公務労協国家公務員関係部会は、2月12日午後から、東京ガーデンパレスで2019春季生活闘争学習集会を開催した。
集会の冒頭、篠原議長(林野労組委員長)が主催者を代表して、「1月29日の国公関係部会第7回代表者会議で連合・公務労協の方針を踏まえた春闘方針を確認した。国公関係部会としての2019春季生活闘争は、民間大手と足並みをそろえて交渉が進められるJP労組への支援と情報共有、そして、全印刷、全造幣、政労連などの協約締結権を有する独立行政法人の各組合については、自主交渉自主決着の原則を踏まえた独法当局との交渉を進める。非現業国家公務員についても、これらの取組を8月の人事院勧告へつなげる闘いと位置づけて、支援・協力しながら2019春闘の取組を進めていこう。本集会では情勢と課題を学習し、各構成組織が春闘に取り組む決意を固める集会にしよう」と決意を述べた。
続いて、春季生活闘争期の情勢と課題を共有・学習するため、3つのテーマで講演を受け、連合方針や春闘を取り巻く情勢について共通理解を深めた。
1つ目の講演では、国公連合傘下の政労連(政府関係法人労働組合連合)の渡邉書記長から、「障害者雇用を考える-雇用率水増し問題を契機として-」と題した講演を受けた。渡邉書記長は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の出身でもあり、今回の問題を契機に改めて「障害とは何か」、「どう職場が環境整備をするべきなのか」を障害者雇用の現場に携わってきた経験を元に講演した。渡邉書記長は「『障害』は多様であり、かつ複合的なケースもある。同じ障害であっても状況は異なっていて、対応の仕方はそれぞれ違う。まずは個人がどんな能力や特性、性格であるかを踏まえた上で、働くために何が壁になっているのかを理解し、どうすれば取り除けるのかを考えることが重要だ。これから障害者が採用され、配属されていく公務の現場には、対話をしながら当事者にあわせて職場環境を調整するための『合理的配慮』が必要になる。組合としても環境を整備するために協力しながら、よりよい職場にしていこう」と訴えた。
続いて、連合労働条件・中小労働対策局の三原部長から、連合2019春季生活闘争について講演を受けた。三原部長は、「景気は前年と比べて遜色がないこと、経済成長に比べて労働分配が歪んでいること、消費者マインドの転換が必要であることなどの情勢認識を踏まえ、連合は、2019春季生活闘争も引き続き『底上げ・底支え』『格差是正』と『すべての労働者の立場にたった働き方』の実現に向けた闘争を展開する。具体的には、賃上げについては月例賃金の引き上げにこだわるとともに、これまでの賃上げの流れの継続と経済を腰折れさせないために賃金の『上げ幅』を追求するのみならず、中小組合や非正規労働者などの格差是正に向けて『賃金水準』を追求することとしている。また、時間外労働の上限規制や同一労働同一賃金などの法改正の対応だけでなく、個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる基盤を整備し、すべての労働者の立場にたった働き方の見直しについて取り組んでいく」と今次春季生活闘争への結集を訴えた。
次に、連合総合男女・雇用平等局の井上総合局長からは、「仕事の世界における暴力とハラスメント」と題した講演を受けた。井上総合局長は、「暴力とハラスメントに対する課題認識は世界共通であるにもかかわらず、世界の全体的基準が設定されていない。現在、ILOでは国際労働基準の設定に向けた議論が行われており、連合はITUCとともにILO総会における、ハラスメントの禁止規定やドメスティック・バイオレンスへの対応・支援などを内容とした条約の採択と日本の条約批准に向けた取り組みを進めている。また、連合は労政審においても、ハラスメント行為の禁止規定等の法整備を追求している。公務部門の労働組合のみなさんも、公務員連絡会を通して一層取り組みを進めていただきたい」と強く訴えた。参加者は連合方針や春闘を取り巻く情勢について、共通理解を深めた。
その後、森永事務局長が今次春季生活闘争をめぐる課題・具体的な取組み等について提起し、全体で取り組みの確認を行い、団結がんばろうで集会の第T部を締めくくった。集会の後、第U部として交流・懇親会を行い、参加者同士で交流を深めた。
以上