公務員連絡会は、25日、全国から3千人の組合員を結集し、人勧期中央行動を実施した。13時30分から、日比谷大音楽堂で中央集会を開催したほか、霞ヶ関を一周するデモ行進と人事院前での交渉支援行動を行った上で、人事院交渉の報告集会を行い、要求実現を求めて最後までたたかい抜く決意を固めあった。
中央集会では、集会議長として田村副議長(日高教委員長)を選出した後、主催者代表として柴山議長が挨拶を行った。柴山議長は、「先の南九州の豪雨災害への対応をはじめ、日頃より国民生活に不可欠な公務・公共サービスのために最前線で懸命に働く皆さんに改めて敬意を表する。連合の2019春闘では継続して賃上げを勝ち取るなど、一定の成果を残してきている。我々も月例賃金、一時金の引き上げや住居手当の見直しなど、一貫して求めてきた納得性の確保、交渉・協議、合意を基本に交渉を進め、要求実現につなげていく。組合員の期待に応える結果を導き出せるよう、全国各地で奮闘する組合員とともに最後まで頑張ろう」と訴えた。
続いて激励挨拶に駆けつけた連合の南部副事務局長は、「春季生活闘争では全体の賃上げ率は2.07%と昨年と同率の結果となり、賃上げは今年も力強く継続している。とりわけ100人未満の組合やパート・有期契約で働く労働者の賃上げの健闘ぶりが目立つ結果となった。これらの春闘期のたたかいから公務の人勧期、そして確定期への闘争の相乗効果により、実質賃金の引上げにつなげていくことが必要だ。また、教員の働き方改革やハラスメントの防止に向けた取組など、労働者を守るための取組は引き続き重要な課題である。6月のILO総会で新たに「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約が採択された。ハラスメント対策の取組は官民共通の課題であり、公務職場におけるパワー・ハラスメントについても対策を推進し、連合としてハラスメント根絶に向けて引き続き取り組んでいきたい。また、公務員の労働基本権問題についても、すべての働くものの権利と尊厳に通じる問題と捉え、連合はITUC、公務労協との連携を密に取りつつ、引き続き政府に対して誠実かつ具体的な対応の前進を求めていく。公務員連絡会の皆さんの人勧期の交渉が精力的に進んでいくことを期待する」と激励と連帯の挨拶を行った。
基調提起に立った吉澤事務局長は、正念場を迎える本年の人事院勧告について、「民間の賃金動向は、総体としてのベアは確保できているものの、全体としての水準は昨年を下回っている。一方、国公給与の状況を踏まえれば、較差について予断をもって申し上げられる環境にない。また、一時金については昨年冬は微増、本年夏は減となっており、引上げを前提とした勧告になり得る環境にはない。しかし、あくまで目指すべきは6年連続での月例給と一時金の引上げだ。民間、全印刷・全造幣の中労委調停による6年連続の賃上げの流れを人勧が逆流させるようなことは断じてあってはならないという決意のもと、公務員連絡会一丸となって取り組もう」と訴えた。
構成組織の決意表明には、国公連合・国交職組・下山孝志東北地方本部執行委員長、日教組・小林美奈子三重県教職員組合書記次長、林野労組・藤島学関東地本東京支部事務局長が登壇し、たたかう決意を力強く表明した。
集会を終えた参加者は、人事院前交渉支援行動と霞ヶ関一周のデモ行進を行い、「職員の賃金を上げろ」「長時間労働を是正しろ」「定年引上げを実現しろ」「非常勤職員の待遇を改善しろ」などと力強くシュプレヒコールを繰り返した。
行動を終えた参加者は日比谷大音楽堂に再参集し、人事院局長交渉の報告を受けた。吉澤事務局長は交渉の概要を報告した上で「本日の交渉において月例給・一時金の状況をともに厳しく追求したが、人事院は具体的な回答を示していない。勧告まで2週間を切り、最終盤の正念場を迎える。最後まで引上げにこだわって交渉に臨む決意だ」とし、今後の交渉に向けた基本姿勢を明らかにした。
最後に、柴山議長の団結がんばろうで集会を締めくくった。
この日に行われた人事院職員福祉局長、給与局長との交渉経過は次の通り。
<人事院職員福祉局長との交渉経過>
合田職員福祉局長との交渉は、14時30分から行われた。
