公務労協は、10月30日17時から、都内で第18回総会を開き、2021年度活動方針を決定し、新役員体制を確立した。
総会の冒頭、あいさつに立った清水議長は「今年も7月豪雨や大型台風など、大規模な自然災害が各地に甚大な被害をもたらしている。コロナ禍にあって、被災地の復興は厳しい状況にあるが、引き続き、被災地の要望、要請に基づく支援が必要だ。この10年で社会の状況は大きく変わり、自己責任論の蔓延や格差・貧困の広がりで社会的な孤立が増えるなか、新型コロナウイルス感染症は追い打ちをかけている。感染拡大の防止を最優先に、働くものや生活者の立場から全ての仲間の力を結集し、この難局を乗り越えなければならない。公務労協は、公務公共サービスが国民生活の安心安全を支える基盤であるという基本認識に立ち、労働組合としての社会的役割を果たしていこう。10月26日から臨時国会が始まり、41日間という短い会期、法案数、外交日程や検察庁法改正案との状況などから、今国会での定年引上げの法案再提出、審議、成立は極めて厳しい状況にあるが、まずは給与法改正案のすみやかな成立を求め、取り組んでいく。新型コロナウイルス感染症の影響で、職場訪問や職場会、学習会等が十分にできていない状況もあると思う。しかし、この状況にあっても、組合員に丁寧に情勢や取組を説明し、理解を求め、組合運動を広めることが大切だ。各構成組織には引き続き公務労協への支援・協力をお願いする」と、運動への結集を呼びかけた。
その後、吉澤事務局長が、@2020年度の取組経過と2021年度活動方針、A2020年度会計決算報告、B2021年度予算と分担金を提起し、満場一致でこれらを採択した。
2021年度の活動方針では、@特別定額給付金をはじめとする新型コロナウイルス感染拡大に伴う現金給付による対策により、先進国最悪の公的債務を抱えるもと、国民生活の崩壊を招く財政破綻がより現実的となったことを直視する、A公務公共サービスに従事する労働組合としての社会的責任と役割を果たすため、新型コロナウイルスの感染拡大という社会的な危機を契機として、質と量の拡充をはじめとする良質な公共サービスの実現に向け、そのあり方を再構築する活動を強化する、B公共サービスの重要性と普遍性を社会的に喚起するとともに、それを支える適正な賃金・労働条件と人員の確保をはかることに重点を置く。具体的には、構成組織間で共通する政策課題の実現主体であるとともに対政府等との交渉主体としての性格を有する公務労協は、国家公務員の使用者たる性格と地方自治体及び独立行政法人・政府関連公益法人等の職員の勤務条件等に重大な影響力を有する政府に対し、関係府省・人事院等との間における交渉・協議を最重視した対応をはかる、C賃金・労働条件をはじめとする諸課題に係る政治対策については、政党と労働組合との性格や目的の違いを踏まえつつ、交渉主体としての責任を果たす観点から、要求実現に向け広範な政党への対応に留意していく、としている。
具体的取組として、@良い社会をつくる公共サービスキャンペーン、A公務員制度改革と労働基本権の確立、B独立行政法人及び政府関連公益法人等の労使・労働関係の確立、C賃金・労働条件の確保・改善、D高齢者雇用施策の推進、E公務公共サービス労働者の組織化と産別結集の活動の推進、等を展開することとしている。
その後、2020年度決算監査報告を確認し、2021年度新役員(別紙)を選出した後、団結がんばろうで終了した。
国家公務員関係部会、地方公務員部会もそれぞれ総会
同日、国家公務員関係部会、地方公務員部会の総会がそれぞれ開かれ、年間活動方針等を決定し、新役員を選出した。
(別紙)
公務労協2021年度役員
2020年10月30日第18回総会
議 長 清水 秀行(日教組委員長)
副 議 長 川本 淳(自治労委員長)
武藤 公明(国公連合委員長)
篠原 明(林野労組委員長)
事務局長 吉澤 伸夫(自治労)
副事務局長 加藤 達夫(日教組)
森永 栄(国公連合)
会計監査 豊間根 純(国公連合)
古矢 武士(全水道)
運営委員 鬼木 誠(自治労書記長)
(☆は企画調整委員) 瀧本 司(日教組書記長)
☆ 荘司真佐人(国公連合書記長)
☆ 村上 彰一(全水道書記長)
田村巳知男(日高教書記長)
中村 恭士(林野労組書記長)
☆ 安部 正(全印刷書記長)
澤重 大(自治労連書記長)
戸川 順司(全造幣書記長)
石川 幸コ(JP労組書記長)
以上