みんなの力で、労働基本権の確立と民主的な公務員制度改革を実現しよう

労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.24 2001年6月5日

連合官公部門連絡会

公明党に「提言」実現を要請


 対策本部は6月5日、公明党に対し、公務員制度改革に関する 「私たちの提言」を提出し理解を求めるとともに、政府の「基本設計」の策定にあたって、@交渉・協議に基づく合意によって改革案を取りまとめること、A推進事務局と組合との協議の場の設定と「提言」の考え方を十分反映すること、を申入れ、与党の立場からの特段の努力を要請した。
 この申入れに、対策本部は、丸山副本部長、斎藤事務局長、宮入副事務局長が出席、公明党からは、太田昭宏幹事長代行、若松兼維行革・地方分権対策委員長、江田康幸同・副委員長が応対した。
 冒頭、丸山副本部長から申入書(別記)を手渡し、「提言」の考え方を含めて説明、そのなかで、「労働基本権が制約されているもとでは、本来、給与制度の見直しや評価制度の設計などの課題は、第三者機関や審議会等の意見を踏まえて行うべきものと考えている。したがって、少なくとも、交渉・協議に基づく合意によって改革案を取りまとめるべきである」と訴えた。
 これに対し公明党からは、「各省大臣に人事管理権限が任せられるもとで交渉のあり方をどうするのか、その場合の人事院の役割等、基本的な問題について、まだ与党として具体的にどう制度設計すべきか検討がすすんでいない。与党内で議論する際にはできる限り労働組合の意見を反映させるよう党として努力したい」との考えを示した。今後、さらに相互で意見交換していくことを確認し、終了した。



連合加盟の民間組合への団体署名要請
すでに31組合から署名よせられる


 連合官公部門連絡会では、組織内の緊急署名行動と並行して、連合に加盟している民間組合に対し「連合の基本要求」と「私たちの提言」の実現を求める団体署名の要請行動を行っている。各構成組織を訪問しての要請行動はすでに全構成組織に対して行い終了した。その結果、6月5日現在53の民間組合のうち31組合から署名をいただいている。
 5月21日から始めた今回の要請行動は、4月に行った「運動への理解を求める」要請に続くもので、訪問先の民間組合からは貴重なアドバイス、率直な意見をいただいている。一般的には「公務の世界はよくわからない」という意見も少なくないが、連合と同じく連合官公部門が国民の立場から「提言」していることについて、評価や歓迎の意見が寄せられている。また、個々の課題についても、次のような意見がだされている。
@ 「労働基準法の世界へ」というのは素直に支持できる。
A 非常勤・パート職の均等待遇に共感する。
B 各省大臣が職員の人事・労働条件を一方的に決める仕組みでは働くものの意欲はわかない。設計段階から公務員の意見が反映されるべきであり、労使の話し合いで物事を決める仕組みは必要である。
C 雇用保険の適用に向けて検討すべきだ。
D 評価・処遇制度は難しい点もあるが、組合が関わりキチンとした仕組みを作るべきだ。
E 求められる公共サービスの質が変化しているなかで、どのように対応し、提供していくのかが問われてくる。

【署名をいただいた民間組合・6月5日現在】
 電機連合、JAM、情報労連、CSG連合、 鉄鋼労連、私鉄総連、運輸労連、造船重機労連、商業労連、化学リーグ21、JR連合、化学総連、全国一般、紙パ連合、レジャー・サービス連合、全自交労連、全銀連合、全国農団労、全競労、航空連合、NHK労連、新化学、全労金、全国セメント、繊維生活労連、JA連合、全造船機械、港運同盟、全国競馬連合、炭労、全炭鉱の31組合


ILO総会に向け榎本本部長らが現地で要請行動を開始

 対策本部の榎本本部長と山本事務局次長は、ILO総会に向け連合の代表団(団長・鷲尾連合会長)との連携のもと現地での要請行動を開始した。6月5日から21日の間、ジュネーブで開催される第89回ILO総会で、日本政府が進めている公務員制度改革の検討について、ILO87号条約に沿った検討を求め、個別審査の対象としてリストアップするよう働きかけを行っている。両氏は4日から5日にかけて、労働組合の国際組織である国際自由労連(ICFTU)、国際公務員労連(PSI)をはじめ条約勧告委員会の有力メンバーに会い、日本政府がILO条約や憲法・国内法に違反して、一方的に「改革」を進めようとしている現状を説明、日本問題を個別審査の対象とするよう協力を要請した。
 また、連合の鷲尾会長は4日に記者会見を行い、日本の労働側代表団として、日本政府が進めている公務員制度改革がILO条約に違反して、労使協議抜きに行われている状況を強く指摘し、審議を要請していく考えを明らかにした。


2001年6月5日

公明党 代表  神崎 武法 殿

連合官公部門連絡会  
代表委員 榎本庸夫
代表委員 榊原長一
代表委員 石川正幸
代表委員 中野高徳
代表委員 丸山建藏


公務員制度改革に関わる申入れ


 日頃よりわれわれ公務・公共部門に働く労働者の処遇改善に向けて尽力されていることに敬意を表します。
 私たち官公労働者約200万人で組織する連合官公部門連絡会は、キャリア公務員を中心とした特権的・閉鎖的な現行公務員制度を民主的で透明性の高い、開かれた政府に相応しい国民のための民主的公務員制度に改革する必要があるとの立場に立って取り組みを進めてきたところです。去る5月14日、全構成組織の討議を経て「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けての私たちの提言」を取りまとめ、自らの改革案を提示しつつ引き続き総力を傾けて取り組む所存です。
 さて、今次公務員制度改革においては、基本的な労使交渉事項である給与制度や賃金労働条件の大きな改革方針が提起されており、私たちは橋本前担当大臣への申し入れを行うと共に推進本部発足以来一貫して、公務員の使用者としての政府が一方的に制度設計を進めることは容認できず、直ちに交渉に応ずることを求め続けてきました。
 しかし、政府行革推進本部事務局は、4月24日の申し入れに対し「交渉当事者の立場に立つ」としながら具体的な見通しや「交渉・合意に基づいて成案を得る」との見解も表明していません。
 さる5月29日、推進本部事務局は、はじめて組合側に対し検討案を提示しましたが、制度設計の前提となる人事院勧告制度の存否や労働基本権については一行の記述もないばかりか基本設計の性格や取りまとめへの段取りも示されず遺憾千万であります。
 現状の政府推進事務局の対応は、労働基本権制約の代償措置を機能不全に陥れ違憲状態を惹起しつつあり、労働組合としては深刻な対応をとらざるを得ません。
 つきましては以下のことを申し入れますので上記の経緯を踏まえ、その実現に向け特段のご配慮をされますよう要請します。



一、基本的な労使交渉事項である給与制度の見直し及びそれと連動する評価制度の設計などの課題についてはILO条約並びに憲法・国内法を遵守し、交渉・協議に基づく合意によって改革案を取りまとめることを前提に交渉を行うこと。

一、「基本設計」とりまとめに当たっては、別紙、私たちの「提言」内容を十分反映すること。
 また、そのために政府推進事務局と連合官公部門連絡会との常設の協議の場を設け率直な意見交換を行い成案を得ること。

以上