政府は、17日朝、第2回給与関係閣僚会議を開き、本年の人事院勧告を勧告通り実施する方針を決定し、その後の閣議では「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(資料1)を決定するとともに、給与法等改正法案及び国家公務員退職手当法改正法案も決定し、今特別国会に提出することとした。
公務員連絡会は、この閣議決定に先立ち、昨日、国家公務員制度担当大臣と委員長クラスが最終交渉をもち、本年の人勧取扱いに対する要求等についての回答を受けた。
この閣議決定により、今後は国会段階の法案を巡る取組みに移ることとなる。公務員連絡会は、対政府要求に基づく国会対策を強化していくことにしている。
なお、閣議決定に関する官房長官談話は資料2の通り。
資料1−人勧取扱いの閣議決定内容
公務員の給与改定に関する取扱いについて
(平成29年11月17日閣議決定)
1 一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員の給与については、去る8月8日の人事院勧告どおり改定を行うものとする。また、給与制度の総合的見直しを完成させる。
2 特別職の国家公務員の給与については、おおむね1の趣旨に沿って取り扱うものとする。
3 1及び2の措置に併せ、次に掲げる各般の措置を講ずるものとする。
(1) 国の行政機関の機構及び定員については、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」(平成26年7月25日閣議決定)に沿って、厳格に管理を行う。
(2) 国家公務員の退職手当については、人事院から示された退職給付に係る官民比較調査の結果及び見解を踏まえ、官民均衡を図るために設けられている調整率の改定により、平成30年1月1日から支給水準の引下げを行う。
4 独立行政法人(総務省設置法(平成11年法律第91号)第4条第1項第7号に規定する独立行政法人をいう。)の役職員の給与改定に当たっては、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)を踏まえ、適切に対応する。
また、特殊法人等の役職員の給与改定に当たっては、国家公務員の給与水準を十分考慮して国民の理解が得られる適正な給与水準となるよう厳しく対処するとともに、必要な指導を行うなど適切に対応する。
独立行政法人及び特殊法人等の役職員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)第2条第4項に規定する行政執行法人の職員を除く。)の退職手当についても、国家公務員の退職手当の見直しの動向に応じて、通則法等の趣旨を踏まえつつ、今般の国家公務員の退職手当制度の改正に準じて必要な措置を講ずるよう要請等を行う。
5 地方公務員の給与改定及び退職手当の引下げについては、各地方公共団体において、地方公務員法の趣旨に沿って適切に対応するとともに、厳しい財政状況及び各地方公共団体の給与事情等を十分検討の上、既に地域における国家公務員又は民間の給与水準を上回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため必要な措置を講ずるよう要請するものとする。
また、国家公務員における給与制度の総合的見直しを踏まえ、地方公務員給与についても、地域民間給与のより的確な反映などの見直しを引き続き推進するよう要請するものとする。
さらに、地方公共団体の適正な定員管理及び人件費の抑制に支障を来すような国の施策を厳に抑制するとともに、地方公共団体に対し、行政の合理化、能率化を図り、適正な定員管理の推進に取り組むよう要請するものとする。
資料2−官房長官談話
内 閣 官 房 長 官 談 話
(平成二十九年十一月十七日閣議決定)
一 政府は、本日の閣議において、一般職国家公務員の給与改定について人事院勧告どおり実施することなどを内容とする本年度の公務員の給与改定の方針を決定しました。
二 本年の勧告は、現下の民間の給与実態を反映し、俸給及びボーナスの引上げ等を行う内容であります。
三 政府は、労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告制度を尊重し、国の財政状況、経済社会情勢など国政全般との関連を考慮しつつ、国民の理解を得られる適正な結論を出すべく検討を行った結果、本日、勧告どおり実施することを決定したところであります。また、給与制度の総合的見直しを完成させることとしております。
四 国家公務員の退職手当については、人事院から示された退職給付に係る官民比較調査の結果及び見解を踏まえ、官民均衡を図るために設けられている調整率の改定により、平成三十年一月一日から支給水準の引下げを行うこととしております。
五 地方公務員の給与改定及び退職手当の引下げについては、各地方公共団体において、地方公務員法の趣旨に沿って適切に対応するとともに、国家公務員における給与制度の総合的見直しを踏まえ、地方公務員給与についても、地域民間給与のより的確な反映などの見直しを引き続き推進するよう要請することとしております。
六 公務員諸君においては、一人一人が国民全体の奉仕者であることを強く自覚するとともに、改めて厳正な服務規律の確保と公務の適正かつ能率的な運営を図るよう強く期待するものであります。