行革推進事務局との交渉が7月25日11時から行われ、6月29日に推進本部が取りまとめた「公務員制度改革の基本設計」の提示を受け、12月の「公務員制度改革大綱」策定に向けて交渉を開始した。交渉には、行革推進事務局側から西村事務局長、春田公務員制度等改革推進室長、高原参事官が対応、対策本部からは、企画委員の大原(自治労)・橋爪(全郵政)・村瀬(国公総連)各書記長、斉藤事務局長、宮入・轆轤両副事務局長らが出席した。
「基本設計」は、「政府の共通認識として、新たな公務員制度の骨格と具体化に当たっての検討課題を示すもの」(6.26交渉での石原行革担当大臣発言)で、使用者としての立場から取りまとめたものである。また、政府は先のILO総会で「基本設計後も関係職員団体と誠意ある交渉・協議を行う」と答弁している。
組合側は、推進事務局に対し、こうした政府見解を踏まえた交渉・協議に臨むスタンスや12月策定の「大綱」の性格、その間の作業スケジュール、等について質した。これに対し推進事務局側は、次のような見解を示した
@ 「基本設計」を受け、12月の「公務員制度改革大綱」策定に向けて具体的な制度設計を進めることにしている。この検討作業に当たっては、当然、職員団体との間で誠意ある交渉・協議を行いたいと考えている。
A 推進事務局の体制を整備する観点から、制度官庁や関係省庁、専門機関の人事院、さらに民間からも協力を求めスタッフを増員する。その体制が固まるのは旧盆〈8月中旬〉以降となるので、それを待って職員団体との交渉・協議に臨む事務局の体制を作るようになる。したがって、具体的な課題に関しての交渉・協議の開始は9月に入ってからとしたい。
B 推進事務局の体制の強化のもとで、「基本設計」に基づき詳細な検討を行い、12月の「公務員制度改革大綱」策定では、改革に向けた法制化等の具体的な内容、平成17年度までの集中期間のスケジュール等を明らかにすることにしている。その際、「大綱」を閣議決定とするかどうか等その性格については、検討作業でどれだけ中身が固められるかによるので、今の段階では決まっていない。
C 「大綱」策定後の法改正作業と法案を国会審議に付託する時期について、早期の具体化が可能な項目については次期通常国会に提出したいが、給与制度等基本的部分についてはそうはならない、と考えている。
こうした見解表明に対し組合側は、「基本設計」において給与・人事制度の検討を先行させ労働基本権問題の結論を先延ばして、具体的な改革の方向性を示さなかったことをとりあげ、「労働基本権問題に結論をだしたうえでないと具体的な制度改革の交渉・協議に入れない」と主張し、早急に労働基本権確立の方向を示すよう求めた。これについて行革推進事務局側からは、「労働基本権については給与等の個別課題の検討を進めるなかで検討することにしており、現時点では答えらない」という見解をのべるにとどまった。
以上の見解を受け、組合側は、行革推進事務局の増員体制が整う8月中旬以降に改めて要求書を提出し、その際「交渉と協議の課題」「交渉委員」等について確認したい、と申し入れ交渉を終えた。
以上