2018年度公務労協情報 33 2018年8月20日
公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会

人事院勧告等を受け、地方公務員部会が総務大臣申入れを実施-8/20

 公務労協地方公務員部会は、人事院勧告・報告・意見の申出が行われた後、各人事委員会が勧告作業に取りかかることを受け、8月20日に野田総務大臣に対して「2018年地方公務員給与の改定等に関わる申入れ」を行った。

【野田総務大臣への申入れの経過】
申入書を手交する二階堂議長(右)と野田総務大臣(左) 申入書を手交する二階堂議長(右)と野田総務大臣(左)
 野田総務大臣への申入れには二階堂地方公務員部会議長ほか委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、二階堂議長は、申入書(別紙1)を手交し、「本年の人事院勧告は、5年連続で、月例給、一時金のいずれについても引上げとなり、職員の期待に応えたものと一定評価できる。一方、政府は、骨太方針2018を閣議決定し、新たな「経済・財政再生計画」を打ち出し、財政健全化目標の確実な達成につなげていくとしている。地方行財政改革では、一般財源総額について、2018年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する方針が示されたものの、財政問題は一層深刻化しており、人件費を含む地方財政確立への影響が危惧される。他方で、頻発する大規模自然災害からの復旧・復興は急務であり、自治体職員をはじめとする地方公務員は精力的に職務を遂行している。職員の士気を確保し、良質な公務・公共サービス提供のために、各人事委員会において、地方公務員給与の引上げ勧告が行われるべきだ。働き方改革や雇用と年金の接続など、地方公務員をとりまく課題が山積している中、今後、各人事委員会で、勧告に向けた作業が進められる。地方公務員の労働基本権制約の代償措置である人事委員会勧告制度が機能するよう、総務省として適切な対応を図るとともに、労使間の十分な交渉・協議を通した自主的な給与改定を尊重するよう要請する」と申し入れた。
これに対して野田大臣は、「要請の内容は承った。各要求事項は検討の上、しかるべき時期に回答させていただく」と述べた。

(別紙1)

2018年8月20日


総 務 大 臣
 野 田 聖 子 様

公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会議長 二階堂 健男


2018年地方公務員給与の改定等に関わる申入れ

 貴職の地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
 さて、人事院は8月10日、政府と国会に対して2018年の官民較差に基づく国家公務員の給与等に関わる勧告を行いました。月例給、一時金のいずれについても、5年連続の引上げ勧告となり、職員の期待に応えたものと一定評価できます。
 一方、政府は、骨太方針2018を閣議決定し、新たな「経済・財政再生計画」を打ち出しました。財政健全化目標については、主要分野ごとの重要課題への対応、歳出改革等の加速・拡大を通して、目標の確実な達成につなげていくとしています。地方行財政改革では、一般財源総額について、2018年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する方針が示されたものの、財政問題が一層深刻化する中、人件費を含む地方財政確立への影響が危惧されます。
 他方で、大阪北部地震、西日本豪雨など、大規模な自然災害が頻発する中、様々な災害の復旧・復興は急務であり、自治体職員をはじめとする地方公務員は、公務・公共サービスに従事する労働者として精力的に職務を遂行しています。職員の士気を確保し、良質な公務・公共サービスを提供していくためにも、各人事委員会において、地方公務員給与の引上げ勧告が行われるべきです。
 働き方改革や雇用と年金の接続など、地方公務員をとりまく課題が山積している中、今後、各人事委員会では、2018年の勧告に向けた作業が本格的に進められます。地方公務員の労働基本権制約の代償措置である人事委員会勧告制度が機能するよう、総務省として適切な対応を図られるとともに、労使間の十分な交渉・協議を通した自主的な給与改定を尊重するよう要請します。
 貴職におかれましては、下記事項の実現に向け最大限のご努力をいただきますようお願いします。



1.2018年の地方公務員の給与改定については、地公法第24条2項の趣旨を踏まえた自治体の自己決定が尊重されるよう対応すること。

2.公営企業および技能労務職員の給与については、当該職員に労働協約締結権が保障されていることを踏まえ、労使交渉に基づく自主的・主体的決定を尊重すること。

3.地方自治体における長時間労働の是正については、改正労働基準法及び人事院「公務員人事管理に関する報告」を踏まえ、地方公務員部会との交渉・協議、合意の上、実効性のある超過勤務縮減策を講じられるよう地方自治体を支援すること。

4.定年の引上げに関わっては、人事院「意見の申出」を踏まえ、地方自治体においても国に遅れないよう制度設計を進めるとともに、地方公務員部会と十分な交渉・協議を行い、合意に基づいて対応すること。定年引上げまでの間は、職員の希望する再任用の実現とともに、高齢期の生活を支える給与、適切な労働条件を確保するよう対応を図ること。

5.改正地方公務員法等の審議及び附帯決議を踏まえ、臨時・非常勤職員制度の改善に向けた全般的かつさらなる見直しを引き続き検討するとともに、会計年度任用職員制度が円滑に導入されるよう地方自治体を支援すること。

以上