公務労協地方公務員部会は、10月6日、人事院勧告等に関わり、新藤総務大臣(当時)に提出した要求書に対する最終回答を引き出すため、総務省交渉を実施した。地方公務員部会からは川本企画調整委員代表(自治労書記長)ら書記長クラス交渉委員が出席し、総務省からは丸山公務員部長らが対応した。冒頭、丸山公務員部長は地方公務員部会側の要求に対する考え方として、以下の通り述べた。
(1) 地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨を踏まえ、各団体の議会において条例によって定められるもの。総務省としては、国民・住民の理解と納得が得られる適正な内容とすべきもの、との考え方に立ち、必要な助言を行ってまいりたい。
(2) 給与制度の総合的見直しの地方における対応について、総務省において有識者検討会を立ち上げ検討を進めてきた。7回の検討会を行い、丁寧に議論を進めてきたが、地方公共団体等からも意見聴取を行った上で、先日、「基本的方向性」を取りまとめ、公表したところ。その中で、@地方公務員の給与は国家公務員給与との均衡など地方公務員法の定める給与決定原則に基づいて検討されるべきであること、A国家公務員給与の抱える課題は、多くの地方公共団体においても共通の課題であることから、各地方公共団体は、国の見直しを十分踏まえて給与制度の見直しに取り組むことが必要であることなどが提言されている。この提言や、国家公務員給与の見直し方針が決定されれば、その方針を踏まえ、地方公共団体に対し、速やかに通知等により必要な助言を行ってまいりたい。
これに対し、川本企画調整委員代表は、
(1) 有識者検討会が取りまとめた「基本的方向性」に関し言及されたが、地方公務員の給与引下げ、給与制度の総合的見直し実施ありきとも言える内容で、我々として納得できるものではないことを申し上げておく。
(2) 必要な助言を行うとのことだが、今後地方自治体において、賃金確定に向けた労使協議に入ることとなり、今回の給与制度の総合的見直しに関し、国における制度の見直しや各人事委員会の勧告・報告などを含め、自治体ごとでの検討・協議が行われることとなる。特に、給与制度の大幅な変更を伴うものであること、また公務員給与の変更は、地域の民間賃金や地域経済にも影響を与えることから、労使の十分な意思疎通と慎重な検討が必要と考える。
(3) 有識者検討会では、年内を目途に最終とりまとめを行うことを念頭に検討が進められていると伺っている。人事院勧告や中間とりまとめを受けて、改めて地方からの意見も踏まえたものとなるよう、様々な形での意見反映についても要請しておきたい。
(4) 最後に、言うまでもなく、地方公務員の給与は、地方自治の本旨と地方分権の理念に基づいて、当該地方自治体の条例で定めるべきものであり、その自治体の自主的・主体的判断で決定されるべきものであり、その点を改めて強調しておく。
と求め、交渉を締めくくった。
なお、本年の国家公務員の給与改定に関する取扱いは、10月7日に開かれる第2回給与関係閣僚会議で確認、その後に開催される閣議で決定される見込みであり、この閣議決定後、地方公務員の給与改定に関する取扱いについて、総務副大臣通知が発出される見込みである。
以上