2019年度公務労協情報 9 2019年1月30日
公務公共サービス労働組合協議会

公務労協が2019春季生活闘争方針決定−1/29
−賃金の引上げ、良質な公共サービスの実現に全力で取り組むことを確認−

 公務労協は1月29日、都内で第27回代表者会議を開き、2019春季生活闘争方針を決定した。
 代表者会議は柴山副議長(全農林委員長)を議長に選出し、はじめに岡島議長(日教組委員長)が「政府は12月21日、過去最大となる2019年度当初予算案を閣議決定した。政府みずから「経済再生と財政健全化の両立予算」と強調しているが、財政健全化の達成には不十分である一方、経済成長万能主義のもと、公的負担の最小化を目指す新自由主義的歳出削減路線が継承されており、国民生活の基盤となる公共サービスの劣化が強く懸念される。私たちは、公共サービス基本法にもとづき、近年頻発する大規模な自然災害からの復旧・復興をはじめとした、良い社会をつくる公共サービスキャンペーンの取組を一層強化していかなければならない。昨日、通常国会が召集されたが、本年は統一地方選挙、そして参議院議員選挙が行われる。国民生活の安心と安全を支える公共サービスが政治的に軽視されている現状を踏まえ、理念と政策が一致する政党との公共サービスの再構築に向けた協議の場を設置し、連合との連携のもと、国会対策をはかっていく。また、公務員制度改革について、昨年行われたILO総会における日本案件の個別審査にもとづき日本政府がILO条約勧告適用専門家委員会に送付した報告とあわせて、連合として、意見書を添付している。今後、第108回ILO総会に向けた対応について準備を行っていくとともに、最終的には政治問題となる課題の性格を踏まえた最善の機会を探るとともに、労働基本権に関する社会的・国民的理解の醸成を最重要視し、経済界やマスメディアとの対話の促進等による社会的環境整備を連合とともに推進していく。本日決定される方針のもと、公務公共サービスに従事する労働組合として、連合に結集し、要求実現に向けて2019春季生活闘争を闘いぬこう」と強い決意を述べた。
 続いて、激励に駆けつけた連合の神津会長は来賓あいさつで、「2016年以降、連合は一貫して日本全体の「底上げ」を掲げて春季生活闘争を闘ってきた。そして、賃金については、連合の中でも中小が大手を上回ることや、非正規の賃上げ率が正規を上回るということが見られるようになってきた。しかし、連合傘下の組合でも、まだ要求すらできないとか、回答を得られていない組合が少なからずあるという状況を鑑みれば、世の中全体を見渡したときにはもっと厳しい状態にある。その状況を打破しようという発想が今回の2019春季生活闘争方針にある、賃金の上げ幅にも当然こだわりつつ、絶対水準を求めていくという方針だ。この深く沈んだ状況をブレイクスルーするために、より踏み込んで、組合のない経営者にも自社の賃金水準を直視してもらい、絶対水準を俎上にあげる運動を進めていきたい。春闘も働き方改革も、公務公共サービスに携わる皆さんには直接的な影響のない点やグレーな点もある。その発端は労働基本権が制約されている中での労使関係にあるが、基本権の回復という厚く高いハードルを打開するチャンスは、いつかかならず来ると私は信じている。状況をグリップしながら、引き続き公務労協の皆さんと手を取り合って、きたるべきときにそこを乗り越えたい」と春季生活闘争や基本権回復への決意を述べた。

 次に、吉澤事務局長が2019春季生活闘争方針案を提案し、満場の拍手で採択された。
 決定された方針では、@すべての公共サービス労働者の生活の維持・改善と格差是正をはかること、A良質な公共サービスの実現に向けて、その重要性と普遍性を社会的に喚起し、それを支える適正な賃金・労働条件と人員の確保をはかること、Bこれらの取組を通じて組織の強化・拡大をはかることを柱に、組織の総力をあげた取組を展開することとしている。

国家公務員関係部会・地方公務員部会・公務員連絡会も春季生活闘争方針決定

 公務労協の代表者会議に続き、国家公務員関係部会と地方公務員部会は同日の代表者会議において、公務員連絡会は翌30日の幹事会において、それぞれ春季生活闘争方針を協議・決定し、2019春季生活闘争態勢を確立した。

以上