2017年度公務労協情報ＮＯ.5

　公務労協は１月24日、都内で第22回代表者会議を開き、2017春季生活闘争方針を決定した。
　代表者会議は岩﨑副議長（林野労組委員長）を議長に選出し、はじめに川本副議長（自治労委員長）は「昨年発生した熊本地震などの災害、さらには東日本大震災からの復旧・復興・再生に向け、日夜奮闘している組合員に心より敬意を表する。昨年のイギリスのＥＵ離脱決定に続き、アメリカでは、格差拡大などの現状に対する人々の不満が、グローバル化の否定と既存の支配層への嫌悪として顕在化し、トランプ大統領を誕生させた。世界全体で国際的なシステムが変わりかねないと危惧されるなか、日本でも、自由や平等、民主主義や公正な市場経済など、戦後確立してきたものが蔑ろにされようとしているのではないかと危惧するところだ。経済成長頼みのアベノミクスは既に限界を迎え、アメリカの金融政策次第では、日本経済や国の財政状況に重大な影響を及ぼすことが懸念される。また、厳しい財政状況であるにも関わらず、2017年度予算案では、防衛費や公共事業費などの歳出が増加の一途をたどる一方、歳入見通しは経済成長を前提とするものになっている。地方財政も国と同様の構造であり、経済財政状況如何によっては、大きな影響を受ける恐れがあることを想定していく必要がある。このような厳しい情勢の中、2017春季生活闘争がスタートするが、公務公共サービス労働者として連合春闘に結集し、全力で取組みを進めていこう」とあいさつした。
　続いて来賓の連合神津会長は、「2017春闘は、これから連合の先行組合が交渉をスタートさせていくが、ベアを含めた賃上げや大手と中小の賃上げ格差の縮小など、これまでの流れを継続していくことが重要だ。この30年の間で、経済のグローバル化等の影響で賃金カーブが維持できず、大手と中小の賃金格差は、現在では２万円以上となっている。今一度メディアの論調も含め、「賃金は上がっていく」との常識を取り戻していかなければならない。そのためには、春闘を含む運動の積み重ねが重要であり、ご協力をお願いしたい。さらに、公務員の労働基本権問題も長きにわたりおざなりにされてきており、制約されていることが「常識」なのではなく、質の高い公共サービスの実現には自律的労使関係制度が必要不可欠であることを社会に強く発信していこう」と激励のあいさつを行った。

　次に、吉澤事務局長が2017春季生活闘争方針を提案し、満場の拍手で採択された。
　決定された方針では、①すべての公共サービス労働者の生活の改善と格差是正をはかること、②良質な公共サービスの実現に向けて、その重要性と普遍性を社会的に喚起し、それを支える適正な賃金・労働条件と人員の確保をはかること、③これらの取組みを通じて組織の強化・拡大をはかることを柱に全力で取り組むこととしている。