国営企業各当局は13日、国営企業組合に対しベア(加重平均)0.03%、90円(定昇込み1.96%、5,884円)という極めて低率・定額の賃上げ回答を示した。これに対し各組合は、「当局の回答が有額回答日に指定した4月10日から遅れたこと」に強い不満を表明するとともに、回答が民間の賃上げ水準を下回ったことから一斉に回答内容の再検討を求めた。
しかし、各当局とも再検討後においても「これ以上の回答はできない」とする態度に終始した。このため、連合官公部門国営企業部会は、「賃上げ回答に不満」との声明(別紙)を発表するとともに、同日中に団体交渉を打ち切り、16日に中央労働委員会に調停申請を行うこととしている。
当局回答(pdf 5k)
国営企業の賃上げ回答に関する声明
国営企業各当局は、本日私たちの賃上げ要求に対し、ベ・ア0.03%、90円 (定昇込み1.96%、5884円)の極めて低率、低額の回答を示してきた。この回答は、私たちが指定した10日から遅れたばかりでなく、今次春季生活闘争における民間の賃上げ水準を下回り、自主交渉における組合の主張に応えていない極めて不満なものといわざるを得ない。
団体交渉権が確立しているとはいえ、今日なお、政府の法的・予算的制約のもと、国営企業当局の当事者能力が抑制され、自主的な判断が制限されている。このような状況を打開するため、一昨年まで連合と政府の間で官公労働者の賃金・労働条件改善問題を中心に政労会見が実施され、労使交渉の早期円満解決に資してきたところである。しかし、昨年に続き本年も政労会見が実現せず、4月9日に連合官公部門代表と福田官房長官の間で交渉が行われたところである。その交渉の中で、福田官房長官から早期有額回答に努力するとの態度表明があり、このような経緯も踏まえて本日の当局側の回答に至ったものである。
本日有額回答が示されたこと自体は、これまでの良好な労使関係等に配慮したものとして一定の評価をすることができるものといえる。しかし、この回答は、私たちの要求と今年度の民間の賃上げ状況とは乖離したものであり、国営企業当局に再回答を求め、自主交渉を行うが、これ以上の進展が見られない場合は、やむを得ず団体交渉を打ち切り、各組合の協約に基づいて中央労働委員会へ調停申請を行うこととする。
中央労働委員会の調停に移行した段階においても、私たちは自主交渉の延長の場として、2年連続して総収入がマイナスとなる厳しい生活実態を打開し、組合員の生活の維持・向上を図るため、国営企業当局に誠意ある対応を求める。また、中央労働委員会には民間水準の適正な把握・比較を行い、依然として存在する官民格差の段階的解消をも考慮した調停作業を強く求めるものである。
2001年4月13日
連合官公部門国営企業部会
全逓信労働組合
全日本郵政労働組合
全林野労働組合
全印刷局労働組合
全造幣労働組合
日本林業労働組合
以上