公務員連絡会地公部会は、6月12日、全国知事会、全国市長会、全国町村会に対して、公務員制度改革に関する要請を行い、「私たちの提言」を手渡し、次の点についての理解と、行革推進事務局及び関係各位に対する意見の反映を求めた。@「基本設計」の取りまとめは、連合官公部門連絡会との交渉・協議に基づく合意を前提とすること、A取りまとめにあたっては、「私たちの提言」の内容を反映すること、B地方公務員制度の改革については、国家公務員制度と地方公務員制度の特性、及び地方自治の本旨をふまえ、地方分権を一層推進する立場に留意し、改革の手順を明確にすること(要請書は、別紙の通り。全国市長会、全国町村会についても同文)。
要請行動は、10時30分から全国町村会、13時30分から全国知事会、15時から全国市長会に対して行い、公務員連絡会からは、斎藤事務局長ら地公部会幹事、事務局が参加した。
全国知事会では、遠目塚事務局次長と石上調査第一部長が応対し、「公務員制度改革については、地方公共団体からも意見を聴取してほしいと考えている。国と地方は違う点があるので、そこは十分考えてほしい。月末に何らかのものが発表されれば、噛み砕いた意見を言いたいと考えている」と答えた。
全国市長会では、岩田事務局次長と小林行政部長が応対し、「全国市長会の考え方は、5月16日に地方六団体で発した『意見』の通りである。公務員制度改革は重要で基本的な問題と考えており、これからも対応していきたい」と答えた。
全国町村会では、渡辺事務総長が応対し、「ご意見については、うけたまわった。公務員制度改革については、深く議論が行われるべきと考えている」と答えた。
連合徳島が学習会を開き、民間労働組合と意見交換
連合徳島・徳島県官公労協は、民間労働組合と官公労働組合が公務員制度改革について意見交換することを目的に、6月7日、「公務員制度改革学習会−公務員制度改革をめぐる動きと取り組み−」を労働福祉会館で開催した。この学習会には、連合徳島に加盟する10構成組織から50人が参加した。
大松連合徳島会長、松崎官公労協議長の主催者あいさつ、藤原連合徳島事務局長の経過報告の後、連合総合政策局の成川総合政策局長から「21世紀の公務員制度−労働基本権確立にむけて」と題して講演を受けた。成川総合政策局長は、これまでの公務員制度改革の経緯と、連合方針である「21世紀の公務員制度・労働基本権確立の基本要求」について説明し、「政府が6月に提示する基本設計に労働組合側の意見が反映されるよう強く求めていく」と表明した。
各構成組織からの取り組み報告では、徳島県教組が、公務員制度改悪反対の取り組みとともに、改憲・戦争につながる「教育改革」に反対していく決意を述べた。また、自治労徳島県本部は、6月29日、「公務員制度改悪反対、参議院闘争勝利、自治労徳島県本部2001人集会」を開催することを表明した。
全国知事会
会 長 土 屋 義 彦 殿
公務員労働組合連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合
中央執行委員長 榎 本 庸 夫
日本教職員組合
中央執行委員長 榊 原 長 一
日本都市交通労働組合
中央執行委員長 鈴 木 俊 一
全日本水道労働組合
中央執行委員長 足 立 則 安
全国自治団体労働組合連合
中央執行委員長 上 野 信 雄
公務員制度改革に関する要請書
日頃から地方自治の発展に向けてご尽力されていることに対して心から敬意を表します。
さて、社会経済情勢が大きく変化している今日、国民生活における安心・安定・安全を確保する社会的セーフティネットの再確立と持続可能な福祉型社会の創造に向けて、公務・公共サービスが果たすべき役割は極めて重要であり、公務員制度はそれを支える基盤となる必要があります。
私たちは、これらの問題意識のもと、現行の公務員制度を抜本的・民主的に改革する必要があるという立場から、連合官公部門連絡会がとりまとめた「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けての私たちの提言」の実現に向けた対応をはかってきました。
一方、政府・行革推進本部事務局における「公務員制度改革・基本設計」に向けた検討は、抜本的改革を回避し、基本的な労使交渉事項である給与制度や人事制度に特化し、制度設計の前提となる人事院勧告制度の取扱いや労働基本権についての検討を先送りしている状況にあり、その内容、手続きともに重大な問題があることを指摘せざるを得ません。
つきましては、今後の自治体運営と地方公務員の雇用・生活に重大な影響を及ぼす「公務員制度改革・基本設計」の策定について、別記により、政府・行政改革推進本部事務局及び関係各位に対して意見の反映をされますよう要請します。
記
1.労働基本権の制約とその代償措置制度との関係性において、給与・人事制度の見直しについては、連合官公部門連絡会との交渉・協議に基づく合意を前提として、「基本設計」のとりまとめを行うこと。
2.「基本設計」のとりまとめにあたっては、連合官公部門連絡会の「公務員制度の民主的で抜本的な改革に向けての私たちの提言」の内容を反映すること。
3.地方公務員制度の改革については、国家公務員制度と地方公務員制度のそれぞれの特性及び地方自治の本旨を踏まえ、地方分権を一層推進する立場に留意し、改革の手順を明確にすること。
以上