吉澤事務局長が、現時点での検討状況について回答を求めたのに対し、合田局長は、以下の通り答えた。
1 労働諸条件の改善について
(1) 長時間労働の是正について
国家公務員の超過勤務は、民間労働者の時間外労働と枠組みは異なっているものの、公務においても職員の健康確保や人材確保の観点等から長時間労働を是正することの必要性は異なるものではない。
国家公務員については、働き方改革関連法による労働基準法等の改正も踏まえ、本年4月から、人事院規則において超過勤務命令を行うことができる上限を、原則、1年について360時間、他律的業務の比重が高い部署についても720時間などと設定したところである。人事院としても、他律的業務の比重が高い部署の範囲などの制度の運用状況を把握し、必要に応じて各府省を指導するとともに、関係機関と連携しつつ、各府省における長時間労働の是正に関する取組を支援していくこととしている。
また、長時間の超過勤務を行った職員の健康確保措置を強化するための1箇月100時間以上の超過勤務を行った職員等に対する医師による面接指導の義務付けの措置について、各府省が面接指導を適切に実施できるよう必要な支援を行ってまいりたい。
長時間労働の是正のためには、引き続き府省のトップが先頭に立って組織全体として業務の削減・合理化に取り組むなどの対策が必要であるが、 国会業務など府省単独では業務合理化が困難なものについては、関係各方面の理解と協力を求め、政府全体として取組を進めることも必要であると考えている。 この関連では公務労協におかれまして、働きかけ等いただいていることに敬意を表したい。なお、マネジメント強化、業務合理化等を進めてもなお恒常的に長時間の超過勤務を行わざるを得ない場合には、業務量に応じた要員が確保される必要があると考えている。
(2) 仕事と家庭の両立支援、心の健康づくりの推進等について
仕事と家庭の両立支援については、性別にかかわりなく両立支援制度が適切に活用されるようにすることの重要性に対する社会の認識はますます高まっており、引き続き、制度の周知に取り組んでいきたい。また、不妊治療を受けやすい職場環境の醸成等を図ることや、 心の健康づくり等についても、引き続き必要な取組を進めていくこととしたい。
(3) ハラスメント防止対策について
パワー・ハラスメントについては、先の通常国会で、民間におけるパワー・ハラスメント防止対策等を含む、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、今後、改正後の労働施策総合推進法に基づいて厚生労働大臣が定めることとなります、事業主が講ずべき措置等に関する指針について労働政策審議会において審議がなされることとなっている。人事院においては、民間の状況も踏まえ、パワー・ハラスメントについての更なる防止策を検討するため、本年3月より、有識者による「公務職場におけるパワー・ハラスメント防止対策検討会」を開催しており、6月10日には職員団体の皆さんにもヒアリングに御協力いただいたところである。今後、民間における指針の審議状況も注視しながら、検討会での議論を進めていただき、その結果も踏まえて、新たな防止策を講じていくこととしている。
セクシュアル・ハラスメントについては、本年4月から規則改正を行いまして、新たに指定職職員又は本府省課長級職員となった者への研修実施を義務化するとともに、公務外の者からの相談窓口を人事院に設置している。今後も、新たに自習用研修教材を作成・配布するなど、対策を充実・強化していくこととしたい。
2 非常勤職員制度等について
非常勤職員の休暇については、民間の状況等を踏まえてこれまでも措置してきたところであり、今般、夏季休暇を措置したいと考えている。なお、これに伴って、年次休暇を夏季に前倒しして使用できる取扱いは、廃止する予定である。
3 障害者雇用について
今般の障害者雇用問題に関しては、政府において「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」が策定され、人事院に対しても、任用面での対応等について要請が行われたところであり、人事院は、この要請を受けて、国家公務員における合理的配慮指針の策定、フレックスタイム制の柔軟化等の措置、統一的な障害者選考試験の実施等を順次行ってきているところである。
