2018年度公務労協情報 32 2018年8月10日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

人勧等の取扱いで国家公務員制度担当大臣、厚生労働大臣に要求書を提出−8/10
−給与勧告の早期完全実施、定年引上げの着実、確実な早期実施を−

 人事院報告・勧告・意見の申出が10日9時50分に行われたことを受けて、公務員連絡会委員長クラス交渉委員は、同日に梶山国家公務員制度担当大臣、加藤厚生労働大臣にそれぞれ要求書(資料1参照)を提出した。
 要求提出の経過は次の通り。

<国家公務員制度担当大臣への要求書提出の経過>
 梶山国家公務員制度担当大臣への要求書提出は、10日13時から行われ、委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、石原議長は、次の通り要請した。
(1) 人事院は本日、本年の給与に関する勧告・報告を行うとともに、公務における働き方改革をはじめとした公務員人事管理に関する報告、国家公務員の定年引上げに関する意見の申出を行った。給与勧告は、月例給、一時金のいずれについても、5年連続の引上げとなった。人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや、民間給与に影響する観点を踏まえ、経済の好循環を図るためにも、勧告通り実施すべきものと考える。
(2) 民間における時間外労働の上限規制を踏まえ、公務においては法令である人事院規則で上限時間を定めるとした一方、各省各庁の長の判断に基づき特例を設けることを可能としていることに問題はあるが、われわれも職場でしっかりと取り組む決意であり、使用者としてもその実効性を確保していくことが強く求められる。
(3) 定年引上げに関する意見の申出は、政府からの検討要請に人事院が応えたものであり、着実かつ確実に早期実施すべきものと考える。
(4) 非常勤職員の待遇について、今回措置される慶弔休暇の適用等に加えて、改正された非常勤職員給与決定指針の順守はもとより、一層の改善が必要だ。
(5) 大臣におかれては、公務員の使用者としての責任において、われわれとの十分な交渉・協議、合意に基づいて、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、要求事項の実現に向けて最大限努力されることを要求する。

 これに対し梶山大臣は次の通り回答した。
(1) 公務員の方々が国民全体のために献身的に職務に当たられていることに対し、敬意を表する。
(2) 本日、人事院から給与改定に関する勧告が提出された。それを受けて、給与関係閣僚会議を開催し、その取扱いの検討に着手したところ。
(3) 国家公務員の給与については、国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立ち、国政全般の観点から、その取扱いの検討を進めていく。
  その過程においては、皆様方の意見も十分にお聞きしたいと考えている。
(4) また、定年の引上げについては、人事院の意見の申出を踏まえ、皆様方の意見も十分に伺いつつ、今後、更に検討していく。

<厚生労働大臣への要求書提出の経過>
 加藤厚生労働大臣への要求書提出は、10日16時25分から行われ、同じく委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、石原議長は、要求の趣旨を説明し、「大臣におかれては、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、要求事項の実現に向けて最大限努力されることを要求する」と求めた。

 これに対し加藤大臣は次の通り回答した。
(1) 本年の人事院勧告では、初任給・若年層に重点を置いた月例給の引上げや、ボーナスの引上げが勧告されたところ。
(2) この人事院勧告については、現下の経済・雇用情勢を踏まえ、様々な角度から真剣かつ慎重な検討が加えられ、出されたものであると認識している。
(3) 厚生労働大臣としては、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を維持・尊重する立場に立って対処すべきであると考えている。
(4) 定年の引上げについては、昨年の骨太方針で方向性を示し、人事院に検討を要請した。また、本年の骨太方針においても検討していく必要があると示したところ。
(5) 非常勤職員の待遇については、働き方改革関連法成立の流れをくみ、政府・地方自治体でもさらに取り組んでいくことが必要だと認識している。

 政府は本日第1回給与関係閣僚会議を開催し、今後、2018人事院勧告等の取扱いについて協議していくこととしたが、そのスケジュールは不透明である。

(資料1)政府宛要求書

2018年8月10日


内閣総理大臣
 安 倍 晋 三 様

公務員労働組合連絡会
議 長  石 原 富 雄


本年の人事院勧告・報告、意見の申出に関わる要求書

 常日頃、公務員労働者の待遇改善にご努力いただいていることに感謝申し上げます。
 さて、人事院は本日、月例給を0.16%、655円引き上げ、一時金の支給月数を0.05月引き上げる給与に関する勧告・報告を行うとともに、公務における働き方改革をはじめとした公務員人事管理に関する報告、国家公務員の定年引上げに関する意見の申出を行いました。
 本年の給与改定に関する勧告は、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや民間企業や造幣局、印刷局の春季交渉結果を踏まえたものであることに加えて、賃上げによる経済の好循環を図るためにも、勧告通り実施すべきものと考えます。
 民間における時間外労働の上限規制を踏まえ、公務においては法令である人事院規則で上限時間を定める一方、各省各庁の長の判断に基づく特例を設けることを可能としており、労使がともにその実効性を確保していくことが強く求められます。
 また、定年引上げに関する意見の申出は、政府からの検討要請に人事院が応えたものであり、当然実施すべきものと考えます。
 あわせて、非常勤職員の均等待遇も公務における重要課題となっています。
 貴職におかれましては、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。



1.本年の給与改定勧告について、勧告通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出すること。

2.定年引上げについて、早期に着実かつ確実に実施すること。

以上


2018年8月10日

厚生労働大臣
 加 藤 勝 信 様

公務員労働組合連絡会
議 長  石 原 富 雄


本年の人事院勧告・報告、意見の申出に関わる要求書

 常日頃、公務員労働者の待遇改善にご努力いただいていることに感謝申し上げます。
 さて、人事院は本日、月例給を0.16%、655円引き上げ、一時金の支給月数を0.05月引き上げる給与に関する勧告・報告を行うとともに、公務における働き方改革をはじめとした公務員人事管理に関する報告、国家公務員の定年引上げに関する意見の申出を行いました。
 本年の給与改定に関する勧告は、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや民間企業や造幣局、印刷局の春季交渉結果を踏まえたものであることに加えて、賃上げによる経済の好循環を図るためにも、勧告通り実施すべきものと考えます。
 民間における時間外労働の上限規制を踏まえ、公務においては法令である人事院規則で上限時間を定める一方、各省各庁の長の判断に基づく特例を設けることを可能としており、労使がともにその実効性を確保していくことが強く求められます。
 また、定年引上げに関する意見の申出は、政府からの検討要請に人事院が応えたものであり、当然実施すべきものと考えます。
 あわせて、非常勤職員の均等待遇も公務における重要課題となっています。
 貴職におかれましては、公務員労働者が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。



1.本年の給与改定勧告について、勧告通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出すること。

2.定年引上げについて、早期に着実かつ確実に実施すること。

以上