環境など本府省より厳しい勤務条件にあり、これ以上の格差拡大は認められない、B隣接する自治体間で給与差が拡大すれば、地元での人材確保に更なる悪影響が生じる、C地方の民間給与に対する公務員給与の影響は大きく、その引下げは民間賃上げ見送りや賃下げ、地域経済にも深刻な影響を及ぼす、D賃金引下げが「職員の士気、組織活力の向上」に繋がるわけがなく、人事院の説明はまったく理解できない、E地方には、様々な仕事をしている技能労務職員がおり、これ以上の給与引下げには反対だ、F高齢層職員の賃金引下げは、若年層職員にとっては「将来、先輩職員の給与水準に届かない」ということであり、全世代のモチベーション低下になる、など地方や職場実態に基づいて人事院を厳しく追及した。
これに対し、参事官は「各地域からの貴重な、生の意見を承った。皆さんの声を受け止め、今後も議論していきたい」と応えた。
当初、10日に予定されていた中国・四国、九州・沖縄ブロックの上京行動については、台風の接近に伴い15日に実施する。
公務員連絡会では、このブロック別上京行動を踏まえ、今後、幹事クラス、書記長クラスの交渉や中央行動を配置し、勧告に向けて人事院を追い込んでいくこととしている。
なお、この間取り組んできた総合的見直しに関わる人事院総裁宛の職場決議は7月4日現在、15,839を集約している。
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