本年度の障害者選考試験については、必要な改善を行った上で、各府省が本年末までに採用を行えるよう、本年9月から11月にかけて実施することとしている。また、障害者の採用に当たって、各任命権者において適切な選考等が行われるよう、引き続き、各府省に対する支援策等を講じていくこととしたい。
さらに、各府省における障害者に対する合理的配慮の提供に資するよう、厚生労働省等と連携して、その提供状況を把握し、優良事例に関する情報を各府省に提供するなど支援を行っていくこととしたい。
冒頭の回答を受けて、非常勤職員に対する夏季休暇の新設について、吉澤事務局長は「回答を歓迎し、評価をしたい。常勤職員との適切な権衡という観点に立てば、まだまだ課題があるのが率直なところだ。民間においても今後働き方改革が進んでいくなかで、適時、実態を把握し、適切な措置を講ずるよう求める」と述べた。
その上で、吉澤事務局長は、長時間労働の是正について、局長の見解を質した。
(1) 長時間労働の是正について、4月から新たな枠組みでスタートしたが、現在の状況をどう認識しているか。
(2) 他律的業務の範囲について調査をしているが、どのような結果になっているのか。例えば、府省において全てを他律的業務の比重の高い部署に指定したり、上限規制の枠を超えれば全て特例業務に該当するなどとしている府省に対する指導や最低限の規制はすべきではないか。
(3) 新たな制度が始まり、超勤縮減にむけて進み始めたタイミングで、政府は6月末に今後5年間の新たな定員合理化目標を示した。「人員が増えないのに、超勤が減るわけはない」というのが現場の率直な実情だ。人事院として、政府に対してはより強く言うべきことがあるのではないか。
これに対し、合田局長は次の通り回答した。
(1) 規則を2月公布、4月施行という時間のない中で、事前に懸念されていたような各府省間でのゆらぎが生じないように説明をしてきた。各府省は悩みつつ運用していると承知している。
(2) 各府省の指定状況を把握している。それについては、全省的な状況を見せつつ、どういう考え方で指定をしているのか、改善する余地がないのかを各省に認識してもらうよう、引き続き、各省との意見交換の機会を持ちつつ対応していきたい。
(3) 昨年の勧告時報告においても、「マネジメント強化、業務合理化等を進めてもなお恒常的に長時間の超過勤務を行わざるを得ない場合には、業務量に応じた要員が確保される必要がある」と記載した。今年の報告の中でも言及していきたい。
吉澤事務局長は、本年の人事管理報告において、改めて各府省そして政府に対し、超勤縮減に関して強く指摘すべきであることを求めた上で、続いてパワハラ対策について、次の通り局長の見解を質した。
(1) パワハラ対策検討会のスケジュールは予定通りか。また、措置については人事院規則で定めるのか。
(2) 対策を検討する際には、公務の特殊性である政治、そして国民や住民と向き合う上でのカスタマーハラスメントについても議論の対象にするべきだと考えるが見解如何。
(3) パワハラ対策においては、民間法で措置される紛争解決機能と同等の措置が不可欠と考える。その際には、迅速、簡易、納得性、プライバシーの確保が不可欠であり、既存の措置要求では解決しない。人事院の調査を見ても、パワハラが多い実態から、これらの解決機能は必然だと考えるが見解如何。
(4) 人事院規則で定められる前に前広な議論の継続を求める。
これに対し、合田局長は次の通り回答した。
(1) 民間における指針等の今後の検討状況をふまえ、年内には検討会の議論を終え、年明けには人事院規則の公布をめざし、来年4月にも見込まれる民間法の施行に遅れることのないよう進める。
(2) 検討会での議論では、当事者双方とも国家公務員の場合に加え、どちらか一方が国家公務員でない場合も想定して検討している。
(3) 現在も措置要求によらない苦情相談を通じた解決でも対応している。パワーハラスメント対策のための新たな枠組みの下でも、人事院の役割を適切に果たしていきたい。
