行革推進事務局との交渉が18日午後4時から行われ、組合側は、「基本設計」に向けた検討作業について質し、直ちに給与制度見直し内容を交渉の場で示すよう求めるとともに、制度設計にむけた「協議の場」の早期設定について見解を質した。また、16日の交渉で石原行革担当大臣がのべた「基本設計はグランドデザイン」という発言の真意を質した。なお、交渉には、行革推進事務局側は西村事務局長、春田公務員制度等改革推進室長、高原参事官が対応、組合側からは戸田・村瀬両企画委員と正副事務局長が参加した。
西村事務局長は、@給与制度見直しの原案の提示時期については、最大限要望に応えるよう努力したい、A大臣の発言は「制度設計の詳細まで完全に詰め切れるものでない」との認識を示したものと理解している、B「協議の場」の設定については、組合から意見を伺うことは有益なことなので、要望に応えていきたい、との見解を示した。
交渉の概要は次のとおり。
組合側 16日の石原担当相への申入れで我々は、@提言内容についての常設の協議の場の設定A給与制度等についての21日からの交渉、などを申し入れたが大臣からは明確な回答がなかった。
我々は、2月2日に橋本前大臣に申し入れして以来、一貫して公務員制度改革全般についての協議と賃金・労働条件事項についての交渉を求めてきた。
4月9日には西村事務局長は、@基本設計に当たっては率直な意見交換をするA給与制度については推進事務局が交渉当事者の立場に立つ、との見解を我々に示している。
すでに6月の「基本設計」まで1ヵ月前後という段階に至っているが、いまだ推進事務局からは「基本設計」の全体像や給与制度の見直し内容についての提示がない。いつ、どのような形で我々に基本設計案を提示する考えか、早急に提示してもらいたい。
推進事務局 作業の進捗状況にもよるが、給与制度の原案については最大限ご要望に応えるよう努力したい。
組合側 我々としては、もはや「誠意ある十分な協議や交渉を行う」ためのタイムリミットは過ぎていると考えており、いまの見解について、遅くとも5月中には「給与制度等の見直し」の内容について提示があるものと理解したい。もしこの時期がずれこむようなことになれば、「交渉拒否」と受け止めざるを得ない、ということを申し上げておく。
ところで、16日の会見で石原大臣は、6月の「基本設計」について「グランドデザインであり、ビルでいえば四角か三角か、を固めるようなものである」との趣旨を発言しているが、その真意は何か。
推進事務局 おそらく、「基本設計」といっても制度の設計の詳細まで完全に詰め切れるものではないとの認識を示されたものと理解している。
組合側 いまの説明ではよくわからない。「大枠」と「基本設計」の関係はどう整理するのか。また、「基本設計」が「グランドデザイン」なら、その後の作業はどうなるのか。たとえば、「具体設計」みたいなものをまとめるのか。まとめるとすればそれはいつか。
推進事務局 「基本設計」自体が今お話したような状況であるので、その後の作業については現時点で固まっていない。「基本設計」ができた段階でその後の作業の整理をすることになると考える。その段階ではみなさんにもよくお話ししたい。
組合側 6月の「基本設計」がグランドデザインであれば、その後の作業のあり方を拘束しない、おおざっぱな性格のものと理解していいか。
推進事務局「基本設計」は、大枠を可能な限り具体化したものとしたいと考えている。
組合側 いずれにしろ、本日の推進事務局の発言については、きっちりと果たしてもらいたい。仮に果たされなければ、我々としては組織的な対応を含めて考えざるを得ない局面に入ることを認識してもらいたい。
給与制度等の設計に関わって、交渉を行うこととは別に、事前にかつ前広に、相互に中身をつきあわせる「協議の場」を設けてもらいたい。そのために、われわれとしてもプロジェクトを設ける用意があるが、推進事務局もその対応体制を作ってもらいたいが、どうか。
推進事務局 我々としてもみなさんから意見を伺うことは有益と考えている。作業の進捗状況にもよるが、できる限りご要望に応えていきたい。
以上