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労働基本権確立・公務員制度改革

対策本部ニュース

No.43 2001年9月11日

連合官公部門連絡会

石原行革担当大臣と交渉、「今後の交渉・協議」について申入れ

10月末めどに「労働基本権の在り方」の回答求める



 連合官公部門連絡会は9月11日午後4時から、内閣府で石原伸晃行革担当大臣と交渉を行い、「今後の交渉・協議を進めるに当たっての申入れ」(別記)を行った。行革推進事務局は、12月の「公務員制度改革大綱」の策定に向け、人事院のスタッフを加え新たな体制で検討作業を進めているが、今後の交渉の進め方等について大臣の見解を質した。なお、交渉には、組合側から大原(自治労委員長)・石川(全逓委員長)・丸山(国公総連委員長)各代表委員と事務局が参加、行革推進事務局側から西村事務局長、春田公務員制度改革推進室長が同席した。
 冒頭、丸山代表委員が申入書を大臣に手渡し、申入れ事項について、次のように説明した。

@ 本年12月に予定する「公務員制度改革大綱」の性格や位置づけ、法制度見直しまでの基本的なスケジュールなどをできるだけ早期に明らかにしてもらいたい。
A 労働基本権のあり方については、具体的な制度設計の前提となるべき事項であることから、10月末までにその考え方を示してもらいたい。
B 交渉・協議を進めるにあたっての行革推進事務局側の対応体制等交渉ルールを確認したい。

 これに対し石原大臣は、次のような見解を示した。
@ 6月29日に「公務員制度改革の基本設計」をとりまとめて以降、12月の「大綱」策定に向けて、9月1日付で人事院から19名のスタッフを入れてやっと事務局の体制を作りあげた段階である。これから制度設計の検討作業を進めていくことになる。したがって、「大綱」の性格や位置づけ、法制度見直しまでの基本的なスケジュール等はまだ決まっておらず、明確にいえる段階にない。
A 労働基本権の問題については、与党3党との調整も必要であり、要望される10月末までにその考え方を示すのは困難である。12月の「大綱」策定のギリギリの段階まで結論はでないのではないか、と考えている。
B 交渉・協議の具体的な体制やルール等については、事務局とよく相談してほしい。各交渉レベル段階から積み上げた交渉・協議が行われるようにしたいと考えている。

 こうした見解を受け、組合側は、「新たな人事・管理制度を導入するのであれば、制度設計の前提として、労働基本権問題に対する考えを早く示すべきである」と重ねて申し入れるとともに、9月17日の中央集会に合わせ行革推進事務局と「交渉・協議ルール」等で詰めた交渉を行うことを確認して、交渉を終えた。

(別記)

2001年9月11日

規制改革・行政改革担当大臣
  石 原  伸 晃  殿

連合官公部門連絡会        
代表委員 大原 義行
代表委員 榊原 長一
代表委員 石川 正幸
代表委員 中野 高徳
代表委員 丸山 建藏


今後の交渉・協議を進めるに当たっての申入れ


 貴職は、去る6月29日に行政改革推進本部が決定した「公務員制度改革の基本設計」に基づいて、12月には「大綱」をまとめるべく検討作業を進め、その過程で連合官公部門連絡会との誠意ある交渉・協議を行うとの見解を表明しています。
 しかし、貴職がこれまで示してきた「大枠」や「基本設計」をみても、公務員制度改革の@基本理念A制度設計の全体像B今後の運びやスケジュールなど、もっとも基本となるべき事柄が不明確であり、12月の「大綱」がどのような性格や位置づけとなるのかさえ明らかとなっていません。また、具体的な人事・給与制度の検討を進めるに当たっての前提となるべき労働基本権のあり方の考え方も全く示されていません。
 さらに、この間の貴職の検討内容や作業の進め方が実質的に労働基本権制約の立法政策を自ら変更している事実から鑑みて、今後の交渉・協議は、単に「意見を聞く」ものではなく、可能な限り「決定する」ものでなければならないと考えています。
 以上のことからわれわれは、今後、具体的な公務員制度をめぐる交渉・協議を進めるに当たって、すくなくとも下記事項について明確にすべきであると考えますので、貴職が誠意ある見解を示されるよう申し入れます。



1.12月に予定する「大綱」の性格や位置づけ、法制度見直しまでの基本的なスケジュールなどをできるだけ早期に明らかにすること。

2.労働基本権のあり方は公務員制度のあり方を規定する基本的な事項であり、具体的な制度設計の前提となるべき事項であることから、10月末までにその考え方を示すこと。

3.今後の交渉・協議を進めるにあたっては、あらかじめ以下の事項をはじめとしたルールを確認すること。
(1)交渉・協議の対応体制、メンバーを相互に確認すること。
(2)賃金・労働条件に関わる事項(決定制度を含む)、及び賃金・労働条件に密接に関わる事項については、交渉事項とすること。その他の制度改革課題については協議事項とすること。
(3)交渉・協議については、議事録確認を行い、合意された事項については文書を持って確認すること。また、当局はその合意事項を誠意を持って実行する旨の態度を表明すること。

以上