(4) 検討会との関係から、日程の短い中での議論になると思うが、皆さんの意見を聞く機会を設けつつ、枠組みの構築に向けて進めていきたい。
また、交渉委員からは「行政ニーズが減らない中で定員合理化計画が進められ、本来他律的業務ではない部署においても超過勤務が増える実態にあることから、その点も踏まえて各府省を指導すべきだ」、「現場の声として、超勤縮減をすることに伴って、早朝出勤や昼休みに業務をしている実態もある」との指摘を行った。
最後に、吉澤事務局長から「超過勤務の縮減という目標は全く同じで、いかに結果を出すかだ。パワハラ対策についてはお互い協力してパワハラのない職場を作るのが大目標であり、それに向けた建設的な議論をお願いする」と強く要請し、職員福祉局長交渉を締めくくった。
<給与局長交渉の経過>
松尾給与局長との交渉は、15時から行われた。
吉澤事務局長が、現時点での検討状況について回答を求めたのに対し、松尾局長は、以下の通り答えた。
1 勧告について
人事院としては、公務員の給与等の適正な水準を確保するため国会と内閣に必要な勧告を行うという国家公務員法に定められた責務を着実に果たすこととしている。
本年の勧告については、例年とおおむね同様の日程を念頭に置いて、鋭意作業を進めているところである。
2 官民較差について
行(一)職員の平均年齢は、本年の国公実態調査によると昨年と比べほぼ横ばいとなっている。
本年の民間企業における春季賃金改定状況について、現時点で発表されている各種調査結果を見ると、定昇分を含む賃上げ率は昨年と比べ小幅な増減となっている。
民間の一時金の状況を各種調査で見ると、金額ベースでは、昨年冬が対前年比で増加し、本年夏が減少となっているが、月数ベースでは、冬夏ともに対前年比で増減両方の結果がある。
官民較差及び一時金については、現在集計を行っているところであり、最終的にどのような結果となるか注目しているところである。
3 諸手当について
諸手当については、民間の状況、公務の実態等を踏まえ、皆さんのご意見もお聴きしながら必要となる検討を行ってまいりたい。
住居手当については、本年の勧告における見直しを念頭に検討を進めており、その方針について、いわゆる基礎控除額(現行12,000円)について公務員宿舎使用料の引上げも考慮して引上げを行うこと、また、最高支給限度額(現行27,000円)の取扱いについて本年の国家公務員給与実態調査の結果等を踏まえて検討を行うことを先の審議官会見で御説明したところである。
本年の国家公務員給与実態調査の結果を見ると、基礎控除額の参考指標となる公務員宿舎の平均使用料は、2万円を少し超える額となっている。基礎控除額、最高支給限度額等を含めた住居手当の見直しについては、この結果を踏まえつつ、引き続く受給者増の傾向なども念頭に置きながら、鋭意検討を進めているところである。
4 再任用職員の給与について
再任用職員の給与については、民間企業における定年制や高齢層従業員の給与の状況、各府省における再任用制度の運用状況を踏まえつつ、職員団体の皆さんの意見も聴きながら、引き続き必要な検討を行ってまいりたい。
5 定年引上げ等について
昨年8月の意見の申出に至る過程での各府省及び職員団体の意見も踏まえ、定年の引上げの実現に向け各施策の必要性等の理解の促進に一層努めるとともに、政府における検討に際して、これまでの検討結果に基づき必要な協力を行うこと等を通じて、必要な法律改正が早期に行われるよう、人事院として、その責任を適切に果たしてまいりたい。
なお、当面の措置としての義務的再任用については、新規採用者を一定数確保しながらフルタイム中心の再任用が実現できるよう、定員上の取扱いについて関係機関に働きかけを行うなど、引き続き必要な取組を行ってまいりたい。
6 非常勤職員等の処遇改善について
非常勤職員の給与については、平成20年8月に非常勤職員の給与についての指針を発出し、各府省において適正な給与の支給が行われるよう、必要な指導を行ってきている。平成29年7月には、勤勉手当に相当する給与の支給に努めることを追加するなどの指針の改正を行い、現在、これに基づく各府省の取組が進んでいるところであり、引き続き、常勤職員の給与との権衡をより確保し得るよう取り組んでいくこととしたい。
