公務員連絡会の委員長クラス交渉委員は、11月5日17時20分から、宮腰国家公務員制度担当大臣と交渉し、本年の人事院勧告の取扱いに関する政府の検討状況を質した。
冒頭、公務員連絡会の柴山議長が、「8月10日に人事院勧告などの取扱いに関する要求書を提出し、事務レベルでの交渉・協議を過日実施した。本日は、政府の人事院勧告の取扱い方針について、大臣から直接回答をいただきたい」と求めたのに対し、宮腰担当大臣は次の通り回答した。
(1) 本年度の国家公務員の給与の取扱いについては、去る8月10日に人事院勧告が提出されて以来、人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、国政全般の観点から政府部内で検討を続けてまいりました。
(2) その結果、明日、第2回目の給与関係閣僚会議を開催し、勧告どおり、平成30年度の給与改定を行うことが決定される方向です。
給与関係閣僚会議で決定がなされれば、その後の閣議において、公務員の給与改定の取扱方針が決定され、あわせて、給与改定に係る法律案について決定されることとなります。
また、定年の引上げについては、人事院の意見の申出も踏まえ、皆様方の意見も十分に伺いつつ、引き続き更なる検討を重ね、結論を得てまいりたいと考えているところです。
(3) 本日の回答は以上です。職員の皆様には、今後とも、国民の信頼に応え、公務能率の向上及び行政の効率的・効果的な運営に努めていただきたいと思います。
これに対し、柴山議長は、次の通り見解を述べた。
(1) 明日予定の閣議決定のうち、給与改定の勧告通りの実施は、人事院勧告制度尊重が政府の基本姿勢であることからして当然のことである。給与改定に関する法律案が国会に提出されるが、地方公務員等への影響を考えれば、可及的速やかに法律案を成立させるべきだ。公務員連絡会としても早期成立をめざして働きかけを強めていくが、担当大臣としても、ご尽力願いたい。
(2) 定年の引上げについては、人事院の意見の申出を踏まえて、われわれとの十分な交渉・協議、合意に基づき、着実かつ確実な早期実施を求めておきたい。
(3) 公務における働き方改革の着実な推進も重要な課題の一つだ。今後、上限時間の実効性確保に向けて人事院規則改正が行われる。長時間労働の是正に向け、われわれ自身も職場でしっかりと取り組む決意であるが、行政需要に対応するための必要な要員確保など、大臣におかれては、国家公務員の使用者としての立場からその責任を果たすよう求めておく。
(4) 最後に、公務を取り巻く情勢が一段と厳しさを増していることをお互いに共有し、大臣におかれては、法案の早期成立に向けて尽力されたい。
明日、取扱方針等が閣議決定され、国会に関連法案が提出されることになることから、公務員連絡会は、対政府要求に基づく国会対策を強化することにしている。
以上