公務労協は1月27日、都内で第19回代表者会議を開き、2015春季生活闘争方針を決定した。
代表者会議は石原副議長(国公連合委員長)を議長に選出し、最初に加藤議長(日教組委員長)は、「昨年末の衆議院選挙の結果によって、消費増税が先送られ、一方で社会保障の切下げという歳出削減路線に拍車がかかっている。そのことに対する批判的評価が社会の中にあるとするならば、その批判が公務員給与に対する攻撃的な世論に直結しやすいというのがこの間の状況であったし、今後激化していくのではないか。私たちの賃金は単なるコストなのか。公務職場における私たちの労働の価値とは、一体どこにあるのか。公務公共サービスの労働の価値を訴え、確立していかない限り、財政論だけで公務員賃金を引き下げればいい、という話になってしまう。これに向き合うことを運動の柱として取組みをすすめていかなければならない」とあいさつした。
続いて来賓の安永連合副事務局長は、「質の高い公共サービスは、国民生活の質を維持・改善していくために非常に重要なものだ。質の高い公共サービスを実現するためには、社会対話を通じて、公務におけるガバナンスと透明性を強化することも必要だ。とりわけ公務労働者の公正な労働条件を決定する自律的労使関係が重要な役割を担う。しかし、わが国においては未だに公務員に団体交渉権を始めとする労働基本権が制約されている状態のままだ。連合は、日本、諸外国の公務員に関する国際労働基準をもう一度見つめ直し、質の高い公共サービスと労働組合の役割について議論するための国際シンポジウム・決起集会を開催することとした。これらを契機に、まずは民間労働組合の仲間の理解促進、民間の組合員への浸透をすすめ、そのことから世の中全体に訴える活動に繋げていきたい」と激励のあいさつを行った。
方針提起に移り、吉澤事務局長は、「今年の活動のスタートとなる春季生活闘争の重要性を共有し、積極的に取り組んでいこう」と訴え、2015春季生活闘争方針を提案した。その後、この方針は満場の拍手で採択された。
決定された方針では、@すべての公共サービス労働者の生活の改善と格差是正をはかること、A良質な公共サービスの実現に向けて、その重要性と普遍性を社会的に喚起し、それを支える適正な賃金・労働条件と人員の確保をはかること、Bこれらの取組みを通じて組織の強化・拡大をはかることを柱に全力で取り組むこととしている。
国家公務員関係部会・地方公務員部会も代表者会議で春季生活闘争方針決定
なお、公務労協の代表者会議に続いて、国家公務員関係部会と地方公務員部会はそれぞれ代表者会議を開き、部会の春季生活闘争方針を協議・決定し、2015春季生活闘争態勢を確立した。
以上