回答に対し、吉澤事務局長は、次の通り局長の見解を質した。
(1) 勧告日については、例年と同様の日程を念頭に作業とのことだが、8月5日の週でよいか。
(2) 不適切統計調査問題の影響として、一般統計の1つである職種別民間給与実態調査について、今回の調査を含め、改めて問題はないか。
(3) 官民較差の状況はどうか。重大な事項であるにもかかわらず、冒頭回答は極めて不満。再回答を求める。
(4) 一時金について、どのような状況か。民間は昨年冬は微増、今夏は微減という状況において、少なくとも据置き、その上で引上げを求める。
(5) 住居手当については、これまでの交渉では「本年の勧告を念頭に検討を行う」ということしか明らかにされていない。今年の勧告で見直すのか。
基礎控除額を12,000円から20,000円に引き上げるのか。8,000円の引上げは認められない。家賃が低い層には若年層や単身者が多いと想定される。見直しにおいて、特定の職員にリスクが生じることは論外という立場であり、少なくとも合理性と納得性を前提とした見直しの全体像を示すことがなければ議論もできない。しっかりとした提案を求める。その際には、見直しの合理性と減額となる層への配慮が必要だ。いずれにせよ、まずは具体的な提案、議論はその後だ。
(6) 扶養手当について、2016年の勧告において支給額が改定され、配偶者がいない場合の子に対する支給額は減額されている。扶養手当の見直しは、民間準拠ではなく政策的な見直しであり、少子化対策という視点でこの不合理を解消するべき。
(7) 非常勤職員等の処遇改善について、内閣人事局の調査ではおおむね指針に基づく申し合わせに基づいた対応が行われているとされていることから、人事院として次の段階に進むべきではないか。
これに対し、松尾局長は次の通り回答した。
(1) 勧告日については、おおむね例年と同様の日程を念頭に置きながら作業を進めているとしか申し上げられない。
(2) 職種別民間給与実態調査も一般統計の一つであるが、本年調査の完了率を含め、何ら問題はないと認識している。統計委員会のヒアリングを受けたが何ら指摘はなかった。民調については、万全に行っているので心配いただく必要はない。
(3) 官民較差については現在集計中であり現段階では較差について言及できない。
(4) 一時金については、あくまで民調に基づいて、現在集計を行っているところであり、予断を持ってコメントはできない。
(5) 住居手当については今回見直す方向である。国公実態調査における基礎控除額の参考となる公務員宿舎の平均使用料が2万円を少し超える額であり、現行12,000円の基礎控除額を8,000円引上げるのかはその影響を含めて検討している。
(6) 扶養手当について、子に対する手当については、子を全て同額にというのが基本にある。配偶者に対する支給額を6,500円に減額した結果、配偶者がいない場合の子に対する支給額を他の子よりも高くする必要がなくなったと考えている。従前との連続性に関する指摘については、今後の課題と認識する。
(7) 非常勤職員等の処遇改善について、勤勉手当の支給についても各省は努力しており、少しずつでも改善はしていると認識している。給与の改定時期については4月遡及が理想だが各省の予算の制約もある。改正した指針のもと、引き続き対応していく。
また、交渉委員からは「定年引上げについては人事院としてその役目をしっかり果たしていただきたい」、「定年引上げまでの間は義務的再任用だが、短時間での勤務を余儀なくされていることから、フルタイムでの勤務が実現するよう働きかけを」、「人事異動による転居費用の自己負担が多額になっている者も多い。人事院の所管する手当とは関係がないが、職員がそういう実態にあることを理解してほしい」との指摘を行った。
なお交渉は、再三にわたって較差及び一時金の状況について明らかにするよう求めたものの、給与局長がこれに応じなかったことから、吉澤事務局長から「月例給の較差、一時金については次回の交渉で明らかにするとともに、住居手当の見直しについては、具体的な提案を次回の交渉で行うよう求めておく」と強く要請し、給与局長も了としたことから、この日の交渉を締めくくった。
以上