人事院は10月28日10時02分に、国会と内閣に対して月例給に関する報告を行った。
公務員連絡会は声明(別紙1)を発出するとともに、今回の報告を踏まえ、全国統一行動を行うこととした。なお、連合においても2020年人事院報告および勧告について、事務局長談話(別紙2)を発出している。
(別紙1)
声 明
1.人事院は、本日、官民較差が△0.04%(△164円)と極めて小さく、俸給表及び諸手当の適切な改定が困難であることから、月例給の改定を行わないとする報告を行った。なお、10月7日には、一時金の支給月数を0.05月引き下げる給与勧告と公務員人事管理に関する報告を行っている。
2.公務員連絡会は、8月5日に人事院に要求書を提出し、具体的には、新型コロナウイルス感染拡大における厳しい社会経済情勢も踏まえ、@月例給与の水準の維持を最低として、公平・公正で客観的な官民比較に基づくこと、A一時金については、精確な民間実態の把握と官民比較を行い、職員の生活を守る支給月数を確保することを求め、われわれとの十分な交渉・協議、合意に基づいて勧告作業を行うよう人事院に求めてきた。そして、2020人勧期署名行動「ネットシグネ」に取り組み、9月1日に49万7717筆の署名と「新型コロナウイルス感染症に関する勤務条件等の追加要求」の提出、幹事クラス交渉委員による職員団体審議官交渉、書記長クラス交渉委員による職員福祉、給与両局長交渉を行うなど、人事院との交渉・協議を最終盤までねばり強く取り組んだ。
3.本年の給与に関する勧告・報告は、一時金について、2010年以来の引下げとなったことは、民間賞与の客観的な支給実態に基づくものではあるが、新型コロナウイルス感染症への対応など国民の命と暮らしを守るため職務に奮闘している職員の努力を踏まえると残念な結果である。一方、月例給与の官民較差は、民間実勢を反映した公平・公正で客観的な官民比較に基づくものであり、改定見送りは、公務員連絡会の要求に対して最低限の配慮をしたものであるといえる。
4.新型コロナウイルス感染症に関わっては、人事院が、われわれの要求に応えて、職員への周知に関する配慮の観点から、人事院のホームページに、関連する通知等の情報を一覧できるページが設けられた。基礎疾患を有する職員や妊娠している職員への勤務環境の配慮について、職員からの視点で、関連情報を確認できるようにしたことは評価するが、引き続き、当該職員が不安を感じることなく職務に従事することができるよう、各府省に対して適切に指導助言することを求めるものである。なお、人事院が交渉において明らかにした「妊娠している職員に対する措置の実施状況のフォロー」をはじめ、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないもと、課題継続という立場から、引き続き、人事院との協議を強化していく。
5.長時間労働の是正については、人事院に対して、超過勤務命令の上限を超えた場合における各府省による要因の整理・分析・検証の状況を把握した上で、各府省を適時適切に指導することを求めるとともに、当該各府省の状況等に関する人事院との協議を年内を目途に強化する。
非常勤職員の待遇改善については、引き続き、格差是正の取組を積極的に進めるとともに、人事院に対して、非常勤職員の休暇のあり方について、場を設けて検証・検討していくよう求めていく。
6.公務員連絡会は、政府に対して10月7日に提出した要求に基づき、給与法改正法案の提出が予定される第203臨時国会が10月26日に召集されたことを踏まえ、政府との交渉・協議に全力をあげる。
さらに、地方自治体や独立行政法人、政府関係法人等の賃金確定に向けて、全力を尽くすものである。
2020年10月28日
公務員労働組合連絡会