公務労協・地方公務員部会は、9月9日、今秋季確定闘争をめぐる情勢の共有化と取組みについて共通認識をはかることを目的に、2015年地方公務員賃金闘争交流集会を開催した。14時30分から東京・全電通労働会館で行われた集会には、全国から約210人が参加した。
冒頭、永井地方公務員部会議長(全水道委員長)が主催者挨拶に立ち「次年度予算策定に大きな影響を与える骨太の方針は、社会保障と地方財政を改革の重点分野として取り組むこととしており、今後何らかの形でさらに公務員総人件費削減を求めてくることが考えられる。また、地方行財政改革を訴え、直接的な表現は避けてはいるが、地方自治体業務のアウトソーシング化と行政改革の更なる推進、自治体の行政努力すなわち総人件費削減に応じた地方交付税の配分の意図が見え隠れしている。今後、都道府県、政令市等の人事委員会勧告が出され、賃金確定の最大の山場を迎えることとなる。それぞれの地域においては、著しい人口減少と景気回復の遅れによる税収の落ち込み、その一方で存在する社会保障費の増大、引き続く公務員批判、首長の政治姿勢、行財政改革等、様々な状況が取り巻く中での取組みとなる。地方公務員部会に結集する組合員と家族の生活、福祉の向上に向け、それぞれの地で労働組合の総力をもって取り組んでいこう」と訴えた。
次に、岩ア国家公務員関係部会議長(林野労組委員長)が激励の挨拶に立ち「協約締結権を持つ労働組合における賃金闘争は、人事院勧告前に妥結を図ることを目標に取り組んできたが、多くの組織で当局からの回答が引き延ばされているのが現状だ。こうした中、全造幣・全印刷の両当局が回答を示さなかったことによる交渉の打ち切り後、中央労働委員会に調停申請を行った。国公関係部会は両組織の取組みを重要視し、調停作業の支援行動に取り組んだ。最終的には1人当たり1,970円の調停案を労使双方が受諾し、現在配分交渉を進めている。賃金交渉は、当たり前のこととして労使で決着していかなければならず、そのためには労働基本権の回復が何よりも重要だ。職場には多くの課題があり、取り巻く状況は厳しいが、たたかう以外に解決の道はない。国公関係部会は、地公部会と連携を図りながら、今後の取組みを進めていきたい」と述べた。
続いて、加藤地方公務員部会事務局長が基調報告を行い、地方公務員賃金、地方財政をめぐる諸情勢を報告した上で、2015秋季闘争の取組みについて、@月例給及び一時金の給与水準の引上げ、A地方財政計画における給与費及び地方財政総額の確保、B自律的労使関係制度の確立と、労使合意に基づく人事評価制度の確立及び等級別基準職務表の条例化等への対応、C総労働時間の縮減、休暇及び休業等の制度拡充、D臨時・非常勤職員の処遇改善、雇用安定、の5つの柱を重点課題として取り組むよう訴えた。
その後、自治労・神奈川県本部の中島労働局長、日教組・山形県高等学校障がい児学校教職員組合の小野書記長、全水道・東北地方本部の忍書記長、日高教・栃木県高等学校教職員組合の栗田書記次長がそれぞれ、各組織、地域での取組みについて報告し、秋季確定闘争を全力ですすめていく決意を表明した。最後に、福島地方公務員部会企画調整委員(自治労書記長)の団結ガンバローで集会を締めくくり、秋季確定闘争への決意を確認し、集会を終えた。