2020年度公務労協情報 28 2020年10月8日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

人勧取扱いで国家公務員制度担当大臣、厚生労働大臣に要求書提出−10/7,8
−公務員連絡会との交渉・協議、合意に基づく対応を求める−

 公務員連絡会は、一時金に関する人事院勧告が7日に行われたことを受けて、河野太郎国家公務員制度担当大臣、田村憲久厚生労働大臣に対し、人事院勧告の取扱い及び定年引上げに関する要求書(別紙参照)を提出した。

 要求提出の経過は次の通り。

<国家公務員制度担当大臣への要求書提出の経過>

 河野大臣への要求書提出は、7日に行われ、委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、柴山議長は、コロナ禍で異例の勧告日程となっているもと、今後行われる月例給の勧告とあわせて、勧告の取扱いにあたっては、公務員連絡会と十分に交渉・協議し、合意に基づく対応を求めるとともに、公務における定年の引上げについては、国家公務員法改正法案を速やかに再提出し、段階的な定年引上げを、早期に着実かつ確実に実施するよう求めた。
 さらに、長時間労働の是正に関わって、柴山議長が「河野大臣が、在庁時間調査など強力にリーダーシップを発揮していただいていることは大変心強く感じる」と述べた上で、これまで以上に、われわれ公務員連絡会と政府との間で、超過勤務縮減の実効性確保に向けた建設的な議論を行うよう求めた。
 これに対し、河野大臣は、「本日、人事院から給与のうちボーナスに関する勧告が提出されたところであり、速やかに給与関係閣僚会議の開催をお願いし、その取扱いの検討に着手したいと考えている。国家公務員の給与については、国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立ち、国政全般の観点から、その取扱いの検討を進めていく。その過程においては、皆さんの声をしっかりと聞いていく」と述べた上で、「担当大臣は2度目になるが、霞ヶ関における働き方改革については、かなり力を入れてやらないといけない。その第一歩として10月、11月の在庁時間を各省に調べてもらい、サンプル調査では無く、悉皆調査で職種、年代、担当部署でどういう状況になっているのかをまずきちんと白日の下に晒すと言うことが大事だと思っている。長時間労働の原因は何なのかを見える化して対応していくことが大事だ。今後、データを集めた上で対策を考えたいと思っているので、色々皆さんのお話を伺いながら進めたい」とし、長時間労働の是正に向けて強い決意を示した。また定年の引上げについては、「働き方改革が重要な課題であるとの認識のもと、皆さんとよく意見交換していきたい」と述べた。
 最後に、柴山議長が、「課題は様々あるが、働き方改革をしっかり前進させ、定年の引上げについても速やかに解決していくよう引き続き大臣の努力を求める」として要請を締めくくった。

<厚生労働大臣への要求書提出の経過>

 田村大臣への要求書提出は、8日に行われ、委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、柴山議長から田村大臣に対して要求書の手交を行った。その上で、柴山議長が要求内容について説明し、「労働行政を所管する大臣におかれては、職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、要求事項の実現に向けて最大限努力されることを要求する」と求めた。
 これに対し田村大臣は「本年の人事院勧告では、ボーナスの引下げが勧告されたところであるが、この人事院勧告については、現下の経済・雇用情勢を踏まえ、検討が加えられ、出されたものであると認識している。私としては、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を維持・尊重する立場に立って対処すべきであると考えている。また、定年の引上げについては、厚生労働省では、先の通常国会において民間企業における70歳までの就業機会の確保を図る法案を提出し、成立させた。一方で、ご指摘の定年引上げに関する国家公務員法改正案は内閣人事局から国会提出したところ、廃案となったところである。私としては、高齢化が進む中で、働く意欲のある高齢者全体が、公務員を含めて、年齢にかかわりなく活躍できる社会を整備することが重要と考えている」と述べた。
最後に、柴山議長が、「この難局の中、日々職場で奮闘する職員のためにも、引き続き大臣の努力を求める」とし要請を締めくくった。

 今後、人事院は、月例給について別途必要な報告・勧告を予定している。また、政府においては、給与関係閣僚会議を開催して人事院勧告の取扱いについて協議が進められる。引き続き、公務員連絡会は、適時適切に人事院、政府との交渉・協議を行っていく。

(資料1)政府宛要求書

2020年10月7日


内閣総理大臣
 菅  義 偉 様

公務員労働組合連絡会
議 長  柴 山 好 憲


一時金に関する人事院勧告等に関わる要求書

 常日頃、職員の職務環境の整備や待遇改善にご努力いただいていることに敬意を表します。
 さて、人事院は本日、一時金の支給月数を0.05月引下げ、年間4.45月とする給与に関する勧告と公務員人事管理に関する報告を行いました。
 ところで、未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた対策をはじめ、今年7月の豪雨災害など近年多発する自然災害への対応などとあわせて、国民生活の基盤を担う公務・公共サービスの現場において、職員の高い使命感と責任をもった懸命の奮闘が続いています。一方、働き方改革などに積極的に取り組んでいるものの、長時間労働の蔓延など厳しい環境は改善されておらず、適切な要員や労働条件等の確保が求められます。
 また、公務における定年の引上げについては、少子高齢化・労働力人口減少社会における喫緊の課題であるとともに、社会的要請と使用者責任である雇用と年金の確実な接続のために不可欠な措置という観点から、早期の法制度改正を果たす必要があります。
 貴職におかれましては、職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。



1.勧告の取扱いを検討するに当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意すること。

2.定年引上げに関する国家公務員法改正法案を速やかに再提出し、早期に着実かつ確実に実施すること。

以上


2020年10月8日

厚生労働大臣
 田 村 憲 久 様

公務員労働組合連絡会
議 長  柴 山 好 憲


一時金に関する人事院勧告等に関わる要求書

 常日頃、職員の職務環境の整備や待遇改善にご努力いただいていることに敬意を表します。
 さて、人事院は昨日、一時金の支給月数を0.05月引下げ、年間4.45月とする給与に関する勧告と公務員人事管理に関する報告を行いました。
 ところで、未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた対策をはじめ、今年7月の豪雨災害など近年多発する自然災害への対応などとあわせて、国民生活の基盤を担う公務・公共サービスの現場において、職員の高い使命感と責任をもった懸命の奮闘が続いています。一方、働き方改革などに積極的に取り組んでいるものの、長時間労働の蔓延など厳しい環境は改善されておらず、適切な要員や労働条件等の確保が求められます。
 また、公務における定年の引上げについては、少子高齢化・労働力人口減少社会における喫緊の課題であるとともに、社会的要請と使用者責任である雇用と年金の確実な接続のために不可欠な措置という観点から、早期の法制度改正を果たす必要があります。
 貴職におかれましては、職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。

1.勧告の取扱いを検討するに当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意すること。

2.定年引上げに関する国家公務員法改正法案を速やかに再提出し、早期に着実かつ確実に実施すること。

以上