2016年度公務労協情報 34 2016年9月9日
公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会

2016年地方公務員賃金闘争交流集会を開催―9/8
−地方公務員部会を取り巻く情勢認識を共有し、秋季確定闘争に向けた取組みを確認−

 公務労協・地方公務員部会は、9月8日、今秋季確定闘争をめぐる情勢の共有化と取組みについて共通認識をはかることを目的に、2016年地方公務員賃金闘争交流集会を開催した。15時から東京・全電通労働会館で行われた集会には、全国から約280人が参加した。 主催者あいさつをする永井議長
 冒頭、永井地方公務員部会議長(全水道委員長)が主催者挨拶に立ち「本年の人事院勧告は、月例給、一時金ともに3年連続での引上げとなった。今後、都道府県、政令市等の人事委員会勧告が出され、賃金確定の最大の山場を迎えることとなるため、各構成組織での取り組み強化をお願いしたい。他方、国・地方ともに厳しい財政状況のなか、消費税増税が再度先送りされ、さらに厳しい財源不足となることが危惧されるところ。今後、歳出抑制圧力が強まることが予想され、公務員人件費や交付税等にも影響を及ぼすことが想定される。また、安倍首相が掲げる成長戦略には、公的サービス等の民間開放拡大の方針が明記されているが、安易な委託等は国民・住民の安心・安全を守る公共サービスの質の低下につながりかねないため、今後の国の動向を注視するとともに、強い危機感をもって必要に応じた対策を講じていかなければならない。これらを含め、公共サービス労働者を取り巻く課題は多岐にわたるが、連携し取組みを進めていこう」と訴えた。
 続いて、森永国家公務員関係部会事務局長(公務労協副事務局長)が激励の挨拶に立ち「2016春闘において、国公関係部会を構成する協約締結権を持つ労働組合は、自主交渉・自主決着により、人事院勧告前に妥結を図ることを目標に取り組んできたが、多くの組織では、当局が「人事院勧告を待って回答する」とした姿勢に終始し、交渉が引き延ばされているのが現状だ。こうしたなか、全造幣・全印刷の両当局が回答を示さなかったことによる交渉の打ち切り後、中央労働委員会に調停申請を行った。最終的には、0.30%相当の原資を以て引上げるとの調停案を労使双方が受諾し、現在配分交渉を進めている。こうした取組みが、本年の人事院勧告へとつながったと考えている。今後の焦点は、秋の臨時国会における給与法の取扱いであるが、人勧の完全実施、早期の給与法等の成立に向け、危機感をもって国会対策を強化していかなければならない。国公関係部会としても、地方公務員部会と連携し必要な取組みをおこなっていく所存だ。他方、公務労協構成組織の組合員数は低下傾向が続いてる。賃金・労働条件をはじめとする公共サービス労働者を取り巻く諸課題の解決のためには、より多くの仲間で声をあげていくことが重要であり、それぞれの組織内で、組織強化・拡大の取組みをお願いしたい」と述べた。
 つぎに、加藤地方公務員部会事務局長が基調報告を行い、地方公務員賃金、地方財政をめぐる諸情勢を報告した上で、2016秋季闘争の取組みについて、@月例給及び一時金の給与水準の引上げと扶養手当の見直し、A地方財政計画における給与費及び地方財政総額の確保、B総労働時間の縮減、休暇及び休業等の制度拡充、C臨時・非常勤職員の処遇改善、雇用安定、の4つの柱を重点課題として取り組むよう訴えた。
 その後、自治労・茨城県本部の古渡書記長、日教組の宇書記次長、全水道・大阪市水道労働組合の北川書記長、日高教・島根県高等学校教職員組合の梶田書記長がそれぞれ、各組織、地域での取組みについて報告し、秋季確定闘争を全力ですすめていく決意を表明した。
 最後に、福島地方公務員部会企画調整委員(自治労書記長)がまとめをおこない、永井議長の団結がんばろうで集会を終えた。

−地方財政や臨時非常勤職員に関する学習会を開催−

 地方公務員部会は、この集会に先立って学習会を開催した。学習会では、総務省自治財政局の原調整課長から「地方財政の諸課題について―社会保障を中心に―」について、連合の安永副事務局長から「臨時非常勤職員の課題と取り組み」について、それぞれ講演を受け、情勢と課題に対する認識を深めた